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家族って船みたい

気がついたら息子は4歳に、娘は2歳になっていた。男の子と女の子の違いなのか、生まれてきたタイミングの違いなのか、同じ家庭で育てていても二人それぞれの個性が際立ってきた。

息子は怖がりで、石橋を叩いて叩いてなかなか前に進まない慎重派。初めての人や場所がかなり苦手なので、新年度になると新しい教室が不安で「ほーくえん、いやだよ」と泣いている。コツコツと制作するのが大好きで、ブロックや粘土、砂場で息子オリジナル作品を作っている。
一方、娘は刺激を求める冒険家で怖いもの知らず。怖がりの兄ちゃんをよそに物怖じせず進んで行く。オシャレが大好きで、髪を結ってもらったり帽子やアクセサリーを身につけるととっても嬉しそう。一日に何回も着替えては「かわい?」と見せに来る。

まだ小さい二人がケンカしたり一緒にふざけたりと兄妹の様相になってきて、なんか家族って不思議な縁だなぁと思ったりした。
わたしと夫が子どもを望まなければ。わたしと夫が結婚しなければ。というか、そもそもわたしと夫が知り合わなければ。この子たちは存在しなかったし笑いあったり同じ屋根の下で眠る夜もなかったのだ。この四人でいつまで一緒に暮らせるかはわからないけど、今、このメンバーで身を寄せ合えることがなんだか嬉しい。



「ママ、あのねあのね、」とお喋りする息子。「わたしもわたしも!」と同時に喋り出す娘。おもちゃを取った、取られた、と大きな声で泣く子どもたち。「こら!!靴脱いで手ぇ洗いなさい!」と玄関で叫ぶ私。
やかましい。我が家は毎日やかましいのだ。

別々のところからやってきた4人が偶然に知り合って、同じ船に乗って、やいのやいの言いながら海に漕ぎ出しているような、そんな感覚になる。
わたしは今、この船に乗れてとても嬉しい。仲間に入れてもらえて、とっても嬉しい。


家族って、どうなるかわからない。
家族が突然いなくなってしまうこともあるし、離ればなれになったり、別の家族と一緒になったり。
わたしは育った元の家族と決別した。わたしの夫は離婚歴がある。この家族だって、いつかはそれぞれの道に分かれていくんだと思う。
でも今は、この子たちに出会えてよかった。一緒に過ごせることが嬉しい。そう思わせてくれて、ありがとうって思う。


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