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「それ、どういうこと?」 受験生がやりがちな「論理の飛躍」とは


みなさん、こんにちは!
ドラゴン桜noteマガジン編集長の青戸一之です。

みなさんは「論理の飛躍」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

論理の飛躍とは、例えば「大雨の影響で、昨夜に交通事故が発生した」のような、論理的に結びつかない二つの事柄を無理やりつなげてしまうことを指します。

普通の会話であれば、これでも通じるかもしれません。

しかし、英作文や小論文などで自分の意見を述べる場合だと、このような書き方では減点されてしまいます。

なぜなら、大雨の影響と交通事故が起きることの間には

 大雨が降ると○○になる
→〇〇のせいで××が起きる
→××のせいで交通事故が発生する

というように、もっと説明すべき因果関係があり、そこを省略しているために論理性が欠けてしまっているからです。

これから大学受験に向けて、入試の過去問や英検の英作文論述問題を解いたり、選抜型入試等に向けて小論文の対策を進める人も多いと思いますが、慣れないうちはこのような無理のある論の展開を犯してしまいがちです。

そこで今回は、論理の飛躍が起きる原因とその対策についてお伝えしたいと思います。

論理の飛躍の様々なパターンのうち、特に受験生が入試等で気をつけるべきポイントについて例題を出しながら解説するので、みなさんも自分にその傾向があるかどうか考えながら読んでみてください。


例題①

まずは冒頭で挙げた、「大雨の影響で、昨夜は交通事故が発生した」という説明の問題点から考えてみましょう。

先ほども述べた通り、この文には大雨が降ってから交通事故が起きるまでのつながりが欠けています。

順を追っていくと、本来なら

 昨日の夜は大雨が降った
→雨の影響で視界も悪くなる
→夜になるとさらに視界が悪くなり、車の運転手は歩行者や自転車などの認識が遅れる
→大雨によって路面が滑りやすくなった影響で、急ブレーキで止まりにくくなったり、速度を出したままでカーブが曲がりにくかったりする
→だから昨日の夜は交通事故が発生した

という流れになりますね。

「ここまで細かく言わなくても、だいたい分かるでしょ」と思う人もいるかもしれませんが、それこそが論理の飛躍が起きる原因です。


・なぜ論理の飛躍が起きるのか

このような「間を省略する」論の展開の仕方は、自分の常識や知識、価値観が相手と共有できている前提で考えているからです。

「こんなことは誰でも知っている」「これくらいのことは言わなくても分かる」という意識があるため、因果関係を省略して説明してしまうのですね。

日本人の間には「空気を読む」という文化があるので、普段のコミュニケーションでは細かい点まで説明しなくてもお互いに理解できることが多いですし、それが当たり前に感じます。

ただし、当然ながら、自分と異なる考え方をする人も世の中にはきっといるでしょう。

また、自分のことをまったく知らない人とのコミュニケーションであれば、こちらの意図と違った解釈で捉えられて、誤解が生じる可能性だってあります。

自分の知識や常識が、同じように相手にも通じるとは限らないのです。


・キーワードは「なぜ」

では、論理の飛躍を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。

ここでキーワードになるのは「なぜ」です。

自分の考えや主張に対し、自分自身で「なぜ」と問うてみるのです。

先ほどの「大雨の影響で、昨夜は交通事故が発生した」の例文であれば、

・なぜ大雨が降ると事故が増えるのか
→視界が悪くなり、道路が滑りやすくなるから

・なぜ視界が悪いと事故が増えるのか
→歩行者や自転車に気づきにくくなるから

・なぜ道路が滑りやすいと事故が増えるのか
→急ブレーキが利かなかったり、カーブでスリップして曲がり切れなくなるから

のように、一つ一つ段階を踏んで「なぜ」を繰り返していくと、因果関係が明確になっていきます。

自分の感覚で「これくらいはいいだろう」と、勝手に論を省略してはいけません。

論理性を重んじる英語の作文であったり、小論文で自分の考えを述べる場合には、このように「なぜそう思うのか」「なぜこうなるのか」という因果関係をきちんと明確にして、相手に伝える必要があるのです。

『ドラゴン桜』でも、国語の芥山先生が「他人を説得するには客観性が必要だ」と言っていましたね。

では、原因と対策が分かったところで、もう1つ例題を見てみましょう。


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