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困難は分割せよ! 将棋好き東大生が持ち込んだ頭脳ゲームを解説!
皆さんこんにちは!
ドラゴン桜塾塾長の永田耕作です。
先週の記事では、将棋大好き東大生の新藤くんを紹介しました。
彼は将棋部と陸上部という2つの部活を兼部しながら、母校で10年ぶりとなる東大現役合格を果たした功績の持ち主です。
さて、今回はそんな新藤くんが、とある将棋のゲームを紹介してくれました。
その名も「ぴょんぴょん将棋」。
将棋のルールが難しいという子どもたちのために考案されたもので、専用の将棋盤が発売されているほど人気なゲームです。
思わず笑ってしまうような可愛いネーミングですが、その名前とは裏腹にすごく奥が深くて頭を使うゲームなのです!
今回はこのぴょんぴょん将棋のルールと、東大生流の戦い方について解説していきます!
①そもそも「ぴょんぴょん将棋」とは?
僕も調べてみて初めて気づいたのですが、ぴょんぴょん将棋には複数のルールが存在します。
そのため、今回は新藤くんが紹介してくれた「歩兵だけを使うルール」について説明していきます!
この「ぴょんぴょん将棋」は専用の盤面もありますが、通常の将棋盤を使っても遊ぶことができます。
普通の将棋であれば王将や金将、角行や飛車などさまざまな駒を使って遊びますが、今回は「歩兵」の1種類のみを使って遊びます。
まずは、9×9マスある中で自分の陣地である手前マス分の、さらに真ん中3×3の9つのマスに1枚ずつ歩兵を置きます。
このとき、自分の駒と相手の駒を区別するために片方は表(歩兵)、もう片方は成っている状態の裏(と金)で並べましょう。
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実際に将棋盤においてみると、このような形になります。
先攻後攻(将棋では先手、後手と言われます)を決め、先攻の方から順番に1つずつ駒を動かしていきます。
このとき、基本的には駒は前に1マス進むのですが、「ぴょんぴょん将棋」という名前にある通り、前のマスにすでに駒が置いてある場合はそのマスを飛び越えることができます。
さらに、飛び越えることができるマスの数に制限はないため、例えば下の図のように一番後ろにあるマスを動かすと、一気に3マスも前進させることができます。
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そのまま順番に駒を動かしていくと、やがて「歩兵」と「と金」が縦に並ぶようになります。
そうすると、実はこのゲームは相手の駒も「ぴょんぴょん」することができるので、いよいよ駒の進み方が加速します。
「自分が2マス進めると相手が4マスも進んじゃうから、あえてここは進まないようにして…」など、いろいろな戦略を考えながらゲームを進めていきます。
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このように駒を進めていきながら、相手の駒が元々あった3×3のスペースに、先に自分の駒を全て並べることができた方が勝利となります。
「ぴょんぴょん」を駆使して、先に相手の陣地を取ることを目指すわけですね。
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②「ぴょんぴょん将棋」の必勝法を考えよう
さて、このゲームは一見簡易版の将棋で楽しいだけのゲームに見えますが、実はある場面においては「必勝法」があります。
将棋マニアなだけでなく現役東大生である新藤くんは、この「ぴょんぴょん将棋」の勝ちパターンを必死に研究しました。その結果、とても面白い事実が見つかったのです。
全ての駒を使うとパターンが膨大にあって難しすぎるので、まずは「歩兵」と「と金」が1枚ずつしかない状態を考えてみましょう。
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もし家に将棋盤がある人はぜひやってみて欲しいのですが、1枚ずつの場合、お互いにやれることが1通りしかないので、必ず同じ決着になります。
実際にやってみると、後攻の人が先に相手の駒を飛び越えられる位置関係になるので、必ず後攻が勝利するのです。
では、駒を縦に2枚並べるとどうなるのか。実はこのときも必ず勝つ方が決まるのですが、ここでは1枚のときとはひっくり返って先攻が必勝になるのです。
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これはなぜなのか。この理由に、勉強と通じた面白さがあると新藤くんは語ります。
お互いが最善手で駒を動かしていくと、1枚と1枚がお互いを飛び越え合う形となり、残り1枚同士の問題に分解することができるというのです。
そのため、お互いがミスしなければ、必ず先攻が勝つことになります。これはとても興味深いですね。
実際にどのように動かせば良いのかに関しては、将棋盤を用いて新藤くんが動画で解説(8:46~)していますので、ぜひご覧ください。
最後に、僕と新藤くんがこのゲームを通じて感じた、将棋と勉強の関係性についてお話しします。
基本的にどの教科でも、勉強において重要になるのは物事を「分解すること」です。
とんでもない量の英語の長文や古文漢文の文章、そして読むだけでしんどくなるような数学の長い文章題などは、受験生でも嫌だなと思う人が多いでしょう。
そのような問題を解くためのコツは、基本的には「分解」することにあります。
古文漢文で品詞分解をしたり、英語でスラッシュリーディングをしたり、数学で問題の条件を整理したりと、マクロだけでなくミクロの視点で問題を分解するのです。
国語や英語の文章を読む時は段落ごとに内容を整理したり、数学や理科の問題で、(1)で使った式や導き出した答えが(2)や(3)で使えないかと考えることもそうですね。
「困難は分割せよ」という格言があるように、まず解くための手がかりとなるポイントを探して、そこから少しずつ核心に迫っていくのが「問題を解く」ということなのです。
具体例を考えるのも同じで、例えば数学の整数や場合の数の問題などでは、まず分かりやすいようにn=1やn=2の場合を考えてみて、規則性やルールをつかむのが効果的ですよね。
今回のぴょんぴょん将棋でも、いきなり必勝法を考えるのは難しいので、「1枚ならどうだろう?」「2枚ならどうだろう?」と分解して考えているのです。
このように「分解して考えてみる」ということは将棋に関わらずとても役に立つので、ぜひ実践してみてくれると嬉しいです!
おわりに
今回は「ぴょんぴょん将棋に挑戦!」ということで、新藤くんに将棋の特殊なゲームを紹介してもらいました。
僕が塾長を務めるYouTubeチャンネル「ドラゴン桜塾」では、将棋が全くの素人である僕が、将棋で全国ベスト16入りをした経験もある進藤くんとぴょんぴょん将棋で対決する様子もアップロードされていますので、ぜひこちらもご覧ください!
今回の記事は、ここまでとなります。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
ここから先は
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