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辞書なしでどこまでいける? 中学受験の面白い問題を紹介します!⑧

みなさん、こんにちは!
現役東大生ライターの松岡頼正です。

この連載では中学入試の面白い問題を、詳しい解説込みで紹介しています。

前回の記事はこちらです。

今回は久しぶりに、国語の面白い問題を解いていきましょう。

まず1問目は、漢字や熟語のパズルがよく出題される灘中学からの問題です。

2010年度 灘中学 国語1日目 二 より


1~5の□に入る漢字と、A~Eの□に入る漢字の組み合わせで、新しい漢字を作ろうという問題です。
 
つまり、それぞれが偏(へん)と旁(つくり)のような関係になっているということですね。

正直言うと、この問題は言葉をよく知っていて、空欄が全部埋められればそこまで苦戦しません。

ですが、それだと解説にならないので、知らない語句があってもある程度対応できるようなテクニックを紹介します。
 
それは、「組み合わせが少ないものから攻めていく」という技です。
 
具体的にどうするかは、実際に問題を解きながらお伝えしていきます。

まずは、分かるところから空欄を埋めましょう。
 
例えば、
1:一 乱れぬ更新
2: があったら入りたい
4:悪事千里を
A:不 実行
C:自 満足
D: 点がゆく

が分かったとしましょう。

まず1・2・4の中で、組み合わせが少ない漢字、すなわち、他の字と合わせにくいものは何でしょうか?

この中だと、「糸」は糸へんになるし、「穴」は穴かんむりになりますよね。
 
それらと比べると、「走」は他と組み合わせて別の漢字になることは少ないかと思います。
 
ここで、A・C・Dの漢字を見てみると、「己」と組み合わさることで「起」という漢字になりそうだということが分かります。
 
まだ確定ではないので、このペアを一旦キープしましょう。

次に、残った1・2の「糸」と「穴」で比べると、組み合わせが少なそうなのは「穴」ですね。
 
穴かんむりを使った漢字で思いつくものは何でしょうか?
 
「突」や「究」などもありますが、パッと浮かぶのは「空」ではないでしょうか。
 
ちなみに「空」は、うかんむりではなく穴かんむりです。間違えやすいので、気をつけましょう。
 
では、その組み合わせとなる「工」の漢字はというと、Bの「同工異曲」(見かけは違うようでも、中身は同じであること)で「工」の字を使うということが分かります。
 
仮に「同工異曲」という四字熟語を知らなくても、A~Eで他に「工」が入りそうなところは見当たりません。
 
このように、候補が少ないものから攻めていくことで、選択肢を減らして悩む量を少なくすることができるのです。

そうすると、1の「糸」は候補が多いですが、Dの「合」と組み合わせて「給」で大丈夫そうだな、と目星をつけることができますね。
 
Aの「言」も、言べんの漢字が多いので悩むところですが、ここまでくればあとは候補が2つなので、答えにたどり着きやすいでしょう。
 
ということで、解答は以下のようになります。

【答え】
1「糸」+D「合」→「給」
2「穴」+B「工」→「空」
3「十」+E「金」→「針」
4「走」+C「己」→「起」
5「志」+A「言」→「誌」

立志伝:努力の末に大きな目標を達成した人の伝記
金科玉条:大切に守らなければいけない規則や教えのこと


さて、問題の仕組みが分かったところで、同じ形式でもう一問やってみましょう。

今度は私が作ったオリジナルの問題です。

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