【現役東大生が解説】中学受験の面白い問題を紹介します!②
みなさん、こんにちは!
現役東大生ライターの松岡頼正です。
みなさん、前回の記事はもうご覧いただけましたでしょうか?
この連載では中学入試の面白い問題を、詳しい解説込みで紹介していきます!
一見すると難解そうな問題に対して、東大生がどんな思考回路でスムーズに解答までたどり着くのかを、分かりやすくお見せしていきます。
今回も僕と一緒に、中受の問題の世界を楽しんでいきましょう!
・問題
さて、今回扱うのは「麻布中学2020年・理科」の問題です。
問題文はこちらです。
理科なのに、まさかの料理についての問題ですね。
みなさんもアップルパイやクロワッサンなど、生地が何層にもなっている食べ物はよく知っていると思います。
この問題は「身の周りにも勉強に関係する内容はたくさん転がっているんだよ」という、学校からのメッセージでしょう。
・(1)の解説
では、改めて図を確認してみましょう。
「図1のパイ生地を2回三つ折りすると、パイ生地の層は何層になるか?」ということですが、バターのついていない内側の生地はくっついてしまうので、層の数え方はこんな風になります。
この問題は図が与えられているので、つい問題の答えも図で考えたくなりますよね。ところが、図3の状態からもう一度三つ折りするって、なかなか複雑な形になってイメージするのがかなり大変です。
一応これくらいまでなら描くことはできそうでも、(2)の問題ではこの三つ折りを5回も繰り返します。
さすがにそこまで図にするのは難しそうですね。何かもっといい方法はないでしょうか?
お気づきの方も多いと思いますが、こういう時は計算です! パイ生地の重なり方の規則性を見つけて、計算で処理してしまうのが一番です。
この問題でややこしく感じるのは「重なったパイ生地は一層とする」というところでしょう。
この図でいう、②や③のところですね。ですが、「どこがくっついて、どこがくっつかなくて…」と考える必要はありません!
この問題は発想を逆転させて、パイ生地ではなくバターに注目しましょう!
バターの層の数を見てみると、二つ折りなら2層、三つ折りなら3層になっていますね。
そして、パイ生地はバターによって仕切られているので、バターの層の数より1つ多くなっています。
そう考えると、2回三つ折りしたら、まずバターの層の数は3×3=9層になりますね。
よって、パイ生地の層は、9+1の10層だと分かります。
改めて先ほどの図を見てみると、バターと生地の層が計算通りの数になっていますね。
バターが仕切りになっていることに着目できると、一気に見通しが立てやすくなりますね。
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