【現役東大生が解説】中学受験の面白い問題を紹介します!③
みなさん、こんにちは!
現役東大生ライターの松岡頼正です。
この連載では中学入試の面白い問題を、詳しい解説込みで紹介しています。
前回の記事では特別編として、漢字パズルの問題をご紹介しました。
今回は、西暦の数字が入った算数の問題を扱っていこうと思います。
まずこちらの問題を見てください。
こんな風に、西暦の数字は中学入試や算数オリンピックの問題の題材にされることが多いです。
事前にその数字の性質を知っておくと、有利になることもあるかもしれません。
そこで問題を解く前に、2020から順にそれぞれの年の数字がどんな約数を持っているか、ちょっと確認してみましょう。
・西暦の数の性質
まず2020は見ての通り20で割り切れるので、2・2・5が因数にある事がわかります。
2020を20で割った101は素数なので、これ以上因数分解をすることはできません。
ここから、「もし2020が絡む問題で他の項に101の倍数が出てきたら、101を共通因数としてまとめられるはずだ」と考えられますね。
では、次の2021に進みましょう。
これは奇数で、かつ3でも7でも11でも割り切れないので、「さすがに素数でしょ」と思った人も多いでしょう。
でも実は、これ素数じゃないんです。まさかの43で割り切れるんですよね。
しかも、割った商は47。これは正直難しいと思います。
本番で2021を使った問題が出されてこれに気づけるかと言われれば、怪しいところです。
もし気づくとしたら、こんな手順で考えた場合ですね。
これでもかなり大変ですけどね。2021年度の受験生の中には、これで苦しめられた人もいるかもしれません。
次に2022です。これは2でも3でも割れるので、分かりやすいですね。
では2と3をかけた6で割ってみましょう。割った答えは337で、これは素数です。
先ほどの①②③の手順で考えると、337は20×20=400より小さく、20までに素数の約数を持たないことから、これは素数だと分かります。
337が途中計算で出てきたら「怪しい」と思えると勝ちです。
次に2023です。これは私の友人がすぐに「7の倍数だ」と判定した鮮やかな手法があるので、ご紹介しましょう。
彼が言うには、2023に7を足すと、2030。
2030に70を足すと2100。
2100は明らかに7の倍数なので、2023は7の倍数だと。
最初に聞いた時は感動しました。これ以上きれいな回答は正直思いつきませんね。
ちなみに、2023は7で割ると289。289=17×17なので、分かる人は割とすぐに因数分解できる数字ですね。
さて、いよいよ今年度の数字、2024です。
2024=2000+24なので、これは明らかに8の倍数ですね。
8で割ってみると、商が253です。
253は220+33と表せるので、11で割れます。
つまり、2024=8×253=2×2×2×11×23となります。
次は2025、来年度の受験生は要チェックですね。
実はこれは簡単で、2025=45×45です。
さらに45は3×3×5なので、2025=3×3×3×3×5×5になります。
3と5の因数だけで表せる数字なので、これもネタにされそうですね。
その次の2026にいきましょう。
2026=2×1013となり、1013は素数なので、計算はこれで終わりです。
こんなに大きい素数はちょっとネタにしにくいので、問題になる可能性は例年より低そうです。
さらに次の2027は、そもそも最初から素数です。これ以上語ることはありません(笑)
こんな感じで、西暦というのは年によって約数がとても多かったり、逆に素数だったりします。みなさんが試験を受ける年はいくつ約数を持つのか、試しに考えてみるといいでしょう。
・問題の解説
さて、前置きが長くなりましたが、ここから冒頭の問題の解説に移りましょう。
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