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ランキングで見える東京23区の特色 ~データで見る子育てに適したエリア~

東京23区を対象にしたデータランキングから、子育てや教育に関するものを抜き出してみました。各項目についてTOP3、最下位の3区、そしてその他気になった区もピックアップします。また最後に23区それぞれの特徴と代表的な施設や地理的特徴も例示します。子育てや移住を考えているからはご参考にしてください。



人口


人口の多い区は面積の広い郊外の西側、人口の少ない区は中心部やや東側に分布していました。

TOP3

  1. 世田谷区:人口は約91万人で、東京23区最大の区。公園や教育施設も豊富。

  2. 練馬区:約73万人、都内屈指の住宅エリアとして人気。

  3. 大田区:約72万人、羽田空港に近く交通の利便性が高い。

最下位3区

  1. 千代田区:約6.7万人、オフィス街が中心。

  2. 中央区:約17万人、高層マンションが多い。

  3. 台東区:約20万人、観光スポットが豊富。

ピックアップ

  • 江戸川区:子どもの多さが特徴的で、東側では人口も約68万人と多い。ほぼ千葉。


年少人口(0~14歳)構成比

上位下位ともに中心部に。下位3位に挟まれた文京区は上位4位。となりの豊島区は下位4位とバラバラ。

TOP3

  1. 中央区・港区:13.6%、高層マンションが増え、ファミリー層も注目。

  2. 千代田区:13.5%、意外にも子育て世代が増加中。

最下位3区

  1. 台東区:8.6%、観光スポットが多いが居住人口は少なめ。

  2. 新宿区:8.8%、商業エリアのイメージが強い。

  3. 中野区:9.0%、学生や単身者の割合が高い。

ピックアップ

  • 文京区:12.8%、教育環境の良さが支持される。


全児小学校童数に占める私立国立の割合

私立小学校は都心部に集中。東側には私立小学校は全くない。

統計上は公立、私立という区分がされますが、実態としては国立は私立と同じ扱いなので公立 対 私立+国立と分類しました。文京区の私立600人に対して国立2000人という比率はさすがに無視できないと考えたからです。ちなみに23区内の国立小学校は文京区の3校以外には世田谷区と練馬区に1校ずつあります。

TOP3

  1. 千代田区:37%、雙葉小学校など有名な私立小学校がある。

  2. 文京区:23%、筑波大、東京学芸大、お茶の水女子大の国立3小学校が所在。

  3. 渋谷区:22%、青山学院初等部などが人気。

最下位3区

  1. 江戸川区、中央区、台東区、墨田区、江東区、荒川区足立区、葛飾区:0%、公立学校に重点。

ピックアップ

  • 世田谷区:11%、成城学園初等学校が注目される。


全中学校生徒数に占める私立国立の割合

小学校とほぼ同じだが港区参戦。変わらず東側は少ない。

TOP3

  1. 千代田区・文京区:89%、有名校が集中。千代田区は女子学院中学校、文京区は筑波大学附属中学校が代表的。

  2. 港区:76%、慶應義塾中等部など人気校が多い。

最下位3区

  1. 台東区:5%、地域密着型の公立校が多い。

  2. 足立区・江戸川区:4%、公立学校が中心。

ピックアップ

  • 渋谷区:61%、青山学院中等部が有名。


区民10万人あたり図書館数

安定の千代田&文京。北区は意外にも教育施設に力を入れている。やはり東側は少ない。

TOP3

  1. 千代田区:7.45館、人口が少ないが利用者は多い。

  2. 文京区:4.41館、学問の中心地。

  3. 北区:4.27館、教育環境が整っている。

最下位3区

  1. 江戸川区:1.73館、人口が多い分、密度は低め。

  2. 墨田区:1.45館、観光地が多い。

  3. 練馬区:1.76館、広大な面積に分布。

ピックアップ

  • 渋谷区:3.93館、子ども向け施設も充実。

参考として図書に関する項目をもう2つ。
区民あたりの蔵書数と区民あたりの図書貸出数です。図書館数と蔵書数の乖離は一つの図書館の大きさが関係か。
港区や新宿区は蔵書数は多いのにあまり借りて貰えず、逆に練馬区は蔵書は少ないがみんな借りている。

区面積に占める公園面積

TOP3

  • 江戸川区:15.68% 葛西臨海公園や篠崎公園など大規模な公園が豊富。

  • 千代田区:14.66% 皇居外苑や北の丸公園など、都心に広がる緑地が特徴。

  • 江東区:12.01% 木場公園や夢の島公園など、海沿いに広がる自然が魅力。

最下位3区

  • 豊島区:1.79% 池袋駅周辺の都市化が進み、公園面積は控えめ。

  • 中野区:3.15% 中野セントラルパークなど新しい公園もあるが割合は少なめ。

  • 目黒区:3.34% 都市化が進む住宅地が中心で、公園面積は低め。

ピックアップ

  • 渋谷区:10.96% 代々木公園や明治神宮外苑など、都心ながら緑豊かな環境が魅力。

平均住宅地価格

当然ながら都心部が高値、東側は比較的お手頃価格。世田谷区はちょうど真ん中。

TOP3

  • 千代田区:2,791,400円/m² 皇居や丸の内エリアを抱える日本のビジネスと行政の中心。

  • 港区:2,149,700円/m² 六本木や赤坂、麻布など、高級住宅街や商業エリアが多数。

  • 渋谷区:1,386,700円/m² 表参道や代官山といったトレンドエリアが価格を押し上げ。

最下位3区

  • 足立区:332,400円/m² 23区内で最も手頃な価格帯で、住宅購入を検討する人に人気。

  • 葛飾区:333,800円/m² 東京都心へのアクセスが良好な一方で、比較的リーズナブル。

  • 江戸川区:377,300円/m² 住宅地としてのコスパの高さが魅力。

ピックアップ

  • 文京区:1,057,100円/m² 教育施設や文化施設が充実しており、ファミリー層に人気のエリア。

区予算に占める教育構成比


地域性は特にない。都心部の千代田・中央は高いが新宿・渋谷は低い、東側の江戸川・足立は高いが葛飾・墨田は低い、西側の杉並・中野は高いが板橋・世田谷は低い。

TOP3

  • 千代田区:23.5% 教育予算の割合が最も高く、小規模ながら充実した教育環境を誇る。

  • 中央区:21.4% 高品質な教育施策が進み、子育て世帯に人気。

  • 江戸川区:20.9% 公教育の支援が充実し、教育構成比が高め。

最下位3区

  • 葛飾区:11.8% 地域密着型の教育を中心とした取り組み。

  • 新宿区:11.3% 都心ならではの教育施策を展開。

  • 豊島区:9.9% 教育構成比は低めだが、多様性を重視した教育環境が特徴。

平均年収

当たり前といえば当たり前だが、平均住宅地価格と同じ。安定の東側3区。

TOP3

  • 港区:1070万円 高級住宅地とビジネス街が集中し、平均年収が最も高い。

  • 千代田区:941万円 官公庁や大企業の本社が集積する経済の中心。

  • 渋谷区:810万円 IT企業やクリエイティブ産業の拠点として成長。

最下位3区

  • 江戸川区・板橋区:379万円 都心からの距離があり、住宅地としての色が濃い。

  • 葛飾区:361万円 下町情緒あふれる地域で、家計に優しい住環境が特徴。

  • 足立区:355万円 地域密着型の暮らしが魅力。

ピックアップ

  • 世田谷区:561万円 ファミリー層に人気の住宅地で、安定した所得層が多い。

データから読み取れるそれぞれの区の強みと課題

千代田区

  • 強み: 図書館数と蔵書数が豊富、教育構成比が高い(23.5%)。

  • 課題: 人口が最も少ない、住宅地価格が非常に高い。

  • 教育・文化関連施設:

    • 東京国立近代美術館

    • 国立劇場

    • 科学技術館


中央区

  • 強み: 教育構成比が高く(21.4%)、交通アクセスが良い。

  • 課題: 居住者より商業エリアが中心。

  • 教育・文化関連施設:

    • 浜離宮恩賜庭園

    • 日本橋高島屋史料館

    • 中央区観光情報センター


港区

  • 強み: 平均年収がトップ、私立国立校の割合が高い(76%)。

  • 課題: 緑地が少ない。

  • 教育・文化関連施設:

    • 森美術館

    • 国立新美術館

    • 六本木ヒルズアートギャラリー


新宿区

  • 強み: 商業と行政の中心地、交通利便性が高い。

  • 課題: 年少人口が少なく教育構成比が低い。

  • 教育・文化関連施設:

    • 新宿文化センター

    • 東京オペラシティ

    • 都庁展望室


文京区

  • 強み: 教育構成比が高い(19.2%)、私立国立校の割合が高い(23%)。

  • 課題: 公園面積が狭い。

  • 教育・文化関連施設:

    • 東京大学総合研究博物館

    • 湯島天満宮(学問の神社)

    • 講談社野間記念館


台東区

  • 強み: 観光スポットが多く、公園面積が広い。

  • 課題: 私立国立校の割合が低い(5%)、図書館数も少ない。

  • 教育・文化関連施設:

    • 上野恩賜公園

    • 東京国立博物館

    • 浅草文化観光センター


墨田区

  • 強み: 東京スカイツリーを中心に観光スポットが豊富。

  • 課題: 教育構成比が低い(11.9%)、図書館蔵書数が少ない。

  • 教育・文化関連施設:

    • すみだ北斎美術館

    • 東京都現代美術館

    • 江戸東京博物館


江東区

  • 強み: 公園面積が広く、緑地環境が充実。

  • 課題: 私立国立校の割合が低い(14%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 木場公園ギャラリー

    • 日本科学未来館

    • 東京都現代美術館


品川区

  • 強み: 交通利便性が良く、教育構成比が比較的高い。

  • 課題: 公園面積が狭い。

  • 教育・文化関連施設:

    • 原美術館

    • 大井競馬場のふれあいコーナー

    • 品川歴史館


目黒区

  • 強み: 平均年収が高く、住宅地として人気。

  • 課題: 私立国立校の割合が低い(40%)、公園面積が狭い。

  • 教育・文化関連施設:

    • 目黒区美術館

    • 東京都庭園美術館

    • 恵比寿ガーデンプレイス内ミュージアム


大田区

  • 強み: 交通の利便性が高く、住宅地として人気。

  • 課題: 教育構成比が低い(14.6%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 羽田イノベーションシティ

    • 大田文化の森

    • 昭和のくらし博物館


世田谷区

  • 強み: 人口が最大(約91万人)、公園面積が広い。

  • 課題: 教育構成比が低め(12.6%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 世田谷文学館

    • 松陰神社

    • 東京都立砧公園


渋谷区

  • 強み: 私立国立校の割合が高い(61%)、教育環境が整備。

  • 課題: 年少人口が少ない(10.5%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 渋谷ヒカリエ内ミュージアム

    • Bunkamura

    • NHKスタジオパーク


中野区

  • 強み: 都心部へのアクセスが良く、文化施設が多い。

  • 課題: 私立国立校の割合が低い(45%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 中野セントラルパークギャラリー

    • なかのZEROホール

    • 哲学堂公園


杉並区

  • 強み: 教育構成比が高く、住宅地として人気。

  • 課題: 公園面積が狭い(3.81%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 杉並アニメーションミュージアム

    • 大宮八幡宮

    • 荻窪タウンセブンホール


豊島区

  • 強み: 商業施設が多く、文化的な魅力がある。

  • 課題: 公園面積が最も狭い(1.79%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • サンシャインシティ文化会館

    • 東京芸術劇場

    • 豊島区立郷土資料館


北区

  • 強み: 図書館数が多く、教育環境が充実。

  • 課題: 平均年収が低め(396万円)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 北区赤羽文化センター

    • 飛鳥山公園

    • 滝野川会館


荒川区

  • 強み: 地域密着型の生活が特徴。

  • 課題: 平均年収が低く、図書館数も少ない。

  • 教育・文化関連施設:

    • 荒川ふるさと文化館

    • あらかわ遊園

    • 荒川区民会館


板橋区

  • 強み: 交通アクセスが良く、住宅地として安定。

  • 課題: 教育構成比が低い(12.6%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 板橋区立美術館

    • 赤塚植物園

    • 板橋歴史資料館


練馬区

  • 強み: 公園面積が広く、自然環境が豊か。

  • 課題: 私立国立校の割合が非常に低い(13%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 練馬区立美術館

    • 東京都立光が丘公園

    • 石神井公園


足立区

  • 強み: 住宅価格が最も低く、手頃なエリア。

  • 課題: 私立国立校の割合が最も低い(4%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 足立区郷土博物館

    • 東京未来大学

    • 足立区生涯学習センター


葛飾区

  • 強み: 公園面積が広く、地域密着型の生活が魅力。

  • 課題: 平均年収が低く、教育構成比も低い(11.8%)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 葛飾区立水元公園

    • 亀有香取神社

    • 葛飾シンフォニーヒルズ


江戸川区

  • 強み: 公園面積が最大(15.68%)、教育構成比が高い(20.9%)。

  • 課題: 図書館数が少ない(1.74館/10万人)。

  • 教育・文化関連施設:

    • 葛西臨海水族園

    • 江戸川区自然動物園

    • 小岩アーバンプラザ


今回のランキングを通じて、東京23区それぞれが持つ個性や強み、課題が浮き彫りになりました。子育てや教育に力を入れている区、緑豊かな環境を誇る区、文化施設が充実している区など、エリアによって特徴が大きく異なることが分かります。

家族構成やライフスタイルによって、住む場所の優先順位は変わるかもしれませんが、それぞれの区が提供する魅力を知ることで、より適した選択ができるのではないでしょうか。子どもの教育環境を重視するなら文京区や千代田区、自然と共にのびのびと育てたいなら江戸川区や世田谷区など、地域ごとの特性を把握することが大切です。

今後も、各区のさらなる魅力や、暮らしやすさに直結するデータを深掘りしていきます。この記事が皆さんの参考になり、より良い住環境を見つける一助となれば幸いです。

今後も同様にデータから主に23区の特徴を探っていきますのでお楽しみに!


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