【自閉症児の育児】ありもしない噂が流れて
たけさと母ちゃんです😊
自閉症と知的障がいの長男と次男の育児でしてきた数々の経験を整理しながら綴っています。
前回の続き
母子通園をはじめて数ヶ月たったころ、冷たい態度を取っていたお母さんたちが、私に笑顔をむけるようになり、話しかけてくれるようにもなってきた。
和やかな雰囲気になってきた教室内。
私はすごく嬉しかった。
今までは肩身の狭い思いをして過ごしてきたけど、さとちんの少しずつの成長が嬉しくて、少々の辛いことも我慢できた。
そしてある日、冷たい態度だったお母さんたちに呼び出されたのだった。
なんだろう??
話の内容はこうだった。
Aさんがさとちん母さんのことを近所で悪い人だと評判で、水商売をしたり生活も派手で、夫婦ですごく怖い人なんだと。
(ちなみにAさんは近所に住んでいて、そこも親子でカンガルー教室に通っていた)
「そんな人がカンガルー教室に入ってきたら教室の雰囲気が乱れて、私たち親子も安心して通えなくなる。
だから、何がなんでもさとちん母さんがカンガルー教室に入ってくるのを阻止しよう!」
と言われたらしいのだ。
完璧には覚えていないが、だいたいそんなような内容だったと記憶している。
なんじゃそりゃ
空いた口が塞がらないとはこのことで、呆れてものが言えなかった。
続けてお母さんたちは、最初はAさんの言葉を鵜呑みにして、さとちん母さんと関わりたくなくて避けていたんだけど、一緒に過ごしているうちに、どうしても悪い人だとは思えなくて、なんか話がおかしいことに気づいた。
そしてAさんが私たちに嘘をついて脅かしたのではないかって疑うようになり、さとちん母さんに確かめてみようということになったんだ。
という内容だった。
結局、Aさんは私にもカンガルー教室に入る前にカンガルー教室でのお母さんたちのことで嘘のことを話していたのだ。
そしてそのことがバレるのが怖くてまた嘘を重ねてしまったのだ。
まあ、そんなところだったと思う。
その後、Aさんは問い詰められてすべてが明るみになり信頼を失った。
今度はAさんが肩身の狭い思いをして通うことになった。
因果応報とはこのことだ。
そして途中から少し離れた療育機関に移っていったのだった。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そのことにはらわたが煮えくり返るぐらい腹が立ったし、有りもしない噂を流したAさんが憎くてたまらなかった。
何年かして「人を憎んではいけない。すべてを許すこと」だと本に書いてあった。
その意味がずっと分からなかった。
悪いことをするやつが悪い。
憎んで何が悪い。
でも、いろんなことがあって私にも理解できる日がやってきた。
分かっていてもそう簡単に許すことなんてできなかったが、ついにその壁を越えることができたのだ。
近所といってもなかなか会わなかったAさんだが、数年後に特別支援学校のPTA役員で再会することになった。
その時に笑顔で話すことができた。
過去のことは水に流せたのだ。
許すことは愛だった。
つづく。
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