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【音楽】「絢香 PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2024」で一生懸命な姿が尊かった夜

『絢香 PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2024』に参加した。

※ネタバレにご注意ください!


会場

会場は、上野にある東京文化会館の大ホールだ。

東京文化会館HP, 2024.6

名前がどこかの宗教団体の施設名に似ているが、れっきとした都立の公共施設である。

子供の小さい頃に動物園や博物館に連れて行った時、通路脇にコンクリート打ちっぱなしの古めかしい建物があったのを何となくは記憶しているが、オペラ、バレエ、オーケストラなどの公演を行う音楽の殿堂であることは、恥ずかしながら今回初めて知った。

音響が考慮された適度な空間に、平場の1階席と壁に張り付くように設けられた2階~5階席が何とも美しい佇まいを演出しており、席に着いただけで気持ちの高鳴りを感じる。

収容人数は2,000人余りであり、約5,000人の東京国際フォーラムなどと比べて小規模であるが、その分、舞台までの距離が近く、何よりも音の響きがとてもよい。

大人数を動員しないと成り立たない業界事情も理解できるが、本来の音楽コンサートはこのような規模のホールでおこなうのが王道であろう。

ホールの外も、ホテルのようなクロークや幕間に軽食やアルコールを楽しめるスペースが設けられているのが何とも優雅で、古さを感じさせない造りとなっている。

昨日は20分という短い幕間であったためかレストランは閉まっていたが、着飾った貴婦人がクロークに上着を預け、オペラの幕間で優雅にワイン片手に談笑する白昼夢が一瞬頭をよぎってしまった笑。

このホールの唯一の欠点は、座席の前後左右の空間が狭いことだ。通路から離れた奥の席に後から入るのは至難の業だ。60年前の日本人は、そこまで体格が小さかったのだろうか?


セットリスト

あいまいな記憶とネット情報を頼りに再現したセットリストは以下のとおりだ(間違っていたら悪しからず)。

全11曲歌ってくれた。第一部で5曲、第二部で5曲、アンコールで1曲の合計11曲だ。

第一部と第二部の冒頭で、それぞれオーケストラのみの演奏がおこなわれたが、寡聞にして曲名まではわからなかった。幕開けの曲は、『三日月』の主旋律が聞こえたような気がしたが。

<開幕>
 オーケストラ演奏1
 The beginning
 ツヨク想う
 百年十色
 あいことば
 みんな空の下
<幕間>
 オーケストラ演奏2
 三日月
 ずっとキミと
 突き破る本能
 Through the ages
 beautiful
<アンコール>
 にじいろ
<閉幕>

セットリストに対する私見であるが、是非コンサート前に公開して欲しいと思っている。

コアファンにとっては、どんな曲を歌ってくれるか自体が楽しみになっているのかも知れないが、自分のようなライトファンにとっては事前予習をすることで、よりコンサートを楽しむことができるようになるからだ。

コアファンの気持ちもわかるので、セットリストの公開は公式発表ではなくネット情報でも構わない。本記事のようにネタバレ注意の表示をすることで、コアファンライトファンとでの棲み分けは可能であろう。

今回は『三日月』がどうしても聴きたくて参加したのだが、正直なところ他に聴いたことがある曲は『にじいろ』くらいのものであった。

これではさすがにコンサートを楽しめない。

そこで、ネットでセットリスト情報を入手し、amazon musicでヘビーローテーション。しばらく聴きまくってコンサートに臨んだのだ。

結果、全てが聞いたことのある曲となり、自分的には大満足のコンサートであった。


シンフォニックコンサート

最近は、シンフォニックコンサートという形態のコンサートが流行っているようだ。様々なアーティストがシンフォニックコンサートを開催している。

シンフォニックコンサートとは、歌手がオーケストラと協演しておこなうコンサートを指す言葉である。

迫力のあるオーケストラの生演奏にのせて歌い上げる曲はとても感動的であり、絢香も「歌っていてとても気持ちがいい」と何度もMCで言っていた。

思うに、シンフォニックコンサートの成功は、歌い手やオーケストラにプロとしての技量が備わっているのは大前提であるが、何よりも編曲の腕にかかっているように感じる。

曲の世界観を補完し、歌い手の気持ちが盛りあがるような編曲が完成したら、それだけでコンサートは成功間違いなしだろう。

それくらい、シンフォニックコンサートにとって編曲は大事なのだ。

その意味で、『絢香 PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2024』は大成功であったと思う。


絢香の歌声

自分は音楽の専門家ではないが、素人なりに絢香の声を分析してみた。

絢香の声は、音域によって3つが使い分けられているように感じた。

  1. 低音域:ハスキーボイス

  2. 中高音域:パワフルボイス

  3. 高音域:ファルセット

低音域は、ややハスキーな声質となる。喉を広げて息を太く吐き出すように発する声は、とてもやさしい感じがする。

中高音域は、たぶん地声に近い音域で一番出しやすい声だ。そのため、とてもパワフルで力強い歌声となっている。オーケストラの音にも負けない声量が出せていた。

高音域は、さらにファルセット(裏声)も駆使していた。とても透明感があり優しい歌声だ。

高音域については、地声でのパワフルボイスとファルセットの優しい歌声の2種類を使い分けていた。

音域の広いMISIAと比べるのはちょっと違うかもしれないが、絢香の声はMISIAほどの高音が出ない代わりに、中低音域の迫力が凄い印象である。高音域が強いのか中低音域が強いのかの差である。

まあこの辺は、体格や骨格の違いによるものかもしれない。

いずれにしても、絢香がとても素敵な歌声の持ち主であることに疑いの余地はないだろう。

ところで、絢香の歌い方について「ねちっこくてイヤ」という意見が一部にはあるようだ。

たしかに、歌うときに顔の近辺で手を上下に動かしながら感情を込めて歌うのは、人によっては「くどい」と感じられるかもしれない。受け取り方は多様であっていい。

しかし、それは歌を真摯に観客に届けようとする絢香の真心の表れなのであって、自分はむしろ好きだ。

2010年の旧事務所からの独立騒動の真相を自分は知らない。しかし、持病の悪化により声が出なくなり休業に追い込まれたこと、夫の水嶋ヒロと共に事務所を独立した結果、活躍の場が狭まってしまったのは事実である。

しかし、今は子宝にも恵まれ家庭を大事にしながらも音楽活動を続けている。

人生は自分の思い通りにはならないことが多い。容易にイメージは変えられず、しがらみの中で生きていくしか選択肢がない場合もある。

しかし、それらの過去を受け入れて、それらの全てを乗り越えて歌を届け続けようとしている絢香の一生懸命な姿はとても尊い。

そんな彼女を自分はこれからも応援し続けたいと思った夜だった。


※この記事は、個人の見解を述べたものであり、法律的なアドバイスではありません。関連する制度等は変わる可能性があります。法的な解釈や制度の詳細に関しては、必ずご自身で所管官庁、役所、関係機関もしくは弁護士、税理士などをはじめとする専門職にご確認ください。
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