居場所

夜眠れない時だとか、電車に揺られボーッとしている時だとか、私は昔の事をよく思い出している。

失敗した事だったり、悲しい事だったり、嬉しい事だったり、自分関連の事はそれはそれは良く思い出すのだけれど、それとはまた別にこれまで関わってきた人達を思い出す事がある。

昔はよく遊んでいた友達の事。

昔好きだった子の事。

昔は嫌いだった子の事。

あまり関わりの無かった子の事。

割と幅広く思い返している。

そこで毎回思うのが私は誰かに思い出されているのだろうか?という事だ。

人は二度死ぬ、肉体的な死と忘却による死だ。なんて事を耳にした事があるがそれで言うと私は誰かの記憶の中で生きているのだろうか?

自分の居場所を常日頃から探している私にとって誰かの記憶の中にもし、仮に、自分の居場所があるとするならばこれほど幸せな事はない。

そうだ、私も誰かの居場所を私の記憶の中に作っておこう。

ふと、そう思った。

もし、この文を読んでいる人がいるのであれば、あなたの記憶の中にも誰かの居場所を作っておいてあげて欲しい。

それで救われる私の様な人がいるだろうから。

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