さぶいぼ
「さぶいぼ」という言葉がある。
関西で「鳥肌」のことをさす。
「寒くて出るイボ」だからさぶいぼ。
知らない人が見たら語尾が「ぼ」の巨大田舎バケモン(多分いいやつ)のセリフに見えるかもしれない。
巨大田舎バケモン「今日はとってもさぶいぼぉ〜」
私も幼少期に2年ほど関西に住んでいたからか、鳥肌もさぶいぼも使う二刀流でやらせてもらっている。
そもそも方言だとも思ってなかった。
私は転勤族だったから小学校2年生まで広島兵庫名古屋に住んでいたことがあるので、それぞれの方言がごちゃごちゃになって覚えている。
かっこよく言えば私はちゃんぽんスタイルのトリリンガルである。
意図的に使い分けれないので役には立たない。
もう何が標準語なのか、方言なのか、それがどの地域の方言なのかわからない劣悪な脳みそはそれだけにとどまらない。
25歳くらいまでだったと思うけれど、私はサブイボのことを「メインじゃなくてサブの方のイボ」と思っていた。勘違いが凄まじいのだ。
音楽番組などを見て
「めっちゃさぶいぼ立った!でもメインイボは立ってないからそこまで感動していない」
といった具合でさぶいぼをエンタメの評価手段の一つにしていた。
もちろんメインイボなんてもんはないが、当時の私にとってはまだ極限まで感動したことがないということになるから「私を最高潮に感動させられるものは、はて、現れるだろうか…」などと、この後主人公の才能に惚れ込むライバルみたいなことを思っていた。本当にいい加減にしてほしい。
そもそもなんだよメインイボって。メインイベントを途中で噛んでるだけでじゃないか。
人に間違いを指摘される25歳までメインイボが一体どんなものかを考えたことは一度もない。
私は深く考えず生きているな、ということにも気付かされる。
多分さぶいぼ以外にもそういった勘違いはまだいっぱいあるんだろう。
気付かされた時、落ち込む前に空想に耽って逃げることにする。そうだよね、巨大田舎バケモン。「そうだぼ〜」