短編小説「Life goes on」
俺は明日で三十路を迎える。
子供の時は、誕生日の前日からドキドキしたものだな。と煙草の煙を都会の煌びやかな街並に向かって吹きながら回想に浸った。
浸ったは良いが、ガキの頃の楽しかった思い出と今の生活とのギャップに、自己嫌悪という名の悪魔が現れ、そして俺に話しかけてくる。
「なあ、お前申し訳ないと思わないのかよ。子供の時の自分にさ。子供の時の夢、一つでも叶えられたか?」
俺は右の口角だけ上げ、ふっと小さい苦笑をこぼした。
俺は悪魔と頭の中の小さい密室で会話をすることにし