瀬戸内海の多島美めぐり 2019 前編 - 華のおんなソロ旅
かなり前のことになってしまったが、瀬戸内海の10島をめぐるツアーに参加したときのことを記しておくことにする。今回の記事は3泊4日のツアーの1・2日目である。
このツアーの前半は、しまなみ海道をバスで尾道から今治まで縦断することがメインテーマである。
尾道では、千光寺とその周辺を観覧したあと、千光寺山ロープウェイで山頂に上がり、降りてきた。千光寺は尾道港を一望する大宝山の中腹にあり、本堂は舞台造りの朱色が美しい。「岩肌にへばりつくように建っている」と説明しているものがあったが、本当によくこんな狭いところに立地するものである。参拝するにも、人が入れ替わり立ち替わりであった。
この日の宿は、広島の小京都といわれる竹原市の湯坂温泉のホテルで、日本庭園が美しく、風情のある宿だった。
2日目はいよいよ尾道港からフェリーに乗って、向島(①島)に渡り、今治まで向かう。船に乗っているのは5分間で、「日本一短い船旅」と銘打っている。
向島では観光せず、次の因島(②島)へ。ここでは、因島水軍城を見学した。この頃ちょうど、和田竜の「村上海賊の娘」が本屋大賞を受賞して話題になっており、ゆかりのものも多く展示されていた。私は当時、旅行をする際にはそこにちなんだドラマなどを観てからいくことにしており、ちょうど大河ドラマの「毛利元就」(1997年)を全話観て、毛利家と水軍との関係は知っていたので興味深かった。「水軍は海賊ではない」ということばが印象に残っている。
次の生口島(いくちじま・③島)はレモンの産地として有名だが通り過ぎ、瀬戸田パーキングエリアで休憩、多々羅大橋を望む。
次の大三島(おおみしま・④島)は、最も面積の大きい島である。鯛めしの昼食を摂ったあとは自由散策。大山祇神社(おおやまつみじんじゃ)にて、国宝館を拝観したことが、貴重な経験となった。兜、鎧、刀剣類の国内の国宝の8割がここに保存されているとのこと。源頼朝、源義経が奉納した鎧、巴御前が使用したなぎなたなどを見るとゾクゾクとした。思えばこのあたりから、私は歴史旅に目覚めたのかもしれない。
次に船で向かった大久野島(おおくのしま・⑤島)は、近年「うさぎの島」として有名になったが、昭和初期に陸軍の毒ガス製造工場があったことでも知られている。地図から消されたことがあるという歴史もある。うさぎは1000匹ほどだそうで、上陸するとエサを求めて寄ってくるが、姿がかわいいと言ってもあまり数が多くなるとちょっと不気味であった。
フェリーで大三島に戻り、「伯方の塩」で有名な伯方島、大島(⑥島)はほぼ通り過ぎ、亀老山展望公園でしまなみ海道を眺望して、今治のホテルに入った。
夕食後、近くなのでライトアップされた今治城を見に行ったが美しかった。
明日は、今治港から瀬戸内海の諸島に向かいます。