佐賀・唐津 2023④ - 華のおんなソロ旅
さて、佐賀・唐津の旅の最終日。虹の松原にあまりにそっけなかったので、今回はクリエイターご提供のフォトをキャッチ画像に使わせていただきました。感謝です。天気がよければこんな感じなのね。
呼子の朝市行きを止めて、朝はゆっくり浜を歩いたり、ホテルの上から松原を眺めたりして過ごした。今日のメインは唐津城見学と唐津市内散策。午後には福岡空港に行かなければならないのであまり時間はない。
JR唐津駅でキャリーバッグを預けて身軽になり、唐津城まで20分ほど観光MAPのお薦めルートに従って歩くことに。唐津と言えば、11月に開催される唐津くんち。鮮やかな色彩の14台の曳山が市内を一周する。
その曳山の展示場を経て唐津出身の辰野金吾が監修したというモダンな旧唐津銀行を見てから唐津神社を目指して北上。裁判所、検察庁の前を通ったところで、後ろから中年男性に声をかけられた。
男 「いろいろ探してるみたいだけど、どこに行くの ?」
私 「(振り返って)・・唐津城ですけど」
男 「・・遠いよ・・」
私 「大丈夫、頑張りま~す !!」
男 「・・気をつけてね・・」
なんとご親切な地元住民・・ではない。唐津城で知ったのだが、最近観光客に声をかけて、金をむしり取ろうという輩が続出しているそうな。この佐賀県の旅では土産物屋の店員さんも、タクシーの運転手さんも丁寧な方ばかりで、観光ズレしていないのかな、いいな、と思っていたのだが。アブナイところだったが、私のパワーに負けてあきらめたのかも(笑)。
唐津神社を経て、旧高取邸は時間の関係でパスして(ちょっと残念)、早稲田佐賀高校、中学校の前を通って唐津城の入口へ。休日でグラウンドでは野球大会をしている。ほほえましく眺めながら学校の門の前をとおると、座っておしゃべりしていたユニフォーム姿の少年2人が、ぴょんと立ち上がって「おはようございます !」通りがかりの観光客なのに、なんと礼儀正しいこと。それとも、みざくら、コワイおばさんに見えたのかしら・・イエ、そんなことはゼンゼンないのよ(笑)。
唐津城は、舞鶴城とも呼ばれる優美な姿で街並みを見下ろしており、エレベーターで城の入口前広場まで行くことができて、時間短縮の意味でもありがたい。天守閣は、たいてい急で狭い木造の階段を手すりにしがみつきながら登ることになり、今回も覚悟をしてきたのだが、この城は近代的に整備されて誰でも登れるようになっている。風が強く、飛ばされそうになりながら、唐津の市街を一望することができた。帰りは、グーグルマップのナビを頼りに、城内橋を通ってそぞろ歩き、お土産を買って列車を待つのにちょうどよい時間に駅に戻ってこられた。唐津からは、JRで地下鉄に一回乗り換えるだけで福岡空港に行くことができるが、1時間半はちょっと長かった。乗っている間に飛行機の当日アップグレードをぬかりなく行い、無事クラスJゲット。身体に優しい旅にするのに、手間ひまとお金を惜しまないことにしている。
というわけで、佐賀・唐津の4日間の旅は無事終了した。計画を立て始めて3ヶ月間、本当に楽しかった。旅行から帰ると、「旅に出たくなる地図 日本」(帝国書院)という地図帳に、行ったところをチェックするという作業が待っている。観光名所、各地の銘酒、有名駅弁、有名温泉地などが載っていて、旅の予習にも使える優れもの。一生のうちでどこまで行けるか。全部は無理だろうけれど、いよいよどこにも行けなくなったときに、ドラマや映画を観ながら、そういえばここに行ったよね、と思い出に浸るというのが私の老後の楽しみのひとつなのである。
今回の旅で、交通の便がよくない地方での個人旅行は、時間のロスが大きいことも改めてよくわかった。ツアーは行程などよく考えられており、移動がバスなのでロスタイムがなく、多くの名所を効率よく回ることができる。荷物もバス内に置いていけるので、お土産も多く買える。ガイドがついて説明をしてくれることもある。少々忙しいこともあるが、特別の目的を持たずに周遊観光したいときには、メリットも多い。費用の面では、個人旅行では私のように宿や食に金をかけると、ツアー代金と大差はない。ただ、旅の思い出が鮮明なのは、圧倒的に個人旅行の方である。国内旅行でも身の安全を考えて緊張もするし交通面での苦労はするが、それだけにまず忘れることはないのである。人に連れ歩かれるバスツアーでは、ここに行ったっけ ? とあまり思いだせないところも結構あるのだが、厳選した場所を苦心しながら旅することは、人生の貴重な経験の一ページとして深く心に刻まれるのだ。
さあ、次はどこに行こうかな。今は、膝も腰も大丈夫。薬も、食べ過ぎのための胃薬ぐらいしか持たなくて済む健康体。またジムに行って体をきたえたり、倹約したりしながら、新たな旅を考えたい。
そうそう、絶対書いておかねばならないと思ったことを忘れていた。いつの日か、佐賀七賢人の群像劇を大河ドラマにしてもらえないだろうか。江藤新平先生や島義勇判官ももちろんだが、幕末にあって超然として徳川幕府をきりきり舞いさせた鍋島直正公など、面白いと思うんだけど。大隈重信もいるし、早稲田大学出身者も多いんだから企画されてもおかしくはない。もし佐賀市に大河ドラマ館ができたなら、地元の方に勧められたように桜の美しい季節にぜひ再訪したいものである。