みざくらの樹 #14 ~ YouTubeという現代版気散じ
ようやくこの夏の出張集中月間を終えて、ヨレヨレで休暇に突入。今年は夜になってもまだ暑さが収まらない。窓から生暖かい風が入ってくるなか、ここは手造りのブルスケッタもどきをアテに、ワインでも。照明を少し落とし、BGMにはYouTubeで探し当てたマンハッタン・トランスファーのライブを流したなら、なかなかいい感じの秋の夜長ではないか。動画の画質はいまひとつだし、ワインはコンビニのデイリーだがそんなことはあまり気にならない我が身がありがたい。来るリタイア後もこんなふうに過ごせれば、十分ハッピーな余生になりそうだ。インドアでも十分楽しめるネット普及の社会には本当に感謝である。
最近変えたテレビは動画対応で、リモコンにはチャンネルのボタンがあるのでYouTubeへのアクセスが早くなった。動画を見る機会も増えたが、内容は玉石混交。賢い視聴者となり、動画の質を上げていただくためにも評価は必要である。そんな中で今の私がよく見ている動画をご紹介する。
初めてチャンネル登録したのは「スーツ旅行」チャンネル。調べ物をしていてほんの偶然たどり着いてから後、自分も行ったところなどをよく見ている。長時間なので作業用にもよい。最初、このユーチューバーのスーツ君(私は彼のことをこう呼んでいる)を見た時、落ち着いた語り口に、若手のサラリーマンの方が副業で配信しているのかと思った。こんなに若い人とは知らなかったがよく見ると私の教え子にも似たような子がいる(笑)。人気者になり、スポンサーなどもついて随分贅沢な旅行もしているようだが、不思議と、若い人が金に飽かせて、と批判する気が起こらないのは彼のキャラクターのゆえんだろうか。いつまでこれが続くのか、賢明な彼はきっと計算しながら動いているのだろう。できる時にやりたいことを精一杯やればいいと思う。最近、ちょっとお疲れ気味の社畜みたいな表情に見えないこともないが、体に気を付けて頑張ってくださいね。そうそう、知的で丁寧な話し方が良いと思っているので、できれば食事の際に「食った」はやめてね(笑)。なお、過去見た中で私が一番気に入ったのは、網走の民宿ランプを訪れた回で、これがスーツ君の原点なのだろうな、と思った。これからも楽しみにしています。
次にチャンネル登録したのは「かしまし歴史チャンネル」。今の大河ドラマ「光る君へ」の解説動画もいろいろあるが、これほど楽しく見られるものはない。まさしく「歴史はエンターテインメント」なのである。メインのきりゅうさんと、脇のラットちゃん、くーさんがきりゅうさんをリスペクトしながら述べる感想も楽しい。平安朝の知識に乏しくドラマの筋を追うのに精いっぱいで、放送時には衣装や調度品のことまでには気が回らない。風習などもわからないことだらけだが、放送後、きりゅうさんの解説を聞いてからまた見直して確認して納得している。NHKの美術部門が感謝しているかも。きりゅうさんは、まひろではないが漢学の深い素養がおありのようで、若い頃に研究されたことがこのようなかたちで花開いたことには、拍手したい。まひろが父親の藤原為時にようやく認められたときのコメントに気持ちがこもっていて、もしかすると同じような想いをされたのかな、と感じていた。ドラマ・ウォッチャーとしても優れていて、この良き意味でのミーハーぶり(私もたいがいにミーハーなんだが・笑)が、人気の理由だと思う。これからも楽しみにしていますが、来年はどうされるんでしょうか。私はたぶん来年の大河は観ないと思うので、ちょっと気になるところです。
「ライフハック」なんてことばは、いつから使われ始めたんだろう。いろいろと検索していると私への「おすすめ」に挙がってくるようになった。よく見るのは、要領のよい家事術とか断捨離、節約系で、掲示板への投稿をまとめたものである。仕事をしていることを言い訳にして、今まで何も知らなかったと恥ずかしい限りであるが、主婦の方々などがいろいろと苦心を重ねて家族を守っていることには敬意を持った。私も遅まきながら賢く暮らすことにしよう。ただ、この系統の動画は合成音声が多く(「ゆっくり」系とかね)、あまり長時間聴いていると脳によろしくないのではないかとも感じていて、注意している。一日動かずにこれだけ見ている、などということにはならないようにしたい。