【第1審】セクハラ言動が認められ懲戒処分、降格人事が有効とされた海遊館事件（平成25年9月6日大阪地裁）

概要

水族館の運営等を行っている株式会社である被告は、従業員である原告らが他の女性従業員に対して性的な発言をするなどのセクシュアルハラスメント行為等を行ったとして、原告らに対し、就業規則に基づく懲戒処分としての各出勤停止処分を行うとともに、懲戒処分を受けたことを理由に、資格等級制度規程に基づき、原告らの等級をいずれも降格したことから、原告らが、被告に対し、原告らはセクハラ行為等は行っておらず、また、原告らに対する各処分は相当性を欠くから、各処分は懲戒権を濫用したものとして無効であり、各処分の無効確認、地位確認、雇用契約に基づく支給されなかった給与等及び不法行為に基づく慰謝料等を請求した。

結論

棄却

判旨

労働者らは，就業規則及びセクハラ禁止文書における禁止行為を繰り返し行っていたことが認められるから，就業規則において減給又は出勤停止の懲戒処分の対象とされている事由に該当するものということができ，会社が労働者らに対してした本件各処分については，客観的に合理的な理由があり、労働者らによるセクハラ行為等の悪質性及びこれによる被害の程度，労働者らの役職，会社におけるセクハラ行為防止の取組み等に照らせば，労働者1を出勤停止30日，労働者2を出勤停止10日とした本件各処分があまりにも重すぎるものとして，社会通念上相当性を欠くとまではいえない。