勤務曜日/勤務時間が固定しない従業員の有給

労基法３９条の有給休暇は、通常はあらかじめ時季を指定した上で取得するものである。
土曜、日曜休日の完全週休2日制の会社の場合は、従業員が所定労働日を特定するのは最も簡単で、将来に向かって土曜、日曜日以外の時季を指定し、有給消化することになる。

ところが、当事務所の顧問先にはシフト制の会社が比較的多く、従業員の勤務日はシフトを作成しない限り判明しないことや、ましてや契約によっては勤務日の労働時間さえ特定できない場合もある。
月曜日８時間、火曜日５時間・・・・など曜日によって勤務時間が特定されているなら問題にならず、時季指定した際の「所定労働時間働いたものとみなす」時間は、曜日ごとに特定された時間分となる。

シフト作成と同時に時季指定することはよくある光景であるが、そもそも有給の時季指定は、将来に向かって確定したシフトに対して行うものであり、シフト作成と同時に有給日をシフトに組み込んでしまう（でも、ほとんどコレ）と、勤務曜日ごとの勤務時間が定まっていない雇用契約の場合、当該日の所定労働時間がわからない。

では、勤務日の所定労働時間が特定できない場合の「所定労働時間」はどうすればいいだろうか？
いろいろ調べるも、明確な回答にたどり着けなかった。この場合、何らかのルールを就業規則等で定める必要があり、例えば、「1日当たりの平均所定労働時間数を割り出し、その時間分勤務したものとみなす」「所定労働時間の1番多い時間勤務（８時間など）したものとする」などと定めるべきであろう。