差別をやめる唯一の方法
結論からいうと、選別に移行することである。
シンプルな基準で主語の大きい集団を雑に区分けすることを差別と呼ぶのなら、選別とはその逆で一人ずつ手間隙かけて区分けすることである。
区分けも基準を様々なものを用意する。
学歴や信賞必罰、趣味特技、思想信条など。
選別の結果も詳細なものを用意する。
今の所差別に対抗しうるのは、これだけである。
実際差別が減ってきているのは人類が正義に目覚めたからなどではなく、より人事選考に力を入れ一人ずつ手間隙かけて選別するほうがクレームが少なく、そして組織に有利になる人材を取得できることが明らかになったからだ。
でも、問題が解決したかというと、別種の問題が発生する。
選別で弾かれたほうが、差別されるよりよほど深刻なのである。
何故なら差別は理由が理不尽なのに対し、選別で弾かれる方は、理由が基準の数の分追加されるからだ。
能力が基準に達していないなどで、この場合は能力はほぼ可視化されている。
例えば専用のクレジットカードがなければ買い物できないようにして、クレジットカードの審査で落とせば、たちまち一昔前の有色人種お断りと大差ないものになる。
人の区別は差別から選別に変わっただけともいえるし、そして人類は未だに選別に抗う方法を、見つけてはいない。