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能登半島地震メカニズム(総集編)…二つのプレート境界で断層が動いた!・・そして南海地震との関係は?【門外漢解説】
日本海沿岸沿いにある断層は下図のように、まさに陸地との境に沿うようにある。
能登半島北部にはまさに陸地形状に沿うように断層がある。
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ここで二つの大陸プレートを重ねて表示すると境界線(青線)は下図のようになる。境界線はちょうど能登半島東と佐渡島西側の海上を南北に走っている。
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まさに両プレートの境界線付近で起きたのが今回の能登半島地震である。
それは下図の(元旦地震を含む)震源分布とプレート境界線(青線)を見れば明らかである。
能登半島地震発生のメカニズム
大きく見れば、今回動いた断層は下図中央下にある黒線部であり、プレート境界の左ユーラシアプレート側断層が動いた。
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これをもう少し詳細に見れば以下のようになる。
プレートの境界線を横切るようにある断層が、実は二つに分けられる:
①ユーラシアプレート側断層(今回の地震で動いた)・・茶色表示
②北アメリカプレート側断層(ほぼ動かず)・・薄黄色表示
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上図にある隆起量の数値(m)を生じた逆断層のモデルは下図の様である。
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模式図は、下のようになる。
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以上が、この回の元旦に起きた能登半島地震の発生と地震時の陸地隆起メカニズムの詳細である。
予知に関して
では今回の地震に関する地震以前の検討状況を示しておこう。
下の資料は、昨年1月13日(能登半島地震のほぼ1年前)に公表されている地震危険領域に関するものである。
ここで注目すべきは、赤破線(筆者が加筆)の領域は白(危険ランクに入っていない)であったので、危険度としての扱いは無かった。
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このように、特に危険視された領域とは認知されて来なかった…というのが実情であろう。
では、北アメリカプレート側にある断層(今回は動かなかった、空白断層と呼ぶ)の危険性はどうであろうか?
元旦の能登半島地震からの知見によれば、二つのプレートによる押す力によって空白断層付近に地震頻度が高くなれば(群発地震)、断層が大きく動く危険性が高まると想定される。
南海地震地震との関係
で見れば、南海トラフは、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界であるので、直接の因果関係は想定されないが、二つのプレートによって作用する力によって生じる歪みエネルギによるものであるので、その点の留意は必要である。
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なお、以上に使用した資料は、東京大学、NHKによって示されたものを使用しています。