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お花畑

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妄想癖が悪化したときに書きます。
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2016年2月の記事一覧

夢のむこうの港から

夢のむこうの港から



 慣れない都会の駅舎のすみで、改札の前に立ち、ふるさとの水路に悪戯に石を並べた日のことを思い出していた。せき止めようと石を敷き詰め、積み上げても、その隙間を縫って水は流れ続ける。そんな様子を眺めていると、僕は時の流れをじかに感じることができた。無力感に浸ることができた。どうしようもないことも、世の中にはあるのだと知ることができた。それは確かに淋しいことではあったが同時に僕を救ったのだ。僕は幾つ

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ジン・ハウス・ブルース

ジン・ハウス・ブルース

 私は菜の花畑で生まれた。海のちかくだった。潮風にくすぐられて菜の花は黄色くうねっていた。
 生まれた場所で酒を飲むのは変な気分だ。土曜日の午後の定位置は、決まって波打ち際だった。酔いどれの溜息はアルコールのにおいをさせながら空にのぼる。桟橋の先の釣り人はやがて夕焼けに掻き消される。海岸線に夜が落ちた。
 波の音を聴いているあいだだけ、私はあの頃に戻れる気がした。海は、孤独な人間に優しかった。砂浜

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