春日傘~Christmasの歌が聴こえる頃~番外編
🌠
北極星
見上げた夜空
ソリの音に
願いをかける
明日の幸せ
教会の
凍えて眠る
鐘の音は
明日も同じ
音を奏でて
クリスマス
朝日に目覚め
靴下の
ふくらみ見ては
娘の笑う
教会に
帰る夕日は
輝いて
どうか平和に
クリスマスイヴ
①閉店時間に
『うむ、なかなかよいできじゃ』
今宵も冷え込みそうじゃの。。
と呟き、喫茶さくらの店主は店の表に出していた看板を店内にしまう。
桜並木の見事な、川沿いの観光地の片隅で店主はひとりで喫茶店を切り盛りしている。
12月の桜並木は寒くて可哀想じゃ。。と店内から夕闇近い外のようすを見てはひとりごちていた。
その延長で、ふと思いついた短歌のようなものをうたったりしている。
『やはりクリスマスの短歌ばかりになるのー』『短歌のルールも知らないのにの』『娘の笑う。。か』
ひとりで自嘲しては遠くを見るようにいう。
『あのお嬢さんは、ひまわり畑を見に行ったかの?』『絵美子さん、という名じゃったか?』『また来るかもしれん。覚えておかんとな。』
川沿いにカラスの鳴き声が響いた。
宅配便の軽四輪が夕日にむかって忙しそうにゆく。
『ほたるの夕べ。からはもう半年が過ぎるんじゃが、妙に気になる。。元気ならよいが』
ひとりごとが、次々と寒い店内に舞う。白とブルーの彩りに飾られたクリスマスツリーは、彼女が探していた日傘のようでもある。
アンバー色のハンチングをかぶりなおして、薄暗いキッチンをかたずけながら、スマホを立て掛けてYouTubeにつないでみた。
いつもはJAZZのレコードが流れている店内だが、12月15日の今宵はクリスマスソングが聴きたくなったのだ。
『クリスマスアルバムは、名盤だの♪どれ、久しぶり聴いてみるか』とフランク・シナトラのチャンネルを探す。
②名曲を見つけた店主
そのとき、店主は一つの動画に目がとまった。
『三本のクリスマスツリーの絵か。。』『Very Merry Christmasとな🎵』新着の曲にうれしくなった。
『降り出した雪。。一人ぼっちは淋しい。。早くあなたに会いたい。。』
『なんと、、』
『いい声じゃの、おお、あたたかい語りくち、、じゃ。』
そう思ううちにピアノが静かに八分音符を打ち、粉雪のように繊細なイントロで曲がはじまる。やがて、天使の歌声か、やさしい唄が顔をのぞかせて店内を舞う♪
『なんとも美しいメロディ。。』
店主はハンチングを脱ぎ、片付け終わらないキッチンを出た。カウンターに腰かけて、あらためて曲に耳を澄ました。
『この時期には、こういう曲が聴きたいんじゃよ🎵』
『🎵Very Meery Christmas🎵とは!なんともカッコいい題名だの~』
店主は歌声にみとれていた。甘くて切ない歌声は、心をひきつけて離さない魅力があった。それは聴くというよりも、みとれる、といった方がしっくりくるのだった。
何度もループする。何度も何度も。。聴きながら、うなずきながら、驚きながら、感動しながら。。
『二十人で詞を書いたのか?こりゃビックリじゃ✨』『まとめたのは、おお、あの有名な詩人cofumiさんか?』『紅いリンゴの禁断~♪が、ドキドキして、、エエの~』
③店主の回想
店主は感動した。久しく家に帰らない一人娘のことを思い出してもいた。
『あの日、雪降るクリスマスに、空へと飛んでいったままじゃ。。』
『日鳥か、娘のことじゃな』
『あの絵美子さんは、わしの娘のようじゃったの』
店主は感極まって涙ぐむ。
『南かのんさん、というのか。。歌声がなんともあたたかい。。』
『生きてきたこと全て、肯定してくれてるようじゃ』
目尻のシワがいよいよ深くなる。
やさしい面持ちで曲にみとれた。
傍らのボールペンとオーダー用のメモ用紙に、たった今思いついた詩を書きつけていた。
🎄✨
【雪降る街角の願い】
④~店主の詩~
粉雪が舞い降りて
街にはクリスマスキャロル
。。。
https://note.com/mistblue/n/n21e2ffc877fe
詩を書き終えた店主はもう一度、YouTubeをリピートしながら考える
⑤お見舞いしたい想い
たくさん雪が降りはじめた。。
豪雪地帯の皆様のご無事を。。
この時期のご苦労、心痛に静かに想いを寄せていた。
🎄✨
Very Meery Christmas
🎄✨
何度も聴きたくなります!
とっても素敵な曲です♪
♫ Very Merry Christmas/flower seed ♫
cofumiさん、かのんさん、皆様、
あまりにも好きな曲になったので🎵私の春日傘~ショートショート番外編、としまして拙い文章を描かせていただきました。楽しくできたことに深く感謝します🎵ありがとうございます。