ひとり

あなたが負けたおかげで
誰かが勝つだろうか

あなたが泣いたおかげで
誰かが笑うだろうか

あなたが額に汗したおかげで
誰かが潤うだろうか

あなたが物言わぬおかげで
誰かが発言できるだろうか

そのうち、あなたは言われるようになるだろうか
おかげさまで、と
まったく言われるようになるだろうか

報われることなど
何一つないとしても

あなたにかかわる全ての人々を懐に抱いて
あなたは初めてあなたになれる

ひとりぼっちでは何一つ成立しないということを知る

相手がいなければ
笑顔も涙もでるはずがないということを知る

さいごにあなたが笑ってすべてを許せるとき
あなたははじめて
あなたらしいあなたになることだろうかと

忘れてはいけない
本当のあなたなど
あなたをこえてはどこにも存在しないということを

ひとりぼっち、か

あなたはいつもあなたの中にいるのだ
皆にかこまれてるあなたの中にもあなたらしさがあるのだ

守られている

強がったとしても

ひとりぼっちとは、つまりそういうことだ

あなたらしさのおかげで
誰かがきっと幸せになるだろう

『おかげさまで』と
まったく言われるようになるだろう

ひとりぼっちとは胸に抱える誰かを感じることなのだ

コスモスがひとり咲いていました