アメリカのディズニーで、星条旗が上がった話。
20歳の夏。
アメリカに行った。
はじめての海外旅行だった。
LAに2週間ほど滞在した。
1週間も経てば、暇になった。
今日は何をしようか。
男2人で出した答えは、
Go to ディズニーランドだった。
海外のディズニーはもちろん初だ。
驚いたことはたくさんある。
今日は驚いたことの中からBEST2を紹介したい。
驚いたこと、第二位。
「歓声の大きさ」だ。
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ショーを見たとき。
音楽が鳴り始めたら、「Whoo〜!!」。
キャラクターが登場したら、「Whoo〜!!」。
決めポーズを決めたら、「Whoo〜!!」。
緞帳が降りても、「Whoo〜!!」。
とにかく盛り上がりがすごい。
アメリカ人、陽キャすぎる。
日本では味わえない盛り上がり。
カルチャーショックだった。
アメリカの高校に行っていたら、確実にいじめられていただろう。
なぜかネガティブなことを想像していた。
ーーー
お待たせしました。
驚いたこと、第一位。
(タイトルにあるように)「星条旗が上がった」ことだ。
園内を歩き周った後、ベンチに腰掛け、ひと休みしていたとき。
突然、星条旗がポールを上りはじめた。
驚くことに、あんなにも叫んでいた陽キャたちが、一斉に立ち止まった。
帽子を手に取り胸に当てる男性。
サングラスを外し、国旗を見つめる女性。
パーク内の音楽も鳴り止んだ。
異様な光景だ。
僕らは理解が追いつかない。
しばらくすると、何事もなかったかのように、すべてが元に戻った。
ーーー
「アメリカはすげぇな」
呑気な感想を口にしながら、腕時計を見た。
2015.09.11
あぁ。
だからか。
はじめて訪れた本場のディズニーランド。
僕たちは、黙祷を目の当たりにしていた。
ーーー
これ以上のオチはない。
9月11日。
この日を迎えるたびに思い出す光景を伝えたかった。