目標は常に進化するから。春の総会を前に覚悟を固める。
2022年3月29日に私が代表を務める俳優プロダクション「ミッシングピース」では、所属・準所属・スタッフ全員に声をかけて、ミッシングピースの現状と、主に2022年度に目指すところを共有する大会議を行うことにしました。
これは今年になってから始めた「みゆきさんの頭を軽くする会」って名前の会議(みゆきさんとは私のことです笑。弊社では大抵の人は、私・西田みゆきのことを”社長”でもなく”西田さん”でもなく”みゆきさん”と呼びます。ありがたい。私は職責ではなく人として見られたいですもの。職責の意識はちゃんと持ってますよ笑)で略してMAKで話し合って進めてきた企画が実現できそうです。
MAKと言うのは、所属俳優それぞれに持っている俳優業以外の仕事でのスキルをミッシングピースで役立ててもらえるのではないかと考えたのがきっかけです。
(ミッシングピースでは専業主婦か学生以外は副業なのか兼業なのか、他の仕事を持っています。大きな企業で大事な職責を担ってる人もいます。)
俳優を続けていく上において俳優業の環境を少しでも良くしていくことは俳優にとってメリットになるだろうし、私はそれを”やりがい搾取”することなく評価して、また査定に関わる機会も用意することを約束して、私が相談したいこと、行き詰まっていることを共有したい。それで何人かの俳優に相談してみたところ、断る人もいたし、快諾する人もいたし、やってみましょうって人もいました。
(断る人も快諾する人もやってみましょうって人もいるところが、ミッシングピースの健全なところです。そう言う文化を作り上げてきたことは私の誇りです。)
ミッシングピースのマネージャーは私と元・医療従事者の娘を除いて全員、プレイングマネージャーです。マネージャー専業の人を雇用したこともありましたが、うまく行きませんでした。プレイングマネージャーの一番いいところは俳優の立場で考えられるところです。
そう言う意味でもMAKは成功でした。始めてまだ1ヶ月半くらいですが、MAKメンバーは俳優と経営の感覚を行ったり来たりするし、俳優という生き物に共通の”人に寄り添う”考え方に私は何度も救われています。だったら。。。MAKには不参加を表明した俳優も、MAKに誘わなかった俳優も、MAKメンバーやプレイングマネージャー達と同じように経営的な視点にも立って事務所を理解し、協力し、意見を出し、行動してほしい。(MAKではいろんな視点で話し合うことで俳優への理解も愛情も深まってます。)と思うようになり、それを実現するためにはまず、情報共有から始めようとなって、
ミッシングピースの過去と現在のフェーズを知ってもらい、これから私たちはどこへ進めばいいのか、どこを目指しているのか、何から始められるのか、自分は何を手伝えるのか、どの部分ならチームリーダーとなって先導できるのか、考えてもらう機会を作ろう。どうせなら、きちんとやりたい、春だし、年度末だし、株主総会みたいな感じにならないかな。場所もちゃんとしよう。毎年の恒例行事にしよう。秋には外に向けてプレゼンできる総会も企画しよう!!!と話が進んでいきました。
先週から発表する内容について、ドラフト作りが続いています。過去を遡る方法、どこまで遡るか、どこまで深堀するか、現状の話はどうするのか、今後の具体的なスケジュールはどこまで話すのか(何も隠しはしませんが、一回のミーティングでどこまでの話なら理解できるのか、)
ところで、共有したい計画には一つ大きな問題があって、今のところミッシングピースの計画が秋までしか、具体的にできていません。もちろん、秋休みを今年も1週間設けようとか、年末に俳優全員と契約更改の話をするなどと言う年中行事は決まっていますが、売上目標とか出演目標とかスタッフ増員計画とか、立てられていません。
だって、この秋までにどう動いて、それがどんな結果をもたらして、その動きの反省すべき点はどこで、続けていくことは何か、分からないんですもの。ただ、数字の目標は空しいものなのですが、意識は向くので行動が変わる場合はあります。だから何にも設定しないってのは問題ないのだろうかと行き詰まってしまいました。
さらにミッションステートメントやビジョンは?ってことも考えなきゃいけないのだけども、それも去年の今頃と今と既に違ってます。ミッションステートメントなんてコロコロ変えるものじゃない、そんなのミッションでもなんでもない。。。ってことは分かってはいるのですが(譲れないもの、やらないことはあまり変わらないのです)フェーズごとに見える景色が違うから、感じることが違うから、自分の能力やスキルも違うから、そして、社会もみるみる変化するので、ぼんやりした「人に優しく」的な、あるいは「サステナブル」的な、あるいは「ダイバーシティ」的になことをミッションステートメントとするのなら、まぁ、差し障りなく決めれるのですけど。それはやっぱりごまかしでしかなく。私はミッシングピースを唯一無二の事務所だと思っているので、ミッションなどは誤魔化したくないのです。
そうして行き着いた答え「目標は常に進化するから」無理にミッションやビジョンを決めなくていい。目標設定はするけど、それがいつまでの目標になるかは分からない。今、決めたことも明日には変わるかもしれない。だったら変えたらいい。そのことを恐れず、恥じず、隠さず、やっていくしかない。
私はミッシングピースを生物のように捉えています。健康な時もあれば病気にもなる。(ミッシングピースの最大で最重要な構成要素は俳優という生き物です)いつも右肩上がりに生きていけるわけがない。機械のように予測を立てて制御することはできない。変化を感じて対応するしかない。
人を管理しようとしない、こう決めたから、こうやりますって決めつけない。面倒がらない。感じ取り、咀嚼し、悩み、対応する。これこそ、演技そのものだなぁ。ミッシングピースらしい経営が見えてきています。