22.8.30

今日俺はバイト先に向かう途中、乗っていた原付がスリップし吹っ飛び、全身ズタズタになってしまった。

両膝両肘傷だらけでバイト先の事務所に入ると、パートのおばさんが顔色変えて、大量の備品の絆創膏を持ってきてくれた。ぺたぺたと身体中に粘着し、パッチワークのようになる俺。歩くのがこたえるほどの身体で、これから5時間労働することを考えるとうんざりしたが、他人による無償の優しさが染み、なんとか働こうという気が湧いた。

働いていると膝の皿に違和感を感じ、俺がぎゃーぎゃー騒ぎ出すと、同僚やパートさん、店長らが俺の膝の皿と各々の皿を触り比べるなどして、議論が始まった。パートさんの皿は俺の皿とは比べ物にならないくらい左右に動き、膝の頭がぐらぐらと形を変えるのを見て、笑いが止まらなかった。

死を感じるほどの事故の後に、こんな愉快なやりとりを他人と交わせてしまうほど、人は実にゆるく生きているのだと感じる。もしくは死とはそれほど恐ろしくないものであるか、そのどちらかである。

そんな8月30日。

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