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変わるもの変わらぬもの

※文章の音声化についてはこちらをお読みください。
https://note.mu/misora_umitosora/n/nc76e754673e5


様々な夫婦のかたち。
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笑わないで聞いてくれますか?
私、祖父母のような夫婦に憧れているんです。


祖父と祖母は従兄弟同士でした。
時代が時代でしたから自由に恋愛なんて出来るわけもなく、親同士が結婚を決めたそうです。
それでも二人はしっかりと愛し合い家族になった。

祖母に聞いたことがあるんです。
結婚からしばらくして空家になっている祖母の実家を処分することになった。
そんな時、祖母に一通の手紙が届いたそうです。
差出人は祖母の初恋の人。
その人は祖母が疎開のために祖父の家に身を寄せ、そのまま結婚したことを知っていました。
「それでも最後に一度だけでいいから会いたい」と手紙に書いてあったそうです。

戦争直後、亭主関白や内助の功が当然の時代です。
普通ならそんな手紙が届いたことはそっと胸にしまっておくでしょう。
しかし祖母は違いました。
全てのいきさつを祖父に話し、今までお世話になったから最後のご挨拶をしたいと申し出たそうです。
そして祖父はただ一言「行ってこい」と祖母に言いました。
生活に余裕がない中、旅費まで出してくれたそうです。

祖母は予定通りの日程で帰って来ました。
祖父はまた一言「楽しかったか?」と聞き、祖母は「とても楽しかったです。本当にありがとうございました」と応えたそうです。


私はこの話をしてくれた時の祖母の顔が今でも忘れられません。
祖父が自分を信じてくれたこと、そんな祖父の妻であることが嬉しくて誇らしい。
言葉にしなくともそんな気持ちが伝わって幼心に嬉しく思ったものです。

時代は変わりました。
男女の関係も変わりました。
それでも、夫婦として大事なものは祖父母の時代から変わっていない気がします。
笑われるかもしれませんが私はそういう結婚が素敵だなと思うんです。

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アドリブによるアレンジ、人称や語尾変更ご自由にどうぞ。
素敵な写真は下記サイトからお借りしました。
https://www.flickr.com/photos/chufi/4494765972/in/gallery-jlcernadas-72157624100175217/ (c) Erháld Borbáth
※上記写真はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 - 継承 4.0( https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.ja )のもとでライセンスされています


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