時にはこんな友情も
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【男】【女】
大切な友達。
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女「最初は些細な会話だった」
男「きっかけは思わず漏れた本音。そこから君と良く話すようになった。俺達は……ひどく似ていた」
女「物事に対する考え方、人への接し方、言葉の選び方、距離の置き方、何に心を動かすか。それはまるで鏡を見ているようで」
男「育った環境も年齢も性別も違うのに、不思議なくらい似ている俺達。話をするのがとても楽しかった。今日はこんな面白いことがあったよと言えば、笑うポイントが一緒で」
女「今日はこんなことがあって悲しかったと言えば、一番欲しかった優しい言葉を」
男「今こんな事で悩んでいるんだと言えば、気持ちを理解した上で客観的なアドバイスをくれる」
女「他の人には言いづらいことでも、言いたい事をきちんと理解してくれるから君には遠慮なく言える」
男「多少面倒なことでも、上手く対応してくれるのを知っているから君には遠慮なく頼める」
女「よう、もう一人の私」
男「よう、もう一人の俺」
女「これは私達の合言葉」
男「ずっと一緒にいるわけじゃないけど、きちんとどこかで繋がっている」
男女「君は大切な友達」
女「でもある日、女友達に言われた"それは恋でしょ"」
男「男友達に聞かれた"異性として意識しないの?"」
女「私達は笑った」
男「これは恋ではない」
女「これは愛でもない」
男「だって俺には他に大切な女性がいる」
女「だって私には他に大好きな男性がいる」
男「当然彼女のことが一番大切で、君は一番じゃない」
女「当然彼のことを一番に考えてて、君は一番じゃない」
男「でも俺達はそれでいい」
女「でもそれは君を異性として見ていないってことじゃない」
男「君は優しくて強くて、時々カワイイ一面を見せてくれる素敵な女性だと思う」
女「君のことはカッコイイと思うし、優しくて頼りがいのある男性だと思う」
男「一人の女性として好きな所も嫌いな所もある」
女「一人の男性として尊敬している点も駄目だと思う点もある」
男「愛とか恋とか、そういう枠にはまらない存在なんだよ」
女「男女の間の関係が全部恋愛関係なんて、つまらないでしょ?」
男女「時にはこんな友情があってもいいんじゃないかな」
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