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お茶農家さんに密着 〜新茶の収穫〜

「お茶畑って、こんな眺めの所にあるんだねぇ!」


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私がいるのは、2018年4月末。

静岡県藤枝市の、あるお茶畑。以前、一緒に働いていた友人が、お茶農家になろうと、大きな一歩を踏み出した。彼女の手伝いをしつつ、お茶農家さんの仕事を少しでも体験したいと思い、藤枝にちょっとの間滞在する事に。私たちが飲むお茶は、どうやって作られるのだろう。


彼女のお茶畑は、無農薬無化学肥料のお茶畑。2017年までここを管理していたお茶農家さんから譲り受けた。前の農家さんは、過去に3年以上農薬や化学肥料を使ってないので、彼女の理想のお茶作りがすぐに始められる。茶畑を歩くと、フカフカとして、たまに転びそうになるぐらい柔らかい。これは化学物質を入れていない茶畑の特徴だとか。本当に柔らかい!!


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目線を低くして、お茶畑を見てみると、まるで森の様。

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小さなクモやカマキリ、蛾やハチなど、色んな生き物と協働して、美しいお茶畑を作っていく。カモシカもたまに遊びにくるとか。自然豊かな茶園。

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新茶の季節

季節は初夏。4月末で、新茶の季節が既に始まっていた。彼女の茶畑は、割と標高が高い涼しい所にあって、あともう少し待ってから収穫、といった具合だった。この年は、新規就農した彼女にとって、最初のお茶収穫の年。今までに、先輩お茶農家さんで経験を積んで来たものの、全ての判断が彼女に委ねられた最初の年だった。毎日お茶畑をパトロールして、ソワソワする彼女。

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こちら側は伸びてるけど、あちら側は全然まだ。もう少し待ちたいけど、そうしたらお手伝いの人達とスケジュールが合わなくなる。そう言って、いつも頭を悩ませていた。新茶の季節は気が気でないそうだ。頭の中は大会議中!

私は全くの素人だけれど、人手がある事が有難い様だった。と言っても、数日間しか居られないので、出来れば居る間に作業が出来ると私も嬉しい。しかし、お茶の葉は人間のスケジュールなんて気にする訳も無いので、お茶畑の手入れをしながら待つしかなかった。



お茶畑の手入れ

お茶農家さんの仕事は、新茶を収穫するだけじゃ無い。雑草を取り除いたり、お茶の木の刈り込みなど色々する事がある。美味しいお茶を収穫するためにも、畑の手入れをしてあげるのが、お茶農家さんの役割なのだ。

まず、新茶シーズンよりも前にお茶の木の刈り込みをしておく必要がある。腰ぐらいの高さに刈らないと、新茶の収穫が難しくなってしまうのだ。だからまるで植木屋さんがやっているように、お茶の木の刈り込みをするのだとか。

それから新茶収穫の前に、畑から取り除くものが沢山ある。ひとつは、上から降ってくるもの。彼女の茶畑は木立の中にあるので、場所によっては、木から落し物が届くことがある。新茶を刈る前には、そういった落し物を取り除かないと、お茶の中に入ってしまう。

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それから、ワラビ。山菜として美味しく食べるワラビ。お茶畑にも侵入して生えて来るので、根っこから引き抜かないと、これもまたお茶に入ってしまう。温かくなって来てからは、割と草取りが作業としては多いのだとか。

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お茶を刈る


お茶の新芽が程よく伸びて、お茶に入れたく無いものを取り除いたら、いよいよ収穫。何とか、私が滞在している間に、お茶の収穫を始められそうだった。どうやって収穫するのかというと、こういうマシーンが登場する。

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先程から、「お茶を摘む」のではなく、「お茶を刈る」という言葉を使っているが、実際見るまではイメージがしにくい光景だと思う。昔は熟練した摘み手が山の様に居て、手摘み茶が出回っていたけれど、現代では、「お茶は刈る」。

巨大なバリカンを想像して頂くと分かり易い。バリカンの刃を進行方向に持って来て、メッシュの大きな袋を後ろに取り付ける。エンジンを入れて刃が動いたら、機械の両サイドを2人で持ち上げる。そして、お茶の木のちょうど新芽が伸び揃っているぐらいの高さを、バリバリと刈り進んでいく。刈ったお茶っ葉は、バリカンが生み出す強い風で、袋の中に収まり、刈り込まれたお茶の木の上をスルスルと移動していく。この時、袋を支える人が居ると作業がし易いらしい。もちろん、これが私の役割。

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袋が一杯になったら、新しい袋と交換して、どんどん刈っていく。それから、取り外した袋は、必ず日陰に置く。そうしないと、湿気でお茶っぱの質が悪くなってしまう。私がいた時期は、割と日差しも強く、日陰がとても涼しく感じる気候だった。

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こうして収穫したお茶の葉は、その日の内に加工所へ持っていく。

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ここまでが、私が密着したお茶農家さんの一番茶仕事。この加工所でお茶の葉は、蒸されたり、乾燥されて、仕上げられる。その辺りはプロのブログをご覧頂いた方が良いと思うので、私の拙い説明はこのぐらいに。


​​瀬戸谷のめぐみ茶園


彼女のお茶を頂いて、いつも思う事は、エグ味の無いスッキリとしたお茶という事。「私はお茶づくりを何よりもしたい!」という真っ直ぐな気持ちが、お茶からも感じられるような、透明感のあるお茶。日本茶だけではなく、紅茶もスッキリしていて、ほのかに甘味も感じられる。

お茶畑で触れた、柔らかな土。清々しい山の空気。いろんな生き物が、豊かに暮らす場所。平和そのものに包まれた環境の良さは、間違いなく味わいに影響してると思う。もちろん、私の友人への思いも影響してると思うけれど。。(笑)そういう物で食卓が潤う事が、何よりも幸せに感じる、今日この頃。地産地消ならぬ、友産友頂。



もっと詳しいお茶のこと。
彼女のリアルなお話はこちら↓

瀬戸谷のめぐみ茶園

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