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5年後の読売新聞のコラムに書いてそうな事を綴りました。かなり駄文です。



2025年。夏

流行病における経済恐慌「コロナショック」が起こってから5年の時が経った。結果的には人類の勝利と言えるのだろうか、文明(というと大げさだが)は再び築かれている。
2021年初頭には、TOKYOオリンピックの強行開催に対して不満の募った東京都の議員が水面下で企てていたクーデターが勃発し、当時の副総理は暗殺されたんだけど、その犯行グループの一部は未だ捕まっていない。警察官僚や公安、自衛隊までにも構成員がいて、映画の中のような出来事だった。当時じゃ事件そのものを黙殺するような報道ばかりで、ワイドショーで当たり前のように語られる陰謀論と呼ばれるオカルトや証拠のない話も妙に真実味があった。

そんな事件を企てた一部の革命化に対して、日本の国民性を反映している、的なレディーガガのインタービュー発言をきっかけに世界中の人が日本人を危険視するムードになり、結果的にオリンピックは延期のまま5年の月日が流れた。聖火はクーデターによって消された。

経済の停滞は今尚、継続中である。
根源となった感染症は完全に消えることはないが、処世術みたいのがそれぞれあって、生存への手綱は「最低3回感染する」こともみんながだんだん理解してきた頃。

「3回感染」は早い方がよかった。

コロナウイルスはフランスや中国をはじめとする衛生意識の低い国から自体は収束していった。該当される国民は手を洗わないし、マスクも最後までしなかった。

次いでアメリカ。
当時の大統領トランプは「経済回そう」派だった。当時、都市封鎖によって物理的に外出できなくなったストレスから、国民主導のデモが起こり始めた。最初は小さなデモだったが、あちこちに飛び火し、全州を巻き込む大ごととなった。
見かねたトランプ大統領は「ええいもうどうにでもなれい」と言わんばかりに自由を宣言。
それによって一時的に支持を獲得したが、2021年の夏どの国よりも先に医療崩壊し、ピーク時は国民の8割が感染者とも言われていた。軽症例や無症状の方には基本的に PCR 検査を受けることはできず、基本は自宅待機。
大統領本人も罹患を経験したが図太く生きている。


早くに色々、破綻した。
その結果、経済や医療、その他インフラと呼ばれるものはどの国よりも立ち直りが早かった。
これ以外の復旧の方法は、考えられなかった。

現時点で世界中で100万人オーバーの死亡者を出した未曾有のパンデミックが少し落ち着いたこの夏、観測地点によっては未だ渦中である。
日本に置いては本来持っていた国民性とも言える真面目な性格が功を奏してか、人口の大幅な減少は避けられたが、死者が少ない地域(国や、県、州など)はまだまだこれから感染者増えるという認識を持たれるようになっていた。退廃思想の先に未来があったなんて。

例に漏れず、妻のCOVID-19への感染は3度目で、ようやく元気になるのかなと思っていたけど、この春から持病だった肺炎が再発し、コンコン咳をしている。発作が出るたび発熱を伴い、入退院を繰り返すような生活を送っている。
うちの子供は6歳になる。元気に遊んでいるのが救いだ。あの頃だったら小学生という義務教育の始まりの年だったのか。

死を受け入れてこそ、事態の収束と考える人の方が多くなってしまったし、僕自身もそう考えている。

あの頃当たり前にあったものは、もはやノスタルジーとなった。
みんなが遊んでいたナイトクラブは、今も存在はしている、ただそういうものも受け入れられていた時代があったなっていうくらいに、まだまだ多くの人が集まる事を許す世間ではない。
クラブは、アンダーグラウンドに象徴されるカルチャーになった。
およそ半世紀の時を経て本来の役割に帰ってきたのだ。

まぁ、でもトラックメーカーやDJもみんな顔を出さなくなったり、変名で活動していたりする。そういうグレーで曖昧な部分もアングラを助長させている気がする。

酒場や外食産業は、2極化したままだ。
富裕層向けとそうじゃない店。
ポケットの小銭で粗悪な酒を飲むパブ的店はやはり今でも根強く残っている。トラディショナルであり、高級酒を楽しめるようなBARも、80年代生まれの「よく生き残った」世代には好評のようだ。
しかしかつてのような居酒屋や、大型のレストランなどは時代とともに閉店を余儀なくされ、今人気なのはその人の個性やシチュエーションに応じてサービスしてくれる「オンリーワン」系の業態だ。店が「スタイル」を貫く時代は一つ終焉したと言える。



暇な時続き書きます。



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