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旅をする。家を出ず、目を開かずに

旅行はしたいけれど、家から出たくない。
都会にはない景色を見たいけど、画面越しは目が疲れる。

そんな怠惰の極みのような旅行欲、満たす方法、ありました。

その土地の雰囲気って、何?

私が普段、旅行をするときの楽しみの一つに、旅行先の雰囲気を味わう、というものがあります。
今、住んでいる場所とは何となく違う時間の進み方、人の立ち振る舞い方など。
いわゆる空気感というやつ。
国内旅行だと特にそういったものを感じたくなります。
ただ、これって味わうの本当に難しいんですよね。観光名所ばかり行っていてもなかなか肌に感じられない。むしろ英語や韓国語、中国語を聞く機会のが多いくらい。皆さん日本を楽しんで。

さてさて、それじゃあ、その土地ならではの空気をどういった時に味わえるのか、想像してみますと、

  1. そこにしかないお店で、その土地ならではの食事をとるとき

  2. 地方鉄道に乗って車窓から景色を眺めているとき

  3. その土地の方言を耳にしたとき

  4. ホテルでテレビをつけ、地方番組を流し見しているとき

雰囲気駄々洩れな地方鉄道の車窓


こんな感じでしょうか?
もちろん皆様それぞれに答えがあるかと思いますが、その土地に行ってその風を浴びないと味わうことはできないようなものばかり。

そう思っていたんですが、あったんです、行かなくても味わえる方法が。
その土地にはどんな景色が広がっていて、人々はどのような暮らしをしていて、どのような空気が漂っているのか。

ラジオ

しかも、ここでお伝えしたいのは、比較的広範囲に聞ける県域ラジオではなく、とても狭いエリアを担当している、

コミュニティFM

……はて、コミュニティFMって何????

ラジオde旅行

なんで急にラジオの話が。
先ほど挙げた、地元を感じる四つの例、もうちょっと考えてみると、
「その土地のことを、そこに住む人たちがしゃべっている空間」
旅行先でしか味わえない空気なんじゃないかなと思うわけです。

旅先のお店でお客さんが話すこと、駅名のイントネーション、地元の○○小学校で行われた地域奉仕ニュース。方言なんて言わずもがなですね。

それらって、そこに行かないと本来聞けないもので、
しかも言葉ってそのちょっとしたニュアンスとか、感情の機微がすべて乗っかってくると思うのです。
それこそそこの生活が。だから、声というか言葉が、その地元の空気感をそのまま感じ取れます。

この「その土地のことを、そこに住む人たちがしゃべっている空間」を、その場にいなくても味わえる方法が、ラジオなんです。しかもコミュニティFMがそれに近い。

ちょっと説明チックになってしまって申し訳ないですが、
コミュニティFMは、

放送エリアが地域(市町村単位)に限定されるため、地域の商業、行政情報や独自の地元情報に特化し、地域活性化に役立つ放送を目指しています
https://www.jcba.jp/community.html

一般社団法人日本コミュニティ放送協会(JCBA)

という、かなりエリアが限定的なラジオです。これが全国各地にあります。
で、皆さんが「地元のラジオ局」って何があるかな?と思い浮かべたそのラジオ局、おそらく県域放送局です。
……そう、ほとんど知られていない、はず。
なんでか。カーラジオにプリセットに含まれていないことがほとんどなんです。しかも、radikoで聞けないんです。そりゃ認知されない。


コミュニティFMが出す地元感

このコミュニティFM、規模が小さくエリアが限られているので、

その土地に実際に住んでいる人や、ゆかりのある人たちがパーソナリティとして活躍しています

ディレクターとかの制作人はほぼほぼそのエリア出身なんじゃないかな。
なぜこんなこと書けるかというと、私自身前職がコミュニティFMで制作側で働いていたからです。

だからその方々のしゃべり方だって、方言とかイントネーションとかがその土地に沿ったものになっています。

例えば私が働いていたコミュニティFMは愛知にありますが、
その土地の名前に「おかざき」「かりや」があります。苗字にもありますね。
標準語のイントネーションは「お⤴か⤵ざき」「か⤵りや」ですが、
地元民は「お⤴か(→)ざき」「か⤴りや」です。
なので、ラジオ局も後者で読み上げています。

こういうその土地のイントネーションを、それこそ旅行中に聞くと、「あ、今、旅先にいる!」って感覚になりません? 私はなる。

夜、あんまり行ったことのない土地のラジオ流しながら、お好きなお酒を片手に持ってみましょう。家が、旅行先のホテルに早変わりです。
窓辺にローテーブルとイスがあれば、
何となく窓の外を眺めながらくつろぐ、夜のひと時を演出できますよ。

この写真は明るい…。

今の時代、足で出向く旅行だけでなく、YouTubeとかいろんな方の動画を視聴してその土地を歩いた気になったり、絶景なんかは検索で簡単に見られたりします。
コロナ禍には、VR使ったりオンラインの旅行したりあの手この手がありましたね。皆さん工夫して楽しんでいました。

そんな時代だからこそ、その土地の空気を味わう、ということに重きを置いてみるのはいかがでしょう?
家から出ずとも、ブルーライトを受けずとも、生活を感じられる旅行、あります。
おうちが好きなそこのあなた、いかがです?


【参考】コミュニティFMは全国聞ける!無料で

上でradikoで聞けない、と書きましたが、
じゃあどうやって聞くんじゃい!しかも離れた地方のラジオなんて電波も入らないじゃないか!

おっしゃる通り。聞けない。
ただ、radikoに似た、全国のコミュニティFMが聞けるサービスあるんです。
あ、もちろんラジオ局がちゃんとお金とか払って加入しているので、違法とかじゃないです。
ここのFM++というサイト。スマホで聞くならweb版でもアプリ版でも。

東北から沖縄まで聴けるんですよ。しかも無料で

ただねぇ、タイムシフト機能ないんです。そこがradikoとは違うところ。
なので、夜お酒飲みながらっていうのをやりたいとき、ちょっとザッピングして「今ちゃんと番組を放送している局はどこだろう」を探さないといけないかも。それはちょっと面倒。
コミュニティFMって規模小さいから、コアタイム以外の時間では音楽だけ流しているところもままあります。
人の話し声を聞きたいなら、収録番組でもなんでも、番組をしている局を見つけると良いかも。

最後宣伝みたいになっちゃった。
今はもうラジオ局で働いていない、ただのラジオ好きからの紹介でした。

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