競争しない選択肢

#デンマーク #北欧 #留学 #教育



最近の日課はお散歩。数少ない晴れの日は、欠かさず外に出るようにしています。海がすぐ近くにあるので、港に泊まる船や遠くに見えるスウェーデンの対岸を眺めながら、よくぽけ〜っとしてます。




デンマークに来て、はや1ヶ月。こんなことを言ったら就活中の同級生たちにボコボコにされそうだけど、めちゃくちゃ暇なんです。もちろん平日は授業があるけど、課題も試験もない学校なので、余暇の時間がたくさんあります。日本にいた時のように、スケジュール帳がびっしり文字で埋まってるなんてことはまずないのです。


私の場合、スケジュール帳にある予定や TO DO LIST って、大半が「やらなきゃいけないこと」でした。そのタスクをこなすことで「今日もこれだけ頑張った自分えらいぞ〜」って思ってた。タスク=自分の頑張り度をはかる指標みたいな。


しかし、こっちにきてから、肝心のタスクがほとんどないのです。だから最初の1週間くらいは「私今日1日何してたんだろう… ここに何しにきたんだろう…」って1人海で佇みながら落ち込んでいました。


でもさすがに1ヶ月間経つと、暇を過ごすプロになります。「タスクが終わったらやろう〜」って思って結局やらなかったこと、ありませんか?今それを片っ端からやっています。映画鑑賞、お散歩、アイロンビーズ、ドッジボール、美術館鑑賞などなど。編み物と木登りもしたいなと思っています。




先に述べたように、私の通うこの学校(デンマーク発祥の"ホイスコーレ"という教育制度)には課題も試験もありません。つまり誰とも競う必要がないのです。デンマークのフラットな人間関係の影響もあるとは思いますが、こっちにきてから「競争で勝とう」みたいなことは、ドッジボールの時を除いて考えなくなりました。


それよりもむしろ、この多感な(まだ多感だと信じたい…)時期に、今までやってこなかった色々なことに挑戦して、新たな自分の可能性を見出したいなって思います。




日本に暮らしていれば、学歴やキャリアなど、嫌でも競争社会に組み込まれてしまいます。その地位は、お金や名誉によって決まっているのかな、と。でも、競争ってそんなに重要なのでしょうか?私は、ドッジボール以外に競争のない生活を送る中で、すごく視界がクリアになりました。タスクを終わらせた達成感ではなく、その時本当にやりたいことができている満足感を求めて過ごしています。


この状態で日本に帰ったら「生きづらい…」ってなる未来がほぼ確実ですが、タスクに支配される生活は送りたくない、その瞬間に心の赴くことをする時間を作りたいな、と思うのです。



ウエを目指すより、ヨコに広がった人間になりたい。




これが今の目標です。




でもやっぱり、競争から逃れるのってすごく難しい。同じ問題が今デンマークでも起こっています。


グローバル化した世界で他国に飲まれずに存続していくためには、競争で勝ち残っていかなければなりません。デンマークは昔からユニークな教育を行ってきました。テストや成績は最小限で、暗記ではなく問題を話し合いによって解決する学びが低学年のうちから取り入れられてきたのです(詳しくはこちら)。しかしユニークであるがゆえ、世界水準の教育と比較することは難しいのも事実。近年では他国に負けない競争力をつけるため、幼い頃からテストが増加してきているようです。このユニークで本質的な教育制度を維持したいけど、世界のトレンドに合わせなければ国際社会を生き残れないジレンマは、先に話した内容と通ずる部分があります。




私が今体験している目新しい世界も、デンマークのユニークな教育も、競争でひたすら上を目指す社会とは違ったベクトルを持っています。それらは、弱肉強食の世界では生き残れないかもしれない。でも、人間のように火や道具を使って賢さで発展する可能性も秘めていたらいいなって思うのです。



「競争」のフィルターを外してみよう。




穏やかで居心地よい世界が、あなたの足元に広がっているかもしれません。





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