過去を力にする自分らしい生き方|松田浩昌
こんにちは。ライターのみそです。
今回お話を伺ったのは、松田浩昌さんです。
松田さんは語学系の大学を卒業し、現在はIT系の企業に勤めています。
大学1年の冬、大学を退学、その3ヶ月後に同じ大学の同じ学部、異なる学科に入学した経歴を持っていて、自分なりの納得した生き方をする決断をしています。
松田さんが学生のころにどんな考えを持ち、勇気ある決断をしたのか、高校生の頃から順に聞いていきます。
その経験から、やりたいことを行動に移すときに、どのような考え方が大切で、何をすべきかを学んでいこうと思います。
興味と挫折
ーーまずは複雑な経歴だとお聞きしたのですが、改めてどのような経歴かお聞きしてもいいですか?
現在(2023年12月)社会人1年目です。
周りより1年遅れて大学へ入学し、大学1年生の12月頃一度大学を辞めて、その3ヶ月後に同じ大学に入りなおしました。
最初は外国語の最高峰である東京外語大学を受験したのですが、落ちてしまったので1年間浪人をして、もう一度受けて、また落ちてしまったんです。
浪人時代は悔しくて毎日14時間ぐらいずっと勉強してたんですよ。
とても努力をしていたんですが、それでも落ちました。もう1年頑張る選択肢もあったのですが、メンタルが限界でしたね。
多分僕より意志の強い人は頑張ろうと思うのかもしれないけど、僕はもうそこで限界で、浪人2年目はせずに他の大学に入りました。
ーーなるほど。入りたい学科も明確にあったんですか?
元々世界史などの歴史が好きで、先人たちが積み上げてきた歴史ってすごいなって思っていました。
受験の時期に南北問題が当時ニュースでよく取り上げられていて、平和な日本のすぐ隣の国で戦争が起きそうな状況でした。
南北問題の研究者になって、現地に赴き、どういう経緯があったのか歴史を知りたいと思い、韓国語学科に入学しました。
大きな決断で得た自分の芯
ーー入学後、韓国語を学び始めてどうでしたか?
歴史が好きな自分と、K-Popが好きな周りの人で、自分とはジャンルが違うと感じていて、孤独感がありました。
そんな中、韓国語だけを学ぶわけではなく英語も学んでいました。
今までイギリスやアメリカ、オーストラリアなどには興味がなかったのですが、そこの文化や政治を学ぶにつれて面白いなと思い、徐々に英語圏への興味が大きくなっていきました。韓国に対する勉強の意欲が薄れたというわけではなく、英語に対するモチベーションが上がった感じです。
ーー学んでいることと、いま興味があることが変わってきたんですね。どのような心境でしたか?
この時期は未来に対してというか、自分が何をしたいのか分からなくなってしまったんです。
現状やっていることと、興味あることが乖離していると、今進んでる道が、「これは間違ってる道なんじゃないか」って思いはじめました。
その悩んでる時期は何が正解なのか、本当にわかっていなかったです。
多分そこで相談するべきなんですよね。だけどその相談をしないで自分で大学を辞めるという決断をしました。
親には「大学辞めました。」と事後報告です。
親も驚いたようで、開いた口が塞がらないという言葉の通りで、もう何も言ってこなくて。
ちゃんとその時に素直に気持ちを伝えました。「本当は今韓国語やりたいんじゃなくて、英語を極めたいんだ」と。
そこから色々と説明をして、もう1回受験しますということと、申し訳ないんですがもう1年大学生の期間が伸びるので、その分の学費を出していただけないかと土下座をしました。
ーーその時のことを後悔していますか?
大学を辞めて入ったことに対しては後悔していません。もしやり直す機会があったとしても、また同じ選択をします。
理由はその後の4年間が、1番充実した時間だったからです。いろんなことに挑戦できました。
学園祭実行委員や、1か月短期でオーストラリアに1人で行ったり、スカイダイビングしたり、スキューバダイビングのライセンスを取ったり、1人で山登りに行ったり、勉強だけじゃなくてやりたいなって思ってたことを、実現することができました。それに対して自分は充実した、満足だったなと思います。
ーー納得しているんですね。ところで、やめなくても受験できるそうですが、なぜやめる選択をしたのですか。
気持ちの整理ですね。今まで生きてきた20歳までの人生の中で、自分がグダグダやったことって、身になっていないし成功しないって思ったんです。
自分は1個のことしか集中できない性格なので、思い切って韓国語をやめることにしました。
ーーなるほど、迷いましたか?
もちろん迷いました。
自分で考えた選択肢と、自分のやりたいことを職員の方としっかり話し合いました。
何が1番最善か考えた時に、願書受け付けてる期間だったので、もう今すぐやめて入学したらいいんじゃないかと。その日に大学をやめますって言いました。
退学することを迷ったのは1〜2時間でしたが、もしそこに人の意見が入ってきたら、あともう1日、ないしは1週間ぐらいかかっていたと思います。
相談するいいところでもあるんですが、相談すると色々な選択肢や可能性が増えてきます。
職員の人に話すことで自分の整理ができたので、相談は大事です。
ですが相談して動かされるのであれば、意味がないよなって思っちゃうんですよね。
決めたっていう感覚がなくなっちゃうと納得できないので、やっぱり自分で決めたことに責任を持っていきたいなと思ってます。
決断することが大切
ーー松田さんは自分の将来像を考えて、動いているんですか?
そうですね。でもぼんやりです。
自分がこうなりたくて、そこから逆算してこういう風になりたいんだとか、そんなのは思ってなかったです。本当にぼんやりと今ここじゃないんだよなって。
今まで考えてたレールが突然なくなって、どう動けばいいの?みたいな状態ですね。
今もレールがないまま走っているイメージです。
ーーレールがない状態で、どうやって動いているんですか?
今は進んでるのかもわかってないし、どっちが前かもわからないです。
10年後とか自分の将来に関して、今は全く考えてないんです。5年後も直近の1年後も考えてない。
とにかく今やってる仕事で高い壁があったら、とりあえずそれを超える。この繰り返しを続けていけば、成長や自分がやりたいこと見つけられるんじゃないかなって思っています。
ーーなるほど。進んでるかどうか分からないのは不安でしたか?
ずっと不安です。正直不安。今やってることも正しいのか分からないけど、後悔はしないです。
自分が考えて動いて結果、自分が決断してるから後悔はしない。でも、不安です。
ただ、元々自分の中でモットーとしてる言葉が「しない後悔よりした後悔」。
やって後悔した方が僕はメンタル面でもすっきりするし、やってきたことに対して、理解や納得ができる、腑に落ちるというのがあるんですよ。
ーー過去の自分にアドバイスはありますか?
もう失敗してもいいから、自分が決めたことに責任を持ってやり続けること。それだけあれば、賛同してくれる人もいるし、ブレない。
ブレなければ堂々としていられるし、迷いがなくなるんですよね。その後の自信にも繋がるし、決めたことに対してやり切ることを学べば、もう多分社会人生きていけるから。
とりあえず別に失敗してもいいから、自分が決断したことはやりきれ。
ーーブレないって大事ですよね。
そうですね。まあ言い換えると、流されないってことですね。
流されたら面白くないですよ。
なんも決まってなくても、やりたいこととかがなくても、 自分で決断することだけはした方がいい。
自分が大事だと思ってる決断に対しては、僕は流されたことはないです。特にお金と時間に関しては。
例えば、20万するんだけど旅行に行こうって言われたら、20万あるから行こうっていうのではなく、高すぎない?とか。
あとは急いだ方がいいからタクシー使おうみたいな感じで、自分の中で最善の策を考えて動いています。
もちろん楽しむときは時間を忘れて、お金も気にせず楽しみますよ。お酒の場では何度流されたかわからないですね。
過去を繰り返さない
ーー今までの行動するきっかけはなんでしたか?
思い返してみれば人ではないですね。
自分の過去を考える時が多く、自分の過去に触発されて動いています。
過去のことを考えた時に、「あの時自分はこう思っていたのに!もっと頑張らなきゃ!」とか、「あの時よりはちょっとでも成長したい!」という理由で行動します。
それが自分を動かす大きなきっかけです。
ーー過去を振り返ることが多く、それが行動につながっているんですね。振り返ってあの時こうだったらとか、あの人がこうしていればとか、そういうのは思わないんですか?
思わないです。矛盾してるようですが、あくまでそれはもう過去なので。
歴史と同じで繰り返すものだと思います。
過去に起きたことを学んで、だから自分は繰り返さないために、こうしようって考えられるんです。
過去に対して、 こうしておけばよかったという後悔もないです。
たしかに怒っている感情もあるけど、今怒ってるわけじゃないからと、軽い気持ちで考えています。
その時の決断は、自分の中で最良の決断だと思います。
ーーいま思い描く、将来こういう生き方をしていたいなどの理想像はありますか?
人物像としては、 困難がきてもそれに対して簡単に対処できるような人になりたいと思っています。
だから今後もっと難しく、すごく複雑で高い壁があるかもしれません。
そのときはどう登ればいいか、その方法や手段を探していくような人生を送れればいいかなと気楽に考えてますね。
「本気でいつ死んでもいい。」インタビューの終わりにそうおっしゃった松田さんの表情から、自分自身で決めて動いてきたからこその芯の強さを感じました。
今後もどのような壁を超えていくのか、これからの活躍を楽しみにしています。