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【木桶】桶樽伝統工芸士さんの言葉
曲げわっぱで有名な秋田県大館市は、秋田杉の桶樽職人のいるまちでもあります。
大館では、酒樽をはじめ、みそ桶や漬物桶やおひつの他、桶の製法で作るビアカップなどの工芸品も一つ一つ手作りで職人さんたちが作っています。
大館市の桶樽製造元「日樽」さんから独立された伝統工芸士「佐藤秋男」さんにお会いしてきました。
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「手足両方を使うから職人はボケないんです」と話す佐藤さん。
気さくで優しい佐藤さんは、次々私の知らないことをお話してくださいました。心から桶樽を愛していることが溢れてくる言葉から伝わります。
・大工さんが使うカンナ、桶樽職人は、カンナを動かすのではなく素材のほうを動かして使う(カンナ=正直台)
・桶のサイズごとに手作りの専用定規を作っている(道具も手作り)
・桶樽職人を目指す若い人もいるが、道具がないことには仕事にならない
(全国的に、桶樽を作るための道具不足(道具職人の不足)がある)
・大館には、桶樽屋・鍛冶屋・竹屋・木取り桶屋(桶専用の材料を専門に製材する人)などがいた
・良い道具は、鋼の部分が減って細くなっても使い続けられる
・タガの竹は、かつて佐渡産のものがとても良かった
主にお酒や醤油の輸送、そして生活道具として桶樽屋の商売が活発だったころ、その道具を作る鍛冶屋さんや竹屋さん、木取職人もまた大館に数多くいたと言うのですから、想像しただけでかつてのまちの活気に興奮を覚えます。(すごく生き生きした時代だったんだろうな~)
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効率的に作業が進むよう、自ら道具も作ります。
そんな伝統工芸士をお招きして、秋田杉の木桶を知るみそ造り講座を開催しました。
木桶の製法や特徴、その魅力を講話頂き、その後、秋田杉の木桶にお味噌を仕込みます。
木桶職人のいるまちに住む私たちは、その恩恵を受けることのできる豊かさを持っています。とっても幸せなことです。知るとワクワクします。
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衛生法によって食の安全が最も重視される社会になり、今や木桶で作る昔ながらのみそ造りは、家庭でのみ可能なものにもなりつつあります。
作り続けるごとに多孔質な秋田杉の桶に住み着く発酵菌や酵母。
桶を使い続けることは、桶を育てること。
その桶はみそ造りに欠かせない原料となり、他に生み出せない旨味と香りが特徴となっていきます。
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店頭販売されにくい木桶を実際に見て触れて頂きました。
木の道具は、目で見ても触れても温かいものですね。
機械化で大量生産とは真逆なものに惹かれるのは、年齢のせいでしょうか。(笑)
かつての人々は、木育てる人、家を建てる人、木を植える人という具合に暮らしを循環させていたように、10年先も子どもたちが美味しいお味噌を食べられるよう「桶を育てる人」になっておきたいと思ってしまうのです。
秋田県大館市の桶樽屋さんはこちらです👇