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きっかけを大切にしたい元あまのじゃく
「よかったら、奥田民生のライブに一緒に行かない?」
もうかれこれ20年以上前になるけど、親友のこの言葉がなかったら、今の私はいなかったと言っても過言ではない。
それまでの私はかなりあまのじゃくだった。
とあるジャンルの音楽ばかり聴いていて、
巷で流行ってる曲はあまり聴かなかったし、
音楽に限らず、人が勧めるものを見ようとも聴こうともしなかった。今思うとかなり面倒くさい奴だったと思う。
それが一変したのが上記の親友の一言である。
元々親友は友達と行く予定だったのだが、その友達が急遽行けなくなってしまい、思い切って私に声をかけてくれたのである。
親友も当時はかなりダメ元で私に声をかけたのだと思う。
でも、あまのじゃくだった私がなぜその時「行ってみようかな。」と思ったのは、元々大ファンだった親友がアルバムをダビングしたカセットテープを私にくれたのだ。当時の私には珍しいことなのだがそれをちゃんと聴いた。
元々のイメージがテレビの音楽番組に出演しているときのゆるっとした感じを持っていたのだが、親友がくれたカセットを聴いたら音楽の迫力と"奥田民生ワールド"に興味を持った。
そんな私にそんなお誘いがきたら断る理由はどこにもない。
いざ当日、鳥肌が立った。琴線に触れてライブ中ウルウルしてしまったのだ。音楽で泣けるって最高じゃん!って思った。
普段まわりからは物静かだと思われていた私だが、ライブが終わった後親友に「すっごくいいっ!!!」と今まで見たことない顔で言った。湧き上がる感情のコントロールができなくなり、手がつけられないくらいかなりテンション上がってしまった。今思うとかなり変だったと思う…。親友もさぞかしビックリしただろう。
まさかここまで私がハマるとは思ってなかっただろうが、喜んでくれた。それから今でも一緒にライブに行く仲だ。
「友達の友達がライブに行けなくなって誘われた。」ただそれだけのきっかけで、ここに一人どハマりしてしまった人間がいる。
そこからだ。人が勧めるものを素直に聴いてみよう、見てみようと思ったのは。
そう思うようになって、私はかなり変わったと思う。
勧められる音楽は最初から排除せずに聴くようにしたら、自分のツボに入る音楽に出会えるようになった。
音楽だけではない。私は活字を読むのが苦手だと思っていたのだが、大病を患い、抗がん剤の副作用で苦しんでいた時、知人が「寝たきり辛いでしょ?これ読みやすいから。」と短編の小説を貸してくれたのだ。
最初は「借りちゃったから、読まなきゃなぁ…」という観念から、ちょっと憂うつになりながら読み始めた。1冊読み終わるまで随分かかった。でも1冊読み終わる頃には活字を読むことに苦痛を感じなくなっており、しかもその短編小説が面白く、続編が気になり図書館で借りるようになった。そして、面白い小説を探しては読むようになり、今では鞄の中には必ず文庫本が入っている。
きっかけって大切だと思ってる今、Twtterからも吸収することが多く、それは音楽や本はもちろんのこと、色んなものから自分に影響を与えてくれている。新たな発見もあったり、いくつになっても学ぶことは多い。
昔は「話しかけないでオーラ」が出ていると言われたことが何度かある。無意識のうちに自分をガチガチに固めて壁を作っていたのかもしれない。
でも、あまのじゃくの皮を剥いだら新しい自分に出会えたし、ラクになったし、昔よりは明るくなれたかな…?という気がしている。
これからもどんなきっかけでどんなものにハマるのか、自分でも楽しみである。