モデルさん

母であること。綺麗であること。

私は人から見ると良くできた人間に見えるらしい。まだ若いのに、仕事をして育児をして家事をして。

「尊敬します」という言葉に居心地が悪くなるくらい、自分が綺麗な人間にうつっていることが怖くなる時がある。

私の元には「感謝のメッセージ」も多くくる。

「子育てに追われていてメイクやスキンケアから遠ざかっていたけど、みーしゃさんのインスタに出会って、またメイクをする事やコスメを探すのが楽しくなりました。ありがとうございます。」

こんな私が人様に影響を与えることが出来るのかと最初は驚いたが、それは実に嬉しいことでもあった。

だけどそれと同時に悪影響を与えてはいないだろうかと不安になる事もある。それは、私を比較対象にして自分を追い込んでしまったり、悩みが増えている人がいるのではないだろうかという事

母であること。女性であること。そのどちらも忘れないのは意外と難しい。


【心地よい居場所を求める】

私が美容に目覚めたきっかけというのは本当に些細なことで、それこそ私のInstagramに出会って変わったフォロワーの方と同じだと思う。

大学生になってメイクを始めた私はそんなに化粧品に興味がなかったし、綺麗になりたいという欲もそんなになかった。妊娠・出産を経て女度は底辺にあったし、誰かに好かれたいとか、よく魅せたいとかそんな欲もなかった。その時の私には今の私が一番苦手なタイプに違いない。

今の私はこの仕事をしていること

頑張ることが心地いい。


書きたいことは沢山あるし、使ってみたい化粧品は沢山ある。もっといろんな人と繋がりを持ちたいと思うし、綺麗でありたいとも思う。

だけどそれは誰かの為ではない。
自分がそうしたいから。
自分がやりたくて仕方がないから。


その方向性が「美容」であっただけで、もしかしたら「農業」とか「飲食業」とか違う方向に興味関心が向いていればそこに身を置いている。

「メイクをする意味が良く分かりません」
「何のために綺麗になるんですか?」

わりとそんな質問も多い。

私は紛れもなく「自分の為」。
自分が綺麗であることを求めるし、そうしている時間がたまらなく好きだから。旦那の為でもないし、子供の為でもない。

私のInstagramに出会って「良い影響を受ける人」がいる裏で、「どうしよう」と悩む人がいる。「子供がいても綺麗にしているなんて・・・私は全然だめだ」とそう感じるそうだ。

しかし、私はそれは全く違うと思う。私は私の為に綺麗でいるのであって、子供がいるかどうかの因果関係はほとんどない。たしかに子供がいると自分の時間はない。特に0~3歳の手がかかるうちは自分の時間はないだろう。

でも子供がいて美容を心から楽しむ人は、美容に使う時間やお金というものは、自分がやりたくて・自分が求めて捻出しているように感じる。「綺麗でいなきゃ」とか「メイクをしなきゃ」という感情ではなくて、「したい」「ほしい」「やりたい」その感情が全てだと思う。

特にInstagramなんかのメイクやスキンケアをメインにしているアカウントを見ていて心が疲れる人も多いと思う。疲弊する感覚は数年前の私なら良くわかる。だけどみんな誰かと競っているわけではないし、楽しんでいる。

そこに集まる人たちの共通の話題が「メイク」や「スキンケア」だっただけで、好きなものを共有してコミュニティを作り上げる他の「オタク」と呼ばれる人達と何ら変わりはない。その空間が、そこに集まる人たちが心地いいからそこに集う。

もし「やらなきゃ」という感情に取りつかれているなら、私はメイクもスキンケアも頑張らなくていいと思う。

「綺麗になりたい」「可愛くなりたい」「やってみたい」「使ってみたい」そんなプラスの感情が芽生えたならば、そこから何かを生み出すことや挑戦することは非常に素敵なことだと思う。

私が美容に目覚めたキッカケもたった1つのアイシャドウだった。たった¥2,000。ただの化粧品。だけどその出会いは私の人生を大きく変えたし、その時の感動は今でもわすれることができない。

私に出会って変わってくれた人がいる事・感謝を伝えてくれる人がいる事。どれも私にはかけがえのない出来事だ。しかし、自分もそうならなきゃいけないと「負の感情」を抱かせてしまう原因になるのは非常に心苦しい。

出来ない事はやらなくていいし、頑張らなくていい。「私もそうなりたい」というプラスの感情は大事にしてほしいけれど「こうしなきゃいけない」という考えは一旦置いてほしい。

私がこの仕事をしている中での信念は変わっていない。


私は「美容」という手段によって自分が知らない世界を沢山知ったし、人生が大きく変わった。そして自分がそうであったように誰かを美容という手段で救える人間になりたいと思っている

誰かが勇気づけられたら・・・

誰かが一歩を踏み出せたら・・・


自分の存在が、誰かの人生の出会いに意味をもたらすような生き方をしていきたいと思うのだ。「出会えてよかった」と1回でも思ってくれたら何よりも幸せ。自分が美容という手段で誰かに影響を与えることは、美容の世界で生きる人間として最低限の恩返しだと思う。

だけど、それと同時に良い影響だけでなく、誰かを追い込む原因の一つになる事は非常に悲しい。もし今苦痛に感じるならその手を止めてほしいしInstagramなんか削除してほしいとすら思う。

私自身が「女性は綺麗でいなければいけない」という事に苦しんできたからこそ、そう思ってしまう人たちの気持ちが痛いほどわかるし、助けたいと思う。

「綺麗になりたい」そう思う女性のお手伝いと同時に、頑張らなくていいんだよと伝えることが出来たらと思うが、それもまた難しい。

「ママなのに綺麗にしていて凄いです」

この言葉の裏に隠された苦しさや悩みが見えてしまうからこそ、この言葉には素直に喜べない。もちろん「私も頑張ります」の意味で送ってくださる方もいるが、無理しなくていいんだよというのが私のイチバンの願い。

女性はいつからでも綺麗になれるし、年齢は関係ない

綺麗になりたいと思った時に踏み出せばいいし、誰かのために無理して頑張らなくていい。ましてや周りと比べる事なんて絶対いらない。


こんな私だってほぼすっぴんの日もあれば、眉毛だけ書いてマスクをして外に出ることもある。周りからどう見られるかよりも、自分が心地いい瞬間や方法を選んでいるから。

私のInstagramはキラキラして見えるらしい。でも中の人間は全然キラキラしていないし、ただの美容オタクだから、そんなところから負の感情を生み出さなくてもいいと思う(笑)

頑張ることは素敵なことだけど、そのベクトルがおかしな方を向いているなら今すぐやめてほしい。自分が自分らしくいられる人生はとっても楽だから。


とても便利な世の中になったけど、見なくていい物まで見えてしまう世界はすこし息苦しい。頑張らないで。そんな私の願いが伝わればと思う今日この頃。

もちろん綺麗になりたい人は一緒に楽しみながら引き続き頑張りましょう♡


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イメージコンサルティングサロン【&iro】
美容ライター兼美容ブロガーとして美容の世界で生きる人です。インスタグラマー・インフルエンサー・美容家と呼ばれる事もあり。たった1冊の本との出会いでみるみるうちに肌が蘇ったそのノウハウをお伝えしています。スキンケアが得意分野。