コロナがくれたもの
2020年初頭、コロナは対岸の火事だった。
中国っていつも新型の菌を生み出してくれるわね。
その程度の印象だった。3月になり、子供達の学校が休校になり、いよいよ怪しい雰囲気だった。マスクや消毒液が店頭から消えて、街からのほほんとしたムードは消えた。みんな、異常なほど神経質だった。何に気を付ければいいかすら、よく分かっていないのにとにかくピリピリ。1日に何度も「手洗った?」と家族に聞き、1日に何度もドアノブや電気のスイッチを拭いた。微熱が出ては「まさか」と体温計の電池がなくなる