被災地支援②被災者との関わりの基本
被災地支援について考えるテーマの今回2回目です。
1回目では、被災地支援の基本的なガイドラインや基準についてをまとめました。
↓前回の記事はこちらから読めます
さて今回は、実際に被災者と関わる時にどんなことを注意したら良いかについてまとめています。
被災者との関わりの基本、サイコロジカル・ファーストエイド PFA
これは、心理的応急処置とも言われており、
「深刻な危機的出来事に見舞われた人に対して行う人道的、支持的、かつ実際的な支援」と定義されています。(WHO)
専門的な心理介入とは異なり、支援者誰もが被災者に害を与えることなく回復力を促す関わりとして実行できるものです。
かつては広く行われていた、トラウマ体験やそれにまつわる感情表現を災害直後に促す行為(デブリーディング)は、現在では明確に否定されています。
前回にもまとめた、IASCガイドラインやスフィアにおいても、このPFAが推奨されています。
また、アメリカ国立子どもトラウマティックストレスネットワークによるPFAもあり、どちらにおいても重視されているのが被災者の回復力。
そのための必要要素として
安心
落ち着かせること
自分で自分を助ける力や自信を感じられる自己効力感
人とのつながり
希望
が挙げられています。
このPFAの具体的な活動としては
支援を行う準備を入念にすること
被災の状況や相手の状況をよく見ること
相手が語りたいこと、ニーズに耳を傾けること
必要な現地資源につないでいくこと
さらには、
支援者自身のセルフケアを行うこと
というのも重要視されています。
支援者自身のセルフケア(代償性トラウマの予防)
被災者のケアはもちろんですが、被災者のケアをする人たちのケアもとても大事です。
特に、被災者のニーズに応えたいという思いから、代理受傷といった形で支援者自身が燃え尽きてしまうことがあるからです。(ここ結構大事なところだと私は思っています)
少ない人数で仕事量も増え、休むことができなかったりといった現状があります。
そうならないためにも、3側面からの予防として
組織的にストレスを管理する方法
同僚同士で管理する方法
個人で管理する方法
が提唱されています。(IASC、PFA)
例えば、活動の前後に支援について支仲間同士で自由に語ったり、休暇の回数や頻度をチェックし合うことなどが実践されたそう。
阪神淡路大震災の支援活動で、最も重要だったのは支援者のケアだったとの記述もあるくらい、意外かもしれないけど大事、ということが想像されます。
支援をする者自身が、ダメージを受けてしまっては元も子もありませんよね。
「私は大丈夫」と自分を二の次にしないことも支援につながる、ということを考えられるのと同時に、「自分を大切にする」ことの意味も理解できる考え方ではないでしょうか。
3回目の最終回は、被災地の子どもたちへの関わりについてまとめます。
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