強制的な栄養投与を点滴で
前回は、栄養投与のさわりと、手や腕で行う末梢点滴についてお話ししました。
末梢点滴では供給できるカロリーに限りがあり、もっと多くの栄養を体に送り込みたい場合、別の道があります。今回は、そのもう一つの道――中心静脈栄養について説明します。
中心静脈とは、手や足といった体の末梢にある末梢静脈に対し、体の中心、心臓に近づいていく大きな血管のことです。体中を巡り栄養や酸素を届け終えた血液が、末梢血管に集まり、あたかも細い流れが合流して川となり、やがて本流となるように、血管はだんだん太くなり、体の奥に潜り込み、中心静脈となります。
その中心静脈に、ポリウレタンやシリコンで作られた細いカテーテルを通すのです。
局所麻酔を施し、超音波で血管を確認したり、しなかったりしながら、太めの針を血管に刺します。そして、その針にガイドワイヤーという細い金属線を通し、針を抜いた後、ワイヤーに沿ってカテーテルを血管の中に導いていきます。
この道を通じて供給されるカロリーは、末梢点滴に比べて大幅に増加します。末梢点滴では10%のブドウ糖が限界ですが、中心静脈では最大70%程度のブドウ糖を投与することが可能です。イメージとしては、コカコーラが約11%のブドウ糖濃度(45Kcal/100ml)なので、それよりもはるかに甘い液体が流れ込んでいるわけです。
実際には、ブドウ糖20〜50%の溶液500〜1000mlにアミノ酸を加え、合計1000〜1500Kcalの栄養が投与されることが多いでしょう。
これだけで数ヶ月にわたり生命を維持することができますが、その効果の裏には、副作用や望まない影響も存在します。
次回は、その話に触れていきます。
中心静脈カテーテルを入れる場所と、実際の方法が開設されています。
中心静脈カテーテルの挿入方法と看護のポイント | ナース専科 (nurse-senka.jp)