肺が壊れる話②というか、胸郭が壊れる話①
前回、体に酸素を取り込めなくなる時のうち、②末端の肺胞から血液中に酸素が取り込めなくなる場合を説明しました。
今回、①肺の中に空気が入って行かない時を考えます。
肺は、胸郭という壺に入った風船みたいな感じなので、自分自身では空気を吸い込めず、胸郭が大きくなったり、小さくなったりする事で、空気の出し入れをします。
なので、胸郭がちゃんと機能しないと、空気の出し入れができません。
胸郭が機能しなくなる状態の、まず一つ目は、胸郭自体が壊れた時。要は肋骨が折れた時です。
肋骨が一本折れた程度では胸郭の動きにはなんの問題もありません。
隣接する三本以上の肋骨が折れた時などは、上手く胸郭が動かず、呼吸がし難くなる時があります。
これを胸郭動揺性、フレイル・チェストと言います。
胸郭が機能しなくなる状態の二つ目は、胸郭と肺の間に空気や液体が入ってしまった時。
胸郭と肺は出口だけがしっかりくっついていて、それ以外では接着していません。だけど、胸郭と肺の間に空気が入って無いので、胸郭が大きくなると肺も大きくなります。
これが壊れた時は、胸郭が大きくなっても、肺は大きくならないので、肺に空気は入りません。肺に穴が開いて、胸郭と肺の間に空気が入ってしまった状態を、気胸といいます。
実際のところ、ある程度肺は動くので、全く息ができないわけではありませんが、両側同時に重症の気胸になったり、緊張性気胸という特殊な場合では、本当に息ができなくなります。
胸郭の機能が壊れる最後の場合は、胸郭を動かす筋肉が動かなくなった時です。
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