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腸管を使った強制栄養の良い事・悪い事
今回は、そんな腸管を使った強制栄養方法の、良いところと、悪いところを説明してみたいと思います。
良いところに関しては、やっぱり自然。
大雑把ですが、人間、基本的には色々なことをしない方が、生きて、辛くないように死ねるように造られていると思っています。医療行為は最小限に留めた方が良いと思います。
なので、経管栄養は、栄養チューブを使って消化管に栄養剤を流すので、栄養チューブの部分に目をつむれば、医療行為が何も無い時と同じように、腸を使って栄養を吸収できるのです。
腸を使うことで、いい事が有ります。
先ずは、全体的に長生きするようです。
その一因はカロリー投与量で、やっぱり腸を使った経管栄養の方がカロリーはしっかり入れられます。
そして、同じカロリーを入れても、腸を使うと消化管粘膜の萎縮が有りません。
腸管の中は、外の世界と接しているわけで、いくら胃液で殺菌したとしても、細菌・ウイルスはいます。
腸管粘膜は、それらが体の中に入って来ないように、免疫細胞が集まっていたり、免疫物質を作っています。
でも、消化管粘液が萎縮してくると、消化管内にいる細菌なんかが体内に入って、菌血症・敗血症と言う重大な感染症を発症します。集中治療室とかで、中心静脈栄養を受けていて、感染源がよくわらない感染なんかでしばしば経験します。
一方、良くない事もあって、
腸管を使うと言うことは、胃と腸から見ると、口を使って食べるてるのと同じなので、反射で唾液なんかの分泌物が増えます。すると、自分の唾液とかを誤嚥して誤嚥性肺炎が発症しやすくなったりします。
鼻から栄養チューブを入れる、経鼻経管栄養では、チューブの刺激で更に分泌物が出やすくなります。
また、栄養チューブも2週〜1ヶ月くらいで、定期的に入れ替えなければなりません。その、入れ替え自体も、本人にとっては楽しい事ではないし、入れ替えた時に間違えて肺に入ってしまい、そのまま栄養剤を入れて肺炎になってしまう、みたいな事故も時々報告されています。
なので、長いこと経鼻経管栄養を続けるなら、可能であれば胃瘻が良いかと思います。
ただ、胃と結腸の位置関係で胃瘻が作りにくい人がいたり、イメージ的に、経鼻経管栄養や中心静脈栄養は良いけど、胃瘻は嫌だと言う人や家族もいます。
そんな訳で、次は、強制栄養のまとめと、使い分けの話をします。
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