ドラフト2024 上位指名予想(ざっくり)

それでは、これまでに書いてきました5つのnoteを踏まえ、9月上旬の時点での上位36人予想をしてみようと思います。具体名を挙げるのは3番目の章からとなりますので、時間のない方は目次からスキップしてくださればと思います。


【上位指名される選手の共通点】

2016年から2023年までの上位指名選手を見てみた時、やはりそこには共通点が見えてきます。これまでのnoteにも少し書かせていただいてますが、

代表(候補)選出全国大会出場を果たしている
●左腕と捕手、二遊間以外は身長180㎝以上が基本
50mは6.1以内だと高評価
●野手はセンターラインサードが多め
身長は184㎝以上だと地方ロマン選手も高評価対象
●投手は右腕だとMAX150km/h以上の先発投手
左腕だとMAX146(できれば148)km/h以上の先発投手

というような共通点があります。この選手、上位指名されそうなのかどうか悩むような選手がいた場合、これらの条件に該当しているかどうかを見てみるようにしています。

【今年の上位指名の概要予測】

大学生投手の回でも少し触れたような記憶がありますが、ドラフト上位指名の様相を大きく左右するのは、日本代表(候補)に選ばれた、スペックの高い大学生投手のドラフト候補がどれだけいるかです。彼らは高確率で一軍戦力になることが予測されるため、良さげな野手が少なからずいる年であれ、ドラフト上位指名を席巻します(昨年もそうでしたよね)。

逆に、ドラフト解禁年の大学代表(候補)投手のドラフト候補が少なめな年は、ヘタに即戦力候補投手を上位指名して使い物にならなかったというリスクを背負うよりは、天井の高そうな野手や投手を確保しようという方向に上位指名の舵が切られるほうが、最近は多くなっているように思います(2022年を振り返っていただけると分かると思います)。

具体的な数字が必要と思いますので、2016年から昨年までの間、大学代表に選ばれた年に志望届を出した大学生投手の人数と、上位指名された大学生投手の人数とを比べてみます。なお、2020-2021年は代表チームが招集されなかったため、前年秋or当年春の大学代表候補に選ばれた人数を記します。

    代表 上位
2016年 10人 14人
2017年  2人   9人
2018年  4人   9人
2019年  2人   9人
2020年 10人 13人
2021年  11人 10人
2022年  6人      8人
2023年 11人 14人

代表が招集された年、2桁人数の投手が志望届を出したのは2016年と2023年だけであり、どちらも14人もの大学生投手が上位指名されています。

さて今年は、と言いますと、志望届の有無はこれからとして、大学代表に選ばれた4年生の投手は5人(金丸夢斗は春にA代表選出)にとどまっており、例年の傾向に従うなら、今年の大学生投手の上位指名は8~9人にとどまるのではないかと考えられます。

大学生投手の上位指名が少なかった年のうち、直近の2022年を見てみますと、2017-2019年と比べ、社会人の上位指名が少し減り、大学生野手が増加し、高校生野手もやや増えています。2022年は上位指名における投手:野手がほぼ1:1になっており、(昨年の反動もあいまって)今年もそれに近い比率になるのではないかと感じます。

なお、ほぼ指名人数が変わらないものとしましては、
高校生投手(2017年-2023年 4~7人)
社会人選手(2020年‐2023年 4~6名)
が挙げられます。

変動の多いのは高校生野手・大学生野手ですが、2017-2019、2022年は、高校生野手が7~9人。そして、近年は大社野手が常に8人以上は上位指名されている点や、社会人野手で上位指名される選手は2人前後(※大卒社会人野手となると1人いるかどうか)という点を踏まえますと、大学生野手は9人前後かなと予測されます。

社会人選手についてもう少し言及しますと、社会人投手、特に社会人右腕の上位指名はかなり減りつつあり、1人だけと考えても良いレベル。社会人左腕は人材次第で、3名ほど指名される年もあります。
昨年はそれが顕著でしたが、社会人右腕よりも独立リーグ右腕を優先する傾向も感じます。今年も1人ほどは上位指名されてもおかしくありません。

まとめますと、

高校生投手 5~7名
高校生野手 8人前後
大学生投手 8~9人
大学生野手 9人前後
社会人右腕 1人
社会人左腕 多くて3人
社会人野手 高卒社会人野手次第で1-3人
独立L投手 1人いるかどうか

のような構成になるのではないか、と予測されます。

【各カテゴリ別に具体名を挙げる】

それではカテゴリ別に、上位指名されそうな選手の具体名を挙げていこうと思います。

《高校生投手》

高校生投手に関しましては、

・身長180㎝以上 MAX150km/h以上の右腕
・身長186㎝以上 MAX148km/h以上の右腕 甲子園出場
・身長170㎝以上 MAX150km/h以上の左腕
・身長180㎝以上 MAX147km/h以上の左腕 甲子園出場

のような投手が上位指名される可能性が高いです。ただ、MAX150km/h未満の場合、平均球速で測られるケースは多いと感じます。いくらMAX147km/hでも、甲子園ではMAX141km/hとかですと、上位指名は正直難しいです。あと、書く必要もないと思って書いていませんが、あまりにも四球が多い投手はさすがに上位指名されるのは難しいです(平均球速がゴリゴリに速ければ別でしょうけど)。
なお、高校代表に選ばれているかどうかは、高校生投手の場合、そこまで影響しません。

以上のことを踏まえますと、

今朝丸裕喜 身長188㎝ MAX151km/h 代表 甲
村上泰斗  身長180㎝ MAX153km/h
山口廉王  身長193㎝ MAX151km/h
清水大暉  身長192㎝ MAX149km/h
柴田獅子  身長189㎝ MAX149km/h

藤田琉生  身長198㎝ MAX150km/h 代表 甲
高橋幸佑  身長178㎝ MAX148km/h 代表候補

この7名かなと思います。今年は高身長の右腕が多いので、ポテンシャルに加え、しっかり投球ができることも問われてくるのではないでしょうか。
左腕はここ数年の左腕レベルから考えますと少し普通かなと感じるものの、藤田琉生という1巡目候補も出てきましたし、高橋幸佑はスピードのみならず、コマンドが素晴らしく、上位指名に食い込むだけのものは持っていると感じます。

なお、今朝丸・村上・山口・清水・藤田は上位候補との報道が出ているというのも、上位指名の本命と考えて良いと思います。

次点で、川勝空人(生光学園)や小船翼(知徳)が入ってくるかもしれませんが、少しパフォーマンスやコンディション調整がうまくいかなかった感もあり、確実に入りそうとまでは言い切れない気がします。

《高校生野手》

高校生野手に関しましては、

センターラインサード
・センターライン以外は身長180㎝(できれば184㎝)以上
・センターラインなら身長170㎝以上
50m6.1以内はプラス評価、50m6.5以内が望ましい
高校代表のセンターライン
・長打力のある選手

のうち、複数項目に当てはまる選手が上位指名されることが多いです。具体名を考えてみますと、

箱山遥人  捕 身長177㎝ 50m6.5 代表 甲
石塚裕惺  遊 身長181㎝ 50m6.2 代表 甲
颯佐心汰  遊 身長175㎝ 50m5.8 代表候補 甲
齋藤大翔  遊 身長181㎝ 50m6.0
宇野真仁朗 遊 身長177㎝ 50m6.1 代表 甲
M・ニキータ 外   身長181㎝ 50m6.2 甲
正林輝大  外 身長178㎝ 50m6.0 代表候補 甲

森井翔太郎 遊 身長183㎝ 50m6.1

現状、この辺りかなと予想します。もう少し高校生野手の上位指名が多くなってもいい年のようにも感じますが、これ以上、上位指名本命のような高校生野手がいないようにも思います。なお、箱山・石塚・宇野・森井は上位候補との報道やスカウトコメントが出ています。

難しいのは森井翔太郎の扱いで、彼は志望届を出したものの、アメリカの大学への進学を第一と考えているようなので、よほど明確な育成ビジョンと、早期のポスティング容認まで提示できないと、指名にこぎつけることはできないでしょう。ただ、今年であれば、最高で2巡目まで用意する球団が出てきても不思議ではありません。

次点で言えば、田中陽翔(健大高崎)を、三塁コンバート想定で上位指名という可能性は幾らか存在すると思います。

《大学生投手》

大学生投手に関しては、

MAX150km/h以上の右腕
MAX148km/h以上の左腕
大学代表(候補)選出歴や、全国大会出場歴がある
MAX150km/h以上のサイドスロー

というのが上位指名される要素になってきます。
具体名を挙げますと、

中村優斗  MAX159km/h 身長176㎝ 代表 
篠木健太郎 MAX157km/h 身長177㎝ 代表
寺西成騎  MAX153km/h 身長186㎝   代表 全国
藤井優矢  MAX150km/h 身長175㎝   代表 全国
坂口翔颯  MAX153km/h 身長180㎝   代表候補 全国

金丸夢斗 MAX154km/h 身長177㎝ 代表 全国
吉鶴翔瑛 MAX151km/h 身長175㎝ 代表候補
宮原駿介 MAX150km/h 身長174㎝ 代表候補
佐藤柳之介 MAX148km/h  身長179㎝ 代表候補 全国

この辺りかなと感じます。上位候補との報道やスカウトコメントが出ているのは、中村・篠木・金丸といったあたりしかなく、かなり少ないのが現状です。

次点で言えば、徳山一翔(環太平洋大)が秋に完全復活すれば上位指名に間に合いそうですが、離脱がかなり多い投手なだけに、上位指名するのは躊躇する球団も多そうで、仮に復活したとしても上位指名には届かないかもしれません。

《大学生野手》

大学生野手に関しては、

・打てる外野手、次いで二遊間、たまに捕手
大学代表(候補)選出歴や、全国大会出場歴がある

といった選手が上位指名される傾向にあります。何より、大学代表(候補)に選ばれることがかなり高い壁です。なお、外野手の上位指名が多いのが、大学生野手のひとつの特徴です。これを踏まえますと、

宗山塁  遊 身長175㎝ 50m6.2 代表 全国
浦田俊輔 遊 身長172㎝ 50m5.8 代表候補 全国
中津大和 遊 身長180㎝ 50m5.8 代表候補
佐々木泰 三 身長178㎝ 50m6.1 代表候補 全国
西川史礁 外 身長182㎝ 50m6.3 代表 全国
渡部聖弥 外 身長177㎝ 50m6.0 代表 全国
吉納翼  外 身長180㎝ 50m6.2 代表
麦谷祐介 外 身長180㎝ 50m5.8 全国

この辺りかなと予想します。中津はショートとしては名手級ではないとも思いますが、六大学でも打撃力を見せ、かつ俊足であることを踏まえると、外野手としても旨味があるという判断です。麦谷は代表候補に選ばれてはいませんが、全国大会で青学の剛球投手たちからホームランを放っている点や、いわゆるフィジカルモンスター枠であるという点を加味して上位予想しています。

次点で言えば、柳舘憲吾(国学院大)や印出太一(早稲田大)でしょうか。
柳舘は大学代表にも選ばれた選手なので、もっと上位予想の本命でもいいのではと思いますが、現時点、そこまで名前がクローズアップされているわけではないので、次点としています。
印出も大学代表に選ばれた選手で、打力こそかなり脅威ながら、捕手としては盗塁阻止率が低く、指名するなら即コンバート枠になるかもしれません。

《社会人+独立リーグ投手》

社会人や独立リーグの投手の上位指名に関しては、他のカテゴリとは異なるような気がします。特に右腕に関しては、条件を満たせば上位、というわけではなく、パフォーマンスの質が厳しく見られているように思います。雑感として感じているのは、

(社会人)
・右腕はMAX150km/h以上、全国大会で防御率4.50以下、できれば身長180㎝以上
・左腕はMAX148km/h以上、全国大会で防御率4.50以下
(独立)
23歳シーズン以下で、MAX155km/h以上&身長180㎝以上の右腕

という印象ですが、社会人投手は平均球速もしっかりチェックされているように感じます。右腕は平均145km/h以上左腕は平均143km/h以上がひとつの基準になっていると思います(現在のNPBも、この球速帯から上の投手は活躍していることが多い)。あと、右腕はリリーフでも活躍できそうかどうか、がひとつのポイントになっていると思います。これを踏まえますと、

竹田祐  MAX153km/h 身長184㎝ 全国

伊原陵人 MAX149km/h 身長170㎝ 全国 
吉田聖弥 MAX152km/h 身長176㎝ 全国
阿部雄大 MAX150km/h 身長183㎝ 全国

あたりかなと予想します。次点としては、150km/h台の速球を連発する木下里都(KMGH)、六大学でも活躍した増居翔太(トヨタ)の両名も上位候補になってきそうです。

木下は今年の都市対抗では序盤に失点を重ねてしまいましたが、昨年の日本選手権では好投していますし、地方予選では圧巻の投球内容ですし、スピード能力は中村優斗に近いものを感じますし、3巡目あたりでの指名は可能性あります。

増居は少し平均球速が遅め(平均142km/hぐらい)ですが、トヨタの厚い投手陣の中でも先発を多く任され、何度もQSを達成してきた功績と、トヨタのエース格なら指名されるなら上位だろうという見立てをしています。ただ、2年前よりパフォーマンスが向上しているかどうか?をスカウトは最も見ているでしょうね。

今年に関しては、社会人左腕が割と上位指名あると思っていますし、右腕もポテンシャル重視なら木下里都がいますし、独立リーグ所属選手の上位指名はないのでは、と思いますが、あり得るとすれば、廣澤優(愛媛マンダリンパイレーツ)や、羽野紀希(愛媛マンダリンパイレーツ)あたりかなと思います。

《社会人+独立リーグ野手》

近年は高卒社会人野手の上位指名が目立つジャンルです。大卒社会人野手に関しては上位指名されることが殆どないのが現状なので、どういう選手が上位指名されるか予想するのは非常に難しいです。強いて挙げるとすれば

・大卒社会人の場合、ショートセンター
・東都の大学のOB
の指名が多い(六大学OBは少なめ)
50m6.0以内の選手が大半

この辺の条件を満たす選手が、たまに上位指名されています。上位縛りかな?というような指名も見られます。今年、上位指名されそうな選手を考えてみましたが、

知念大成  外 身長181㎝ 50m5.8

彼ぐらいしかいないのでは?と思いました。今年はフィジカルに優れた高卒社会人野手の候補がさほどいませんし、大学生の外野手の上位候補が割といることもあり、社会人外野手の市場人気もそこまで高くならないのでは、と思います。それなら二軍で好結果を残している知念のほうを優先するのではないか、と。

次点で言えば、近年ずっと、上位指名はおろか、指名そのものから遠ざかっていますが、石伊雄太(日生)や野口泰司(NTT東日本)という大卒社会人捕手の両名が上位指名される可能性はあると思います。石伊は先日の報道で上位指名の可能性に触れられており、にわかに現実味を帯びてきています。

【1巡目・上位指名を考える】

ここまで来たので、とりあえず1巡目も考えてみます。

(入札されそう)
金丸夢斗
宗山塁
西川史礁
中村優斗
渡部聖弥
今朝丸裕喜

(外れ1巡ありそう)
藤田琉生
箱山遥人
石塚裕惺
篠木健太郎
竹田祐
佐々木泰

という感じかな、と予想。今年は1巡目相当の先発投手がほとんどいないように思えますが、過去のドライチを見ますと、最低でも6人は先発投手が指名されており、竹田祐を6人目として入れてみました。

残りの24人は、

村上泰斗 山口廉王 清水大暉  柴田獅子
高橋幸佑
颯佐心汰
 齋藤大翔   宇野真仁朗     森井翔太郎
ニキータ

寺西成騎
 坂口翔颯
吉鶴翔瑛
 宮原駿介 佐藤柳之介
印出太一
浦田俊輔
 中津大和
吉納翼  麦谷祐介

伊原陵人
 吉田聖弥 阿部雄大
知念大成

とりあえず、こういう感じかなと思います。森井翔太郎が指名されないなら、田中陽翔が入ってくると思います。
サプライズで入ってくるのであれば、身長183㎝以上のデカいスラッガーかなと思いますが、そこは志望届が出揃わないと判断しきれない面があります。捕手の上位指名が昨年は1人のみで、今年も箱山だけというのは少ないと思い、印出を追加してみました(即コンバートの可能性ありそうですが)。

なお、配分としましては、

高校生14人 大学生17人 社会人他5人
右投手10人 左投手9人   捕手2人 二遊間8人 一三塁1人 外野6人

となります。まだもう少し詰めたい面もありますが、とりあえずこれを最初の予想とします。

おつかれさまでした!

やや駆け足かつ、ざっくりとした予想になりましたが、9月中旬ということでご容赦を。これから2週間ほどかけて、各球団の状況を見渡し、各球団の上位予想という形で上位指名予想をしてみようと思います。シーズンもそろそろ終わり、最終順位が確定すると、ウェーバー順も確定するため、予想も本格的にできるようになります。それではまた次のnoteでお会いいたしましょう。またね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?