ドラフト2021を各球団ごとに振り返る!(セ・リーグ編)
タイトルは迷ス〇ウトにありそうな雰囲気のを考えてみました。余計なことは言わずにさっそく本論に向かいます! 球団名のすぐ下はひとこと雑感。次はドラフト前の展望考察。その下にドラフト後の詳細な感想です。なお、指名結果は以下のリンクにてご覧ください。
🐹横浜DeNAベイスターズ🐹
➡上位は少し驚きもあったが、全体としてはとても意義の感じられる指名。あとは各選手がどこまで数字を伸ばせるか、数字を残せるか。
単独入札狙いか。ほぼ大学生投手に入札しているので黒原拓未か山下輝
2巡目はほぼ確実に古賀悠斗(中大)。DeNAは2巡以内に1人は、混沌とした一軍争いが起きているポジションの野手を指名して打開を図るドラフトをしている
3巡に関しては、守れる大社二遊間にいくケースもあれば、高校生の上位指名もありえる(その場合、指名ポイントとなりそうなのは長身右腕)。もしリリーフ補強の可能性も多少はある。外野を指名するなら下位
と予測しましたが、実際は3巡辺りに持ち越すと思われた長身高校生右腕(小園健太)を競合覚悟で指名。ベタながら逆に各紙もドラフトオタクも当てられない入札でした。個人的には大卒捕手を上位指名しなかったのも驚き。育成で高卒捕手(東出直也)は指名していますので、恐らく益子や東妻の成長に期待しつつも、彼らに刺激を与えるための東出だと思います。桑原のFAが近づくCFの候補として梶原昂希を指名しているのもGOOD。まさか6巡まで残っているとは思いませんでした。粟飯原龍之介はおそらく予想外に残っていたものを指名したのでしょうけど、森に刺激を与えられるアスリートタイプのSSなので、この争いにも期待が出来ます。
2巡目に徳山壮磨を指名した理由はよくわかりませんが、彼を含め、4人も右腕を指名しているあたり、指名者どうしでも競争させ、かつ既存戦力とも競争させる目的と思います(今季24歳世代の右腕はこれで4名となりました)。昨年は3人の左腕を指名しましたが、今年は右腕を4人という戦略も面白いですね。人数の少なかった外野には、野手転向した勝又、前述の梶原、さらに育成で2人も指名し、しかも全員が左打者なので、場合によっては支配下契約も賭けた熱い争いに期待です。
🐨中日ドラゴンズ🐨
➡今季22歳世代の右打外野手を1人から4人に増やすなど、思い切った野手ドラフト。指名のなかった先発投手に関して、補強をどうするのかが今後のオフの課題か。
正木智也に入札する可能性もありますが、2巡でも大丈夫そうと判断した場合、山田龍聖に入札するのではないか、と思います。
2巡目は、ここ数年の❶上位2枠で大社と高卒、❷投打それぞれ指名、❸大卒社会人は基本的に指名しない、という傾向を踏まえると高校生投手(左腕)ということになります。今季10先発以上した先発投手で、QS率が50%以上の人数が3人にとどまるため、大社先発が必要という声もあるでしょう。
3巡目ですが、ここ5年、上位指名で高卒内野手が指名されている状態ですが、そもそも、根尾や石川など(準)地元選手が内野手だったのでそうなっていただけという可能性もあります。あるいはこの順位で大社先発を指名するかも。
入札は正木ではなくブライト健太。実績の少なさから入札までは?と思いましたが、思い切った入札でした。そこからは更にこちらの予想を大きく覆し、3巡まですべて高校生なしという展開。2巡目という、是が非でもほしい選手がいる際に使われる枠には1巡目と同じく大卒・右の外野手の鵜飼航丞を指名し、さらには6巡目でも同タイプの福元裕真を指名するという超展開。この世代には既に、これまた右打外野手の伊藤康祐がいるので、語彙力を失いそうなことになっています。4人も同い年の右打外野手がいるチームは他にないかもしれません。この中から最低でも2人は、バリバリの一軍主力になってほしいところです。
3巡で指名された石森大誠は独立リーグ無双とはいえリリーフなので、上位は難しいかもと思っていましたが3巡指名。4巡で高校生捕手の味谷大誠を指名したので石森を3巡にしたのかもしれません(中日は捕手を4巡で指名する傾向が強いです)。中日は打てる捕手候補が多くて少し渋滞気味ですが、何人かは他ポジでも出ているので問題はなさそう。星野真生はいわゆる愛知枠でしょうか。二軍の内野は少し渋滞しているので、根尾を外野に移すなりして対応するのかも。なお、育成指名はありませんでした。
冒頭のとおり、先発投手の指名がないです。中日はチーム防御率自体は優秀ですが、安定した先発が3人に固まっている状態です。勝野がここに食い込もうとしていますが、他は今ひとつ。キューバルートを中心とした外国人補強があるのを信じたいところです。
🎏広島東洋カープ🎏
➡序盤は少し思うようにいかない面があったようにも感じたが、悪くない指名だったのでは。右の外野手2人がどこまで打てるかがカギを握っている。
大社投手の単独指名と予想。佐藤隼輔が最有力ですが、他球団の動向次第では隅田知一郎になる可能性も。
2巡目より先にブライト健太や吉野創士が指名されている可能性があるので、場合によっては彼らを外れ1位に回し、2巡目は大社先発という代替案もありそう。そうなると、最近左腕指名に傾くと思います。桐敷拓馬や森翔平といった名前が浮上するのでは。
3巡は殆どの年が投手指名。総合的に考えると三浦銀二(法大)あたりの大卒右腕に落ち着くのではないか、と思っています(大社右腕を13年連続で指名している球団ですし)。
入札は予想通り大社投手。ただ、競合確定の隅田知一郎とは思いませんでしたね。2度、クジを外した後に指名したのは、カープとしては12年ぶりに指名する、身長175㎝未満の左腕・黒原拓未。最近はカープも変わってきましたね。外れ1位の時点で、こちらが予想していた右打者2名が指名されてたのもあってか、2巡でも大社左腕の森翔平。予想の端で当たっていたのは嬉しいです。投手は他に、5巡目でも社会人の松本竜也を指名。こちらは社会人での実績を見る限りでもリリーフとしての指名かなと思います。1位・2位とも先発投手という時点で、今年FA退団するかもしれない大瀬良or九里のリスク管理はした、といえると思います。
右打者の指名はどのように、と思っていましたが、こちらは社会人2人と捕手が1人。トヨタだったので3巡にしたのかなとも考えられる中村健人、正隨と同い年の末包昇大、恐らく残っていたので指名した高木翔斗。カープが大卒社会人野手を指名するのは珍しいですが、今年は社会人を5人も指名しているので、かなりイレギュラーと言えるのかもしれません。捕手と外野手が少し多めなので、この辺は新陳代謝が起きる予感です。田村俊介は、甲子園出場した高校生野手という意味では予想が当たっていましたが、かなり意外な指名。内野手となっていますが恐らく外野もするでしょう(左利きなので)。この指名を見て、坂倉は一塁に回していくのかな、とも感じました。
🐇読売ジャイアンツ🐇
➡上位は少し読めない指名もあったが、予想できなかっただけで別におかしい指名ではなく、とても良質な投手ドラフトだった。
投手に入札するという基本方針が出されております。高校ビッグ3のいずれかに入札するのではないでしょうか。外れた場合、巨人は左の外野手として、今年は梶原昂希を狙ってくるのではないかと予想
2巡は先発ローテも厳しいので恐らく大社投手。巨人のこれまでの指名傾向を考えるなら、北山亘基や、鈴木勇斗、あるいは(残ってないと思いますが)廣畑敦也といった面々になると思われます。
3巡は有薗直輝と予想。彼が残っていなかったら無理に高卒サードを上位指名することはないでしょう。外野手は指名しないことや、ほぼ全員身長180㎝以上というぐらいしか見えてこないですが、ここ3年連続で高校生を3巡指名していますし、有薗がいなかった場合は高校生投手かな?とフンワリ予想
入札からいきなり大卒左腕・隅田知一郎とは全く思っていなかったですが、ローテ不足の状況を鑑みれば妥当ではあったと思います。外れ1位の翁田大勢は先発とは考えづらく、畠を先発に戻して空いたリリーフの穴を埋めていく予定でしょうか。正直、1巡目に入ってくるとは予想できなかった名前でしたが、当てていた報知は凄いと思います。2巡目も大社投手に行くことは想定できました(山田龍聖が残っているのは予想できませんでした)が、3巡も大社投手(赤星優志)を指名したのは完全に予想外。よほどの危機感を感じていたのでしょうけど、思い切ったこの指名、個人的にはとても良いと思います。FAで獲得した先発投手は殆ど機能しないというのを学んだのかもしれません。
4巡以降も殆ど投手指名。元々、敢えて支配下指名で野手を加えなければいけないほど野手が足りていないポジションはなかったので妥当です。上位で大社・下位で高卒(石田隼都・代木大和・花田侑樹)という組み合わせも良いですね。指名された投手たちも、素人目にはとても良い面々に見えます。唯一の野手は大卒左打CFの岡田悠希。外れ1位で来るかと思っていたタイプの打者がここで来たかという印象でした。松原への刺激になるのではないでしょうか。
🐅阪神タイガース🐅
➡上位3人とも投手というドラフトながら、適度に野手を散りばめたバランスの良さが光る。先発左腕の2人は伊藤将司に引き続き、活躍できるか?
高校生投手に入札するという情報があり、かつ、入札しそうな球団が阪神以外に思いつかないので、森木大智と予想します。恐らく単独指名と思いますが、競合してクジを外した場合は、森翔平あたりの左腕が選ばれるのではないでしょうか。
1-3位が全員投手というドラフトはここ13年間で一度もないので、2巡か3巡のどちらか(あるいは両方)は野手になると思われます。野手なら、池田来翔や有薗直輝などが候補に。投手に振った場合、昨年同様、大社投手になりそう。森翔平や桐敷拓馬あたり。
3巡に関してはセンターラインか投手という傾向がハッキリあり、大型左腕である松浦慶斗や石田隼都の指名に動くかも。野手と考えた場合、井上広大と年齢が近くない範囲で、一軍の外野に刺激を与えられる大卒社会人外野手の指名がありそう。
13年間一度もなかった、1-3巡全員投手というドラフトが今年起きました。傾向から調べるのはこういう時に破綻しますね。指名した面々はどれも優秀。とはいえ予想は順風満帆ではなく、森木大智が外れに残り、しかも単独だったこと、身長175㎝未満の左腕である鈴木勇斗が指名されたこと(阪神はこの身長帯はスルーしていた)、3巡まで桐敷拓馬が残るのは予想外でした鈴木勇斗は5巡の岡留英貴は青柳の成功に影響されての指名という印象で、青柳がいるチームに指名されたのはとても良いと思います。阪神のローテはかなり固いものの、若い先発は伊藤将司以外、少し止まっている印象があるので、鈴木勇斗・桐敷には先輩左腕の後を追って活躍してほしいところです。
3巡で動くと思われた外野手補強は、センターラインではないにしても、大卒社会人の豊田寛を指名。井上広大のみならず、佐藤輝明への刺激という面も大きいでしょうかね。外野手では他に、高校生の前川右京も確保。捕手は高校生の中川勇斗を7巡で(捕手指名を下位で賄うチームなのは相変わらず)。中間年齢層が強いチームなので、彼らに適度な刺激を与える指名は必要なものの、同時並行で素材型野手を育てていけるのは強みですね。
もしかしたら、と思っていた、打撃型二遊間の指名はありませんでした。二塁はとりあえず糸原を置きつつ、彼を打撃で追い越していく選手が出てくるか、といったところなのでしょう。絶対に必要な指名だったとも思いませんし、特に問題とは思いません。
🐧東京ヤクルトスワローズ🐧
➡上位指名のチョイスがとても独特。彼らが来年からどれぐらい一軍貢献できるかによって評価は変わりそう。
高校生入札が多い球団なので、高校ビッグ3のいずれかになるのでは。外れた場合、かねてよりヤクルトファンと伝えられる廣畑敦也や、左腕を選ぶとしたら同校OBがいる鈴木勇斗の可能性も。
2巡は、外野手を上位指名することは稀なので、指名されるなら内野手。なぜか近年は内野手の左打者縛り・外野手の右打者縛りが続いているので、ありそうなのは阪口樂(大学生野手の上位指名もかなり少ない)。残っていない場合は大卒右腕を2-3巡で狙うのかも。大社右腕を12年連続で上位指名していますし、左腕の上位指名には積極的でないように思いますが、今年の高橋奎二の活躍に影響を受けて方針転換する可能性はありそう。
3巡は外れ1位が大社右腕だった場合、高卒投手になり、竹山日向らが選ばれそう。結果的に、1-3巡が全員投手という指名になるケースは十分にある。野手は4巡以降で指名することが多い。
入札からいきなり大社左腕・隅田知一郎というのは予想外。今年の市場および優勝しそうなチーム事情を考えると、高校生入札しない可能性は考えていませんでした。外れ1位も同様に大社左腕である山下輝。3巡で指名がありそうと踏んでいた高卒投手・竹山日向は5巡に持ち越しでした。4巡は右の内野手・小森航大郎。右打の内野手指名は実に6年ぶりなので意外な指名でした。長岡・武岡どちらかを一軍に上げる準備なのかもしれません。
個人的に最も驚いたのは大卒外野手を上位指名、しかも左打者だったことです。丸山和郁は数年前の大学代表だったので評価も高かったのでしょうけど、順位縛りがあったかもしれません。個人的には塩見への刺激として向山基生を4巡指名するのではと思っていましたが、中山と法政でかぶることを嫌ったのかもしれないです。なお、外野手の人数は少し少なめでしたが、育成でも指名したので回せそうな人数になっています。
同じぐらい驚いたのは、3巡でリリーフ専任の大卒社会人右腕・柴田大地を指名したこと。この順位で大卒社会人右腕を指名するなら吉村貢司郎など、先発も可能な投手だと思っていました。外国人を2人もローテに入れているので、先発補強も兼ねれる方が良いと思ったからです。ただ、この時点ですでに今年の大社先発候補に良い選手は残っていないと判断した可能性もありますし、柴田と同世代には3人もリリーフ右腕がいるので、彼らがこれをうけてどう刺激を受けるかを見ているのかもしれません。何より、単純に柴田をとても評価してのことでしょうから、来年どうなるのか見守りたいところです。
おつかれさまでした!
とりあえずここで一旦締めます。既に6000文字近くになり、かなり長くなってしまいました。パ・リーグはこの後で書きます。それでは、また次回。