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yamabra disk:CARLOS AGIRRE QUINTETO / Va siendo tiempo
長年に渡り活動を続けていて、SNSなどでもしばしばその活動を垣間見ることができた、Carlos Aguirreギター五重奏団の、まさに「待望」のアルバムです。
新緑のような音楽と言いますか、柔らかさと明るい景色と、穏やかなしかし確かなエネルギーを内包した音楽です。陽の光に輝く水面のように、広がる波紋のように、輝かしく親密なギターのアンサンブルは見事に研鑽の果実を結んでいます。洗練されたハーモニーと、祝祭的で少し土着的な感触のアコーディオンの音色、控えめなボンボのリズム、全てがこの音楽を形成する重要な要素です。
そしていつにも増してCarlos Aguirreの歌が素晴らしいのです。柔らかく、美しい叙情を湛えた寄り添うようなハイトーンは、優しく聴くものの裡なる琴線に響きを伝えます。ますます歌が磨かれた、と感じます。
近年のCarlos Aguirreのアルバムとしてはフォルクロアの香りが強いと思います。それゆえにCarlos Aguirre Grupoの”Crema"に感触が近いかな。もうこれはすでに今年のベストの1枚に。Quique Sinesiの新作に続き、本作もモダーン・フォルクローレを代表する傑作。印象的なジャケットの写真も全てCarlos Aguirreの手によるものです。
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