Catbug / Musjemeesje
ベルギーのアントワープで活動しているシンガー・ソングライター、CatbugことPaulien Rondoの、前作から3年ぶりのサード・アルバム。あの素晴らしいアルバムから、もう3年も経ったなんてちょっと驚きます。年取ると時の経過がスピードを増すようです。
本作は彼女の農場とその周辺に生息する野鳥を、双眼鏡をプレゼントされたことがきっかけで観察を始めた Catbug が、そこから多くのインスピレーションを受け、新たな楽曲を制作したものだといいます。
一つ一つの曲が静謐で抑えた感じですが、音楽のもつ風合いは以前に比べてぐっと深くなったように感じます。叫ばなくとも大仰ではなくとも情感は伝わるのだと、彼女の音楽は自ずと示しているかのようです。
時に鳥の囀りのような余韻を残しつつ少しスモーキーな歌声と、ギターを中心にしたフォーキーでシンプルなサウンド、そして愛らしく親密なコーラス。秋の柔らかい日差しの中で清冽な空気を浴びているような美しいアルバムです。これも今年のベストの一枚かと。