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偏愛音楽。 Trip to Norway.
偏愛音楽の23回目はノルウェーの音楽からセレクトしました。
実は今回冬にふさわしい北欧の音楽から、偏愛する音楽をセレクトしようと思い候補を考えていたところ、僕自身気全く付いていなかったのですが、ノルウェーの音楽が偏愛してきた「北欧の音楽」の中で最も多いことに今更ながら気づきました。要するに北欧の音楽という僕の無頓着なカテゴライズが「ノルウェー」の音楽としてしっかりと認知する契機を失わせていたのです。
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ところでノルウェーってどんな国?ということでChatGPTに聞いてみました。
基本情報
• 正式名称: ノルウェー王国(Kongeriket Norge)
• 首都: オスロ(Oslo)
• 人口: 約540万人(2023年時点)
• 言語: ノルウェー語(ブークモールとニーノシュクの2つの書き言葉がある)
• 通貨: ノルウェー・クローネ(NOK)
• 政府形態: 立憲君主制
• 国王: ハーラル5世
• 面積: 約38万5,000平方キロメートル(日本の約1/4)
特徴と見どころ
1. フィヨルド:
ノルウェーの自然を象徴する地形。氷河が削った谷が海水で満たされてできたもので、特に有名なものに「ゲイランゲルフィヨルド」や「ソグネフィヨルド」があります。世界遺産にも登録されています。
2. オーロラ:
北極圏に近いノルウェー北部(トロムソやアルタなど)は、オーロラ観賞の名所です。冬の夜空に広がる神秘的な光景は観光客に人気です。
3. 持続可能な生活:
ノルウェーは自然資源を活用しながら環境保護にも力を入れており、再生可能エネルギー(特に水力発電)が全体の90%以上を占めています。また、電気自動車の普及率も世界トップクラスです。
4. 歴史と文化:
バイキングの歴史を持つノルウェーでは、バイキング船博物館や中世の教会「スターヴ教会」など、豊かな歴史に触れることができます。また、エドヴァルド・ムンク(『叫び』の画家)や劇作家ヘンリック・イプセンなど、芸術の分野でも有名です。
5. ホスピタリティと生活水準:
ノルウェーは国連の「世界幸福度報告」でしばしば上位にランクインします。教育、医療、福祉が充実しており、生活満足度が高い国として知られています。
という感じで、今更ですがだいたい僕も概要がつかめました(←恥)。北欧の国らしく生活の水準が極めて高く、音楽もまたレベルが高いのです。これは本当にお恥ずかしい限りですが、Kings of Convenienceもノルウェーなんですね。勝手にSwedenと思い込んでいました。北欧という大雑把な括りでしか認識していなかった自分が情けない。
今回もセレクトされたディスクの音楽的な振れ幅は大きいのですが、トラディショナルであれ、クラシカルであれ。ジャズやポップであっても、どれもが冬にふさわしい透明でひんやりとした清潔な空気感が共通しています。今まで「北欧」という括りで聴いていた大好きな音楽です。
今回も10作品に絞りました。すべて冬に相応しい音源だと思います。フルアルバムのみとして、EPは除きました。プレイリストも付しました。また各々に簡単なコメントを付しています。
*現在までの「偏愛音楽。」はこちらのマガジンでご覧いただけます。
*見出し画像はGrokで作った「美しいノルウェーの風景」です。実際の風景ではありません。
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Benedicte Maurseth - Harr
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Benedicte Maurse(ベネディクト・モーセス)は、ノルウェーの伝統楽器ハーディングフェーレ奏者であり、作曲家。本作はハルダンゲル地方の野生動物や自然、そしてそこに住まう人々へ捧げられたアルバムです。ハーディングフェーレを中心に、トナカイ、鳥、昆虫の鳴き声などのフィールド・レコーディング、カウベルの音、そこにエレクトロニカや、ヴィブラフォン、マリンバ、サックスなどのサウンドを組み込んで、ノルウェーの伝統的音楽のもつ懐かしさに加え、審美的で有機的で、かつ実験性をも希求しつつ、神秘的で荘厳な音像を構築しています。
Daniel Herskedal - Harbour
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Daniel Harskedal(ダニエル・ハースケダール)はノルウェーのチューバ奏者。同じくノルウェーのEyolf Dale (ピアノ・チェレスタ)とHelge Andreas Norbakken (ドラム・マリンバ)によるトリオ編成のアルバムです。そもそもチューバでジャズっていうこと自体そんなに当たり前では無いのですが、このトリオによる演奏はこのまま何かのサントラになりそうな、映像的でいてドラマチック、映画的と言いたいアルバムです。メランコリックな旋律と、チューバの振り絞るような音色が記憶に奥に響く、深遠な北欧ジャズの傑作。
Ellen Andrea Wang - Closeness II
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Ellen Andrea Wang(エレン・アンドレア・ワング)は、ノルウェーのジャズ・ベーシストでシンガー・ソングライター。実にジェントルでクワイエットなコンテンポラリー・ジャズであり、またEllen Andrea Wangのシンガー・ソングライターとしての側面も十分に表現されています。ベーシストとしての演奏は実に重厚で独創的に躍動しているし、フェミニンで柔らかな歌声がとても魅力的です。北欧の音楽の持つ、特有の透明で清澄な空気感と、彼らの音楽の持つ穏やかな情感とが共存している素敵なアルバムです。
Espen Eriksen Trio - Never Ending January
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ノルウェーの新世代ピアニスト、Espen Eriksen(エスペン・エリクセン)のトリオによる2015年録音です。北欧のピアニストらしい、端正で上品で、透明な空気感を持った、なんとも綺麗なアルバムなんです。それでいてAndreas Bye (dr.)、Lars Tormod Jenset (b.)のリズムとの絡みには、リリカルなだけではない新鮮な感覚があります。
Kings of Convenience - Declaration of Dependence
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ノルウェー出身のアコースティック・デュオ、Kings of Convenience(キングス・オブ・コンビニエンス)の2009年の、3枚目のスタジオアルバム。シンプルで洗練されたアコースティックサウンドと、美しいハーモニーが美しく、彼らの代表的なスタイルが凝縮されています。ミニマルでシンプルで柔らかい音楽性なのですが、やはり北の空気感を時感じさせる透明度の高い作品です。
Konradsen - Saints and Sebastian Stortes
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Konradsen(コンラドセン)は、ノルウェーのオスロの拠点とする、Eirik VildgrenとJenny Marie Sabelによるポップ・デュオ。北欧らしい透明感、しっかりと間を保った内省的な音作り。アコースティックな楽器とエレクトロニクスの品の良い融合と残響感。スモーキーな歌声と、時には語りかけるような控えめなドラマ性。すっと体に入り込んでくる親和性の高いインティメイトな旋律。
Nils Petter Molvaer - Switch
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Nils Petter Molvær(ニルス・ペッター・モルヴェル)は、Norwayのトランぺト奏者。この人の音楽もジャンルで括ることなど出来ないものである。北欧的な凛とした冷たい空気感、静謐にして内省的で、それでいて実験的でもある。ジャズ、アンビエント、エレクトロニカを融合させた革新的なスタイルが素晴らしい。エモーショナルで時にダークで、ミステリアスで映像的な作品。トランペットの独特の音色が、アルバム全体を支配しています。
Otto A Totland - Pino
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Otto A Totland(オットー・A・トトランド)の2014年の作品。Otto A Totlandのピアノソロによる繊細なアルバムです。ジャズや現代クラシックの影響を受けつつ、ミニマルでいて深い情感を織り込んでいます。儚く、美しい旋律と静謐なムードがアルバム全体を通じて感じられます。シンプルな楽曲の、間や静寂の中に情感を宿して、瞑想的でな音楽体験を創造しています。
Sinikka Langeland - The Half-Finished Heaven
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ノルウェーのシンガー・ソングライターでフィンランドの民族楽器カンテレの演奏者、Sinikka Langeland(シニッカ・ランゲラン)のアルバム。森の奥から聞こえて来る様な、マジカルな彼女の歌声とカンテレのトラディショナルな音色。クラシカルでフォーキーで、北欧的な、透明な空気感。厳かであり神話的世界。
Siv Jakobsen - Gardening
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Siv Jakobsen (シーヴ・ヤコブセン)は、ノルウェーのシンガー・ソングライター。タイトルの通り彼女はオスロの自宅で庭いじりをするのが日課なのだそうです。本作はそれと同じやり方で、自身の手で丹念に創り上げられたナチュラルな音像の秀作です。少し遠くから聞こえてくるような、語るように抑制的な歌声は、アコースティック・ギターを中心にした陽だまりのような、森を駆け抜ける風のようなサウンドと共に、優しさと神秘性を備えています。