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韓国ドラマ短評(2024年7月)。

さていよいよこれを始めてしまいましょう。この7月から一月ごとにその月に観終わった韓国ドラマを短評をつけて記録します。7月という中途半端な時期ですが、思い立った時に始めます。その月に観終わったドラマを、面白く無かったものも含めて全て記録します。



『工作都市~欲望のワルツ~』

2021年/原題:공작도시
演出:チョン・チャングン
脚本:ソン・セドン
出演:スエ、キム・ガンウ、キム・ミスク、イ・イダム、イ・ハクジュ、キム・ジュリョン、キム・ヨンジェ
配信:U-Next

財閥と権力者たちの醜い欲望を描いたスリラー。役者は地味ながら中々面白いと思いつつ見ていたのだが、結局主人公は復讐を果たさない(果たせない?)ままでフワッと終わってしまった。流石にこういうドラマではしっかり主人公側が逆襲して、敵役をグッジュグジュにひっくり返して、観るものにカタルシスを感じさせないといかんと思う。だからフラストレーションの残る終わり方だった。しかし期待のイ・イダムはなかなか良かった。


『私たち、家族です~My Unfamiliar Family~』

2020年/原題:(아는 건 별로 없지만) 가족입니다
脚本:キム・ウンジョン
演出:クォン・ヨンイル
出演:ハン・イェリ、キム・ジソク、チュ・ジャヒョン、チョン・ジニョン、ウォン・ミギョン、シン・ジェハ、シン・ドンウク
配信:U-Next

少し前のドラマですが、これは傑作と言って良いのではないでしょうか。知っている様でいて自分の家族のことが全くわかっていない家族の物語。コミュニケーション不足でさまざまな家族間の誤解や齟齬が生じ、憎しみに発展する。まあ普通の家族にありえないほどさまざまなことが起こるのではありますが。失礼ながら『ミナリ』のハン・イェリがときどき大久保さん(大久保 佳代子)にみえてしまいました。ごめんなさい。


『卒業』

2024年/原題:졸업
脚本:パク・ギョンファ
演出:アン・パンソク
出演:チョン・リョウォン、ウィ・ハジュン、ソ・ジュヨン、オ・マンソクなど。
配信:U-Next

ベテランの売れっ子女性塾講師と、11歳年下の教え子の新人講師との恋愛を軸に、熾烈な塾同士のあるいは講師同士の確執を描く。韓国の塾の講師って大変ですね。演出が『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』のアン・パンソクなので、役者も重なっているし、イチャイチャベタベタが多い演出も、理不尽に意地悪い敵役も、かなり封建的な価値観も似ている。チョン・リョウォンは年はとったけどフェミニンな可愛らしさは変わらない。


『アンダーカバー』

2021年/原題:언더커버
脚本:ソン・ジャフン、ペク・チョルヒョン
演出:ソン・ヒョンウク、パク・ソヨン
出演:チ・ジニ、キム・ヒョンジュ、ホ・ジュノ、チョン・マンシク、イ・スンジュン、クォン・ヘヒョ、ハン・ゴウン
配信:U-Next

悪名高い「国家情報院」がらみのサスペンスです。面白くない、とまでは言いませんが。ちょっとプロットに無理があります。最後も調子良すぎですね。キム・ヒョンジュは弁護士役が多いです。この頃はまだあまり太ってないし美しい。名悪役のホ・ジュノは上手いですが、最後はもっときっちり悲惨な目に合わせないと、見る側はスッキリしないです。そう言えば悪い政治家はどこに行ったんだ。自閉症の息子役の子の芝居がちょっと…。


『トレーサー』

2022年/原題:트레이서 시즌1
脚本:キム・ヒョンジュン
演出:イ・スンヨン
出演:イム・シワン、コ・アソン、ソン・ヒョンジュ、パク・ヨンウ、パク・ホサン、イ・チャンフン、チュ・サンミ
配信:U-Next

国税局を舞台に、政・財・官・司法の醜悪な癒着を描いたサスペンス。スリリングで十分面白かったのですが、税や株など経済に関することが僕は全く理解できず、ちょっとわからん、っていっているうちに話が進んでいきます。こういうの皆さんは理解できるのかな。個人的感想ですが、ポン・ジュノ監督の『グエムル-漢江の怪物-』で、怪物に連れ去られる役だったコ・アソン。ヒロインはちょっとキツくないですか。


『ワンダフルデイズ』

2023年/原題:오늘도 사랑스럽개
脚本:ペク・イナ
演出:キム・デウン
出演:チャ・ウヌ、パク・ギュヨン、イ・ヒョヌ、ユン・ヒョンス、リュ・アベル、チョ・ジンセ、キム・イギョン
配信:U-Next

最近きびしいサスペンスばかり観ていたので他愛のないドラマが観たくなりこれを。犬がとても可愛いファンタジーものですが、韓国ドラマお得意の「前世」が関わるお話です。10話ぐらいからその前世の呪いに関する時代劇部分が多くなり、そこがかなり冗長で退屈。呪いの原因が山神の誤解だったって、それはないです。前半は面白かったし犬が異常に可愛かっただけに残念です。しかしチャ・ウヌはさすが、“顔天才”、“顔面国宝”です。


『旋風』

2024年/돌풍
監督:キム・ヨンワン
脚本:パク・ギョンス
出演:ソル・ギョング、キム・ヒエ、キム・ミスク
配信:Netflix

初っ端から首相(ソル・ギョング)が大統領を殺害(未遂に終わる)するところからはじまる、政治サスペンス。政財界、法曹界を舞台に、とにかく息をつかせぬほどのスリリングな展開が続きますす。裏切りに次ぐ裏切り、陰謀に次ぐ陰謀。もうてんこ盛りです。ソル・ギョング、キム・ヒエという名優2人の演技も素晴らしいが、キム・ヒエが大統領を殺す必然はあったのだろうかと、その辺がちょっとプロット的に疑問です。


『ホン・チョンギ』

2021年/原題:홍천기
脚本​:ハ・ウン
監督​:チャン・テユ
出演:アン・ヒョソプ、キム・ユジョン、コンミョン、クァク・シヤン、ムン・スク、キム・グァンギュ
配信:Netflix

ときどき韓国時代劇が観たくなります。本作は時代劇ではあるのですが、CGをたくさん使ったダーク・ファンタジーです。結構面白いと思いつつ観ていたのに、最後の方でプロットが雑な感じになってしまいました。サイド・ストーリーの大君同志の確執が、あんないい加減に終わらせ方で良いものかと。アン・ヒョソプは魔王になったりの熱演でしたが、バケモノのメイクとかCGとかがちょっと安っぽいかも。


『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム』

2024年/原題:크래시
脚本:オ・スジン
演出:パク·ジュンウ
出演:イ・ミンギ、クァク・ソニョン、ホ・ソンテ、イ・ホチョル、チェ・ムンヒ
配信:Disney+

交通犯罪の捜査をするチームを描いたアクション/サスペンス。最終回までは割と面白かったけれど。これも最終回がなぁ〜。必要のないエピソードを入れるよりは、片付けるべき伏線は片付けましょうよ。こういうドラマは悪いやつはちゃんと始末しないと(笑)すっきりしません。美しいクァク・ソニョンさんは、、『ムービング』などなど以前から重要な「脇役」が多かったけれど、今回はしっかり主役。彼女をはじめ、役者は良かったと思います。


『熱血司祭』

2019年/原題:열혈사제
脚本:パク・ジェボム
演出:パク・ボラム
出演:キム・ナムギル、キム・ソンギュン、イ・ハニ、コ・ジュン、クム・セロク、キム・ウォネ、コ・ギュピル
配信:U-Next

もう5年前のドラマですが、スリリングなアクション/サスペンスであり、笑いどころもたくさんあって面白かったです。でも例によってスリルを生み出すがためのちょっと不自然な展開の部分が気になりました。でもキム・ナムギル、イ・ハニという僕の好きな俳優が主役なので、それはそれで楽しめます。イ・ハニはぶれません。ほんとしっかりやり切ります。しかしポスターはひどいけど。



さて今月観終わったのは以上の10作品でした。この中だと出来が良いのは『私たち、家族です~My Unfamiliar Family~』でしょうか。ヒューマンドラマながらかなり辛辣な内容です。

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