弘前に、行ってきました。
タイミングの悪い大雨で先の9月の帰省予定をキャンセルせざるを得なかったので、この連休に墓参りと施設にいる母の面会のために一泊で弘前へ行ってまいりました。
11月2日
用事を済ませて、その後は弘前の街を巡ります。街といっても僕が行くのはほとんどがショップ。僕の旅の楽しみはほとんどがその地のお店を見ることです。単純に物を見ることが好きなのと、その土地の文化のようなものが一番伝わる気がするので。
○大阪屋
まずは老舗中の老舗和菓子店の「大阪屋」へ。創業寛永7年(1630年)、約380年の歴史を持つ東北でも指折りの老舗です。ここでは定番の「竹流し」と「チョコレート羊羹」を購入。
以下は長尾智子さんの著作「あさ・ひる・ばん・茶」で紹介された「竹流し」に関する記述です。素朴ですが味わいのあるお菓子です。
○旭松堂
続いて「バナナ最中」で有名な「旭松堂」へ。今回ここに行った目的は閉店した「開雲堂」の銘菓「干乃梅」と同名のお菓子ががあると聞いて。
○マタニ
昭和25年創業の老舗のパン屋。ここのドーナツが好きで、帰省した時にはしばしば購入します。長尾智子さんの著作「あさ・ひる・ばん・茶」で紹介されています。ただ早めに食べないと味が落ちてきます。そしてこのドーナッツ、要予約で一人3袋までしか買えないので注意して下さい。なんか商売っけがないんですよね。良くも悪くも。
○THE STABLES
弘前に帰省した時には必ず立ち寄るのがこの「THE STABLES」。簡単にいえば雑貨のセレクトショップ。今回は「染人 山内武志の仕事 7」の展示中でした。店主の小田原さんの美意識で隅々まで統一されている、もはや「名店」というのが相応しいお店です。
山田洋次さんのお皿と、小西良さんの椀。そしてちょっと頑張って山内さんの「暖簾」を購入しました。
山内さんのインスタグラム
ちなみにTHE STABLESのすぐ近くにも素敵なお店がいくつかあります。今回はいずれも入店せず、外観だけです。
まずこちら「green」。ここの「こぎん刺し」は趣味の良い現代的な配色が素晴らしいのです。
「green」の姉妹店「green furniture」。古い家具、インテリア類、器などを扱っています。古い津軽塗なんかもあります。
古くからあるパン屋。昔は「石田パン屋」って呼んでた街のパン屋さんだったけど、いまや「BOULANGERIE ISHITA」です。赤が目に染みるぜ。
○双味庵
弘前出身のお笑い芸人シソンヌじろうさんが著作の中でも触れているのがこちらのお菓子です。チョコマッセを買ってみました。美味しそうだけど日持ちしないのがお土産的には難しいですね。
ここでホテルにチェックインして土手町へ。開雲堂の閉店、中三デパートの突然の閉店などで、なんか賑わいがますますなくなって、寂しい繁華街になってしまいました。
○パティスリー・ル・ブルジョン(le bourgeon)
ケーキもデニッシュも焼き菓子もとても美味しいお店なのですが、残念ながら我々が行った時にはもうほぼジェラートしかありませんでした。なんかジェラートが主体のお店になってしまったのかな?焼き菓子を少しだけ買いました。ちょっと悲しい。
○菓子所 寿々炉
城下町弘前らしい、上品な和菓子屋さんです。ちょっと観光客には分かりづらい場所にありますが、ここのお菓子も本当に美味しいのでぜひ行ってみてください。
○まわりみち文庫
中三デパートにあったジュンク堂もなくなってしまいましたが、ここがあるじゃないですか。かくみ小路の「まわりみち文庫」へ。大きな本屋もいいけれど、こういう店主のセンスでセレクトされた小さな本屋の方が好きです。
こちらを購入。斎藤真理子さんは、ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンの翻訳者としても知られています。
このあとホテルに一旦帰ってとった写真。岩木山が美しい。
○PIZERIA MIA
夕食は、帰省するとほぼ100%行ってしまう「PIZERIA MIA」へ。今回も全くはずれがありませんでした。特に「薪焼き秋刀魚と肝ソースのスパゲットーニ」は絶品。若い女性スタッフの接客もとても好ましい。
11月3日
この日は朝から晴れ。でも残念ながら岩木山のてっぺんは雲で隠れています。
○鶴の舞橋
前々から行きたかった鶴田町の「鶴の舞橋」へ。しかしなんと現在修復工事中で、立入禁止でした。時間をかけて(弘前市内から車で40分くらい)行ったのにホント残念です。下調べが中途半端だったと反省しきり。来年の4月1日から再開通ですって。
○弘前レンガ倉庫美術館
弘前に戻ってこちらへ。現在「タグチアートコレクション×弘前れんが倉庫美術館 どうやってこの世界に生まれてきたの?」が開催中。この展示はメチャクチャ面白かった。ビデオ・インスタレーションが多いので、もっと時間が欲しかったけれど。写真撮影可ですが、これはぜひ現地に行って生で鑑賞して欲しい。一部だけ作品の写真をアップします。
こちらが出品リストです。
○田舎館駅
田舎そのものという名前の弘南鉄道「田舎館駅」ですが、GOMAさんが駅舎内に作品を描いていることで来てみたかったのです。弘前市内から車で20-25分。無人駅の侘しい(でも味がある)外観と、内部の圧倒的GOMAワールドとのギャップが凄い。圧巻です。
また弘前に戻って市民会館へ。ラッキーなことに市民会館前の駐車場にすぐ停めることができました。普通はなかなか空いていません。
○喫茶室 baton
前川國男建築の弘前市民会館管理棟には佐野ぬいさんのステンドグラスがあります。行きたかったカフェ、「baton」はその2階にはあるのですが、折しもなんかのイベントが開催されていて満席。待ち時間があまりに長かったので断念。今回も行かれなかった。
○弘前市博物館
前川國男さんの設計した建物が多い弘前ですが、この弘前市博物館もそうです。実に美しい、でも重厚な建物です。今回は「魯山人の宇宙 - 魂を刳る日が欲しい - 」が開催されていました。これも面白かった。
弘前市の前川建築をまとめたPDF。
博物館は弘前公園の中にありますので、ちょっと公園からの景色を。
○CAFE JEEBA
疲れたのでカフェで一休み。ここはもと佃煮屋さんだった場所。あの佃煮が懐かしいな。
この後帰途につきました。じいさんとばあさん(我々)にはなかなかの強行軍ではありましたが無事新青森駅へ到着。最後は駅一階のお土産コーナー「あおもり旬味館」のこちらへ。
○ウィーン菓子 シュトラウス
店主はオーストリアで7年修行し、菓子職人の資格を取得したコンディトア・マイスターなのだそうです。これがもう非常に美味い。青森市内に本店がありますが、そっちは行ったことはありません。青森のお土産はこれをお勧めします。「青森らしい物」なんていりません。
なんか凄まじいほどの「お菓子屋巡り」になってしまいました。今回はお蕎麦屋さんも2軒いったのですが、失礼ですがどちらも掲載するまでのレベルではないので省略。次は「鶴の舞橋」が通行できる時に行きたいですね。
弘前はまだまだ紹介したいところがたくさんありますが、それは次回ということで。
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