Yamabra Disk : CAETANO VELOSO / Meu Coco
Caetano Velosoの久々のニュー・アルバム。「Abraçaço」以来、約9年ぶりとなる新作で、SONY MUSICからの初めてのアルバムです。この作品、お前ごときが失礼なと言われそうですが、個人的には「お帰りなさいカエターノ」っていう感じ、Caetanoが戻ってきたって勝手に思っています。
盟友Gilberto Gilがこの間「老いてますます盛ん」に、自身の音楽をヴァージョンアップした意欲的な作品をリリースしていたので、不在とまでは言いませんが、Caetanoの活動の物足りなさを対照的に強く感じていました。
全曲がCaetanoの作詞作曲です。実にCaetanoらしい楽曲が並んでいます。紛れもなく彼の旋律であり、彼の展開であり、美しくもあり時に挑戦的な姿勢も見いだせます。Caetanoの声の艶も全く衰えはありません。
北東部のリズムをアルバムの中心にすえて、Thiago Amudのホーンのアレンジや、Jaques Morelenbaumのオーケストレーションとソロ、Mestrinhoのアコーディオンや、Hamilton de HollandaのバンドリンとCarminhoをフューチャーしたファドなど、色彩感に溢れた多様なファクターと先進性を内包した、これは紛れもなく今年を代表する傑作です。