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韓国ドラマ短評(2024年10月)。

韓国ドラマ短評、2024年10月分です。この7月から一月ごとにその月に観終わった韓国ドラマを短評をつけて記録します。面白かったものはもちろん、面白く無かったものも含めて全て記録します。僕個人の好みが結構偏っているので参考にならない部分もあるかもしれませんが、ご勘弁を。

10月は豊作でした。新作ではシン・ミナらしいコメディー『損するのは嫌だから』、今最も旬の主演二人の『となりのMr.パーフェクト』、けっさくサスペンス『白雪姫には死を~BLACK OUT』。旧作では静謐なヒューマンドラマ『LOST 人間失格』、児童虐待をテーマにした『赤い月青い太陽』、傑作時代劇の『緑豆の花』など。記憶に残るドラマを観ました。

全てのドラマに脚本などの情報と短いコメントを付してあります。参考にしていただければ幸いです。主役の生成AIによるアバターも付しました(いらない?)。



『損するのは嫌だから』

2024年/原題:손해 보기 싫어서
監督:キム・ジョンシク
脚本:キム・ヘヨン
出演:シン・ミナ、キム・ヨンデ、イ・サンイ、ハン・ジヒョン、チュ・ミンギョン、コ・ウク、イ・ユジン
配信:Amazon Prime

基本的にはラブコメです。僕は血まみれのドラマより、やはりこういう人情の機微を描いたものの方が好きなので、これは面白かった。すこしサイド・ストーリーに時間を割きすぎではありましたが。シン・ミナはさすがコメディーの女王です。ただ一つスタイリストの服のセンスがいかがなものかと思います。

シン・ミナとキム・ヨンデ。

『LOST 人間失格』

2021年/原題:인간실격
脚本:キム・ジヘ
演出:ホ・ジノ、パク・ホンス
出演:チョン・ドヨン、リュ・ジュンヨル、パク・ビョンウン、キム・ヒョジン
配信:U-Next

静謐な大人のドラマだが、幸福な登場人物がでてこない。ほぼ鬱状態と言って良い、精神的に漂流する人々が描かれていて、まあ簡単に言えばとても暗いドラマ。この鬱な状態に観ている方も取り憑かれそうでもあるけど、僕は嫌いじゃない。安易な方向に流れない脚本に確信を感じる。『イルタスキャンダル』なんかよりこっちのチョン・ドヨンのほうがずっと良い(視聴率は逆だったようだが)。なんと演出が名匠ホ・ジノ。

チョン・ドヨンとリュ・ジュンヨル。

『となりのMr.パーフェクト』

2024年/原題:엄마 친구 아들
脚本:シン・ハウン
演出:ユ・ジェウォン
出演:チョン・ヘイン、チョン・ソミン、キム・ジウン、ユン・ジオン
配信:Netflix

もちろん容姿だけで判断してはいけないのだが、今が最旬と思われる主演のチョン・ヘインとチョン・ソミンの2人はやはり華があって良い。チョン・ソミンはほんと輝いています(女性はチョン・ヘインにうっとりなんだと思う)。物語としては後半ややだれた感じや、最終回のまとめすぎはあったけど、十分面白かった。サイドストーリーも悪くなかったですよ。でも例によって邦題は違うと思う。

チョン・ヘインとチョン・ソミン。

『社長のお品書き』

2024年/原題:사장님의 식단표
演出;キム・ジョンシク
脚本:チョ・ミンジョ
出演:イ・サンイ、ハン・ジヒョン
配信:Amazon Prime

『損するのは嫌だから』の、スピンオフ。本編のサイドストーリーをメインにした2話だけのドラマです。ハン・ジヒョン演じるエロ小説のウェブ作家が自身の小説に入り込んでしまう物語。おバカな作りです。まあこれはそんなものかと。あははと笑って観てれば良い。

ハン・ジヒョンとイ・サンイ。

『赤い月青い太陽』

2018年/原題:붉은 달 푸른 해
脚本:ト・ヒョンジョン
演出:チェ・ジョンギュ
出演:キム・ソナ、イ・イギョン、ナム・ギュリ、エン、ナ・ヨンヒ、キム・ヨンジェ
配信:U-Next

少し前のドラマですが、これは名作と言って良いと思います。児童虐待に焦点を当てたヒューマンドラマであり、かなり厳しいスリラーでもあります。最初は正直ホラーかと思ったぐらい薄気味悪いのですが、奇想でありながら脚本がよく練られています。キム・ソナが難しい役どころを熱演しています。ただ配役でだれが悪役かバレバレではありますが。

キム・ソナと刑事役のイ・イギョン。

『白雪姫には死を~BLACK OUT』

2024年/原題:백설공주에게 죽음을-Black Out
脚本:ソ・ジュヨン
演出:ビョン・ヨンジュ
出演:ピョン・ヨハン、コ・ジュン、コ・ボギョル、クォン・ヘヒョ、ペ・ジョンオク
配信:U-Next

視聴率も良かったようですが、これは久々の傑作サスペンスです。想像の上をいく複雑でスリリングなプロット。欲望に塗れ、自己保身と歪んだ家族愛に囚われた醜悪な人間たちを、ピョン・ヨハン、コ・ジュン、コ・ボギョル、クォン・ヘヒョなどの俳優陣が見事に演じ切っています。もっともっと日本でも話題になって良いドラマ。ピョン・ヨハンもクォン・ヘヒョもほんと上手い。

主演ピョン・ヨハンと狡猾な悪役を演じたクォン・ヘヒョ。

『京城クリーチャー シーズン2』

2024年/原題:경성크리처 시즌2
監督:チョン・ドンユン
脚本:カン・ウンギョン
出演:パク・ソジュン、ハン・ソヒ、イ・ムセン、ペ・ヒョンソンなど
配信:Netflix

シーズン2なので、今度はこそ終わるかなと思いつつ見ていて、尺も足りなそうだったけれど、最後はそれなりに終わりだと思ったところで、エンドロールのあとに付け足しがあって、これはやはり終わらないんだろうな(笑)。グロいけど面白いドラマではあります。ハン・ソヒが綺麗な服を着ているのは最後の場面だけです。

パク・ソジュンとハン・ソヒです。

『ミョヌラギ - わが嫁たちの物語』

2020年/原題:며느라기
脚本:イ・ユジョン
演出:イ・グァンヨン
出演:パク・ハソン、クォン・ユル、ムン・ヒギョン、キム・ジョング、チョ・ワンギ
配信:U-Next

ミョヌラギとは、韓国語で「姑と舅が嫁を呼ぶ時使う呼称」や「韓国の嫁が経験する、婚家の家族に気に入られ、褒められ認められたいと思うこととその時期」を意味するのだそうです。儒教道徳の根強い韓国は日本よりさらに嫁姑問題、男尊女卑問題が根強い感じですね。地味だけど良いドラマでした。

パク・ハソンとクォン・ユル。地味だけど2人とも上手い。

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』

2016年/原題:달의 연인 - 보보경심 려
監督:キム・ギュテ
脚本:チョ・ユニョン
出演:IU、イ・ジュンギ、カン・ハヌル、ジス、ホン・ジョンヒョン、ナム・ジュヒョクなど
配信:U-Next

観たい新作ドラマが完結していないので旧作を。この邦題の副題「~花萌ゆる8人の皇子たち~」っていうのはいかにも女性を釣りですが、それはないだろっていう部分もありましたが面白いドラマだったと思います。とても悲しい物語ですけど。しかしIUは上手い。

IUとイ・ジュンギです。

『約束の地~SAVE ME~』

2019年/原題:구해줘 2
演出:イ・グォン
脚本:ソ・ジュヨン
出演:オム・テグ、チョン・ホジン、イ・ソム、キム・ヨンミン、イム・ハリョン、オ・ヨナ
配信:U-Next

カルト宗教に蝕まれる人々を描いたサスペンス。かなり面白かったし、安易な結末にしなかったのも良かった。しかし最後に詐欺の首謀者を死なせちゃったのがちょっとがっかりです。生かして強烈に罰を与えないとカタルシスがない。オム・テグとイ・ソムも良かったけど、本作はなんと言ってもチョン・ホジンの悪とキム・ヨンミンの狂気の演技がすごかった。

オム・テグとイ・ソム。
チョン・ホジンとキム・ヨンミンが素晴らしかった。

『少年非行 シーズン1、2』

2022年/原題:소년비행
脚本:チョン・スユン
演出:チョ・ヨンイク
出演:ウォン・ジアン、ユン・チャニョン、ユン・ヒョンス、ハン・セジン、ヤン・ソヒョン
配信:U-Next

麻薬密売をめぐる青春サスペンス。後半ちょっとプロットがいかがなものかという部分もありましたが、概ね面白かった部類です。でもシーズンを1、2に分ける意味がわからない。しかしなんといってもこのドラマはウォン・ジアンの魅力につきます。透明感が抜群です。

ウォン・ジアンとユン・チャニョン

『緑豆の花』

2019年/原題:녹두꽃
脚本:チョン・ヒョンミン
演出:シン・ギョンス
出演:チョ・ジョンソク、ユン・シユン、ハン・イェリ、チェ・ムソン、パク・ヒョックォン、キム・サンホ、チェ・ウォニョン
配信:U-Nextなど

少し前(2019年施作)の時代劇です。東学党の乱を背景にしたヒューマン・ドラマ。これは名作ですね。なかなか日本で話題になり辛いのは、日本が大陸に進出(侵略)する時代で、卑劣で傲慢な悪役として描かれているから仕方ないのかも。主役2人(チョ・ジョンソク、ハン・イェリ)も良かったけど、本作はユン・シユンとチェ・ムソンでしょう。

チョ・ジョンソクとハン・イェリ。
ユン・シユンとチェ・ムソン。


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