a piece of Burt Bacharach
偉大なる作曲家バート・バカラック(Burt Bacharach)が2023年2月8日に94歳で亡くなりました。「過去100年のポピュラー・ミュージック界において、まぎれもなく最高峰のソングライター」と称賛される彼の音楽を、僕も子供の頃からセルジオ・メンデスのカバーなどを端緒として聴いてきました。
ディオンヌ・ワーウィック、ダスティ・スプリングフィールド、エルヴィス・コステロ、カーペンターズ、トム・ジョーンズ、キャロル・ベイヤー・セイガー、前述のセルジオ・メンデスなど、書ききれない程の数のアーティストが彼の曲をカバーして、多くの名演を残しています。
ブラジル音楽ファンにとっては笑い話ですが、かつてディオンヌ・ワーウィックが、「バカラックがボサノヴァを創った」と言ったという逸話があるくらいで、彼女の認識は別にしてもバカラックの音楽は確かにボサノヴァとも親和性の高いものでした。
映画音楽にも数多くの名作があります。「何かいいことないか子猫チャン (1965)」、「アルフィー (1966)」、「007 カジノロワイヤル(1967年)」、「明日に向って撃て! (1969年)」、「幸せはパリで (1969)」、「ミスター・アーサー (1981年)」など多くの足跡を残しました。
決して忘れることが出来ないメロディーやハーモニーは、人類が滅亡でもしない限りその輝きを失うことはありません。偉大な作曲家への追悼として、数あるmaster pieceの中から最も好きな1曲を最も好きなヴァージョンで、山ブラ会員/関係者/ゲストの方々(計27名、敬称略。五十音順)に選んでいただきました。選者各々の視点から幅広くユニークな選択になったように思います。ご参加いただいた方々に感謝いたします。なお最後に僕の独断でおまけを少し付け加えてあります。
R.I.P. Burt Bacharach (1928年−2023年)
・石郷岡学(会長): Do You Know the Way to San Jose? (サンホセへの道)
収録アルバム:Bossa Rio / ST (1968)
初めて聴いたバカラックはこれ。小学校高学年だったと思う。多分8トラックでね。今聴いても最高ですよ。
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・榎本善一郎: The April Fools (幸せはパリで)
収録アルバム:薔薇色の明日 / 高橋幸宏 (1983)
1983年の夏、箱根での野外ライブ。バカラックからは音楽的嗜好に沢山影響を受けましたが出会いはこのカバーでした。
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・倉嶋英子: Arthur's Theme (Best That You Can Do)
収録アルバム:ミスター・アーサー / オリジナル・サウンドトラック (1981)
映画ミスター・アーサーの主題歌。作曲はバカラックだけではないのでちょっと邪道ですが、中学生の頃大好きで聴いてた曲です。
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・gota: A House Is Not A Home
収録アルバム: Luther Vandross / Never Too Much
エヴァーグリーンな名曲ばかりで悩みましたが、ルーサーの至高の名演が好きでたまらないこの曲にしました。
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・五内川: The April Fools (幸せはパリで)
収録アルバム:バラ色の明日 / 高橋幸宏 (1983)
メロディも歌詞もほんとに美しい。今このタイミングで聴くとなおさら沁みます。
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・Takashi Sato (K): Something Big
収録アルバム:Jim O’Rourke / Eureka (1999)
殆どがオリジナル曲の中 一曲だけバカラックの曲があり アレンジが素晴らしく 友沢ミミヨのジャケ画も👍
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・佐藤琢雄 (河北新報社): (They Long to Be) Close to You (遙かなる影)
収録アルバム: Bobby Womack / COMMUNICATION(1971)
ハル・デヴィッドによるこの曲の美しいリリックは、バカラックの曲そのものへの賛辞でもあるのでは。
(編者注:サブスクは発見できませんでした)
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・S木007: Close to You (遙かなる影)
収録アルバム:The Carpenters / Close to You (1970)
バカラックについては全くの無知でして、 この曲もカーペンターズの曲と思っておりました。永遠の名曲。
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・高橋悠 (KAKULULU): I Say A Little Prayer (小さな願い)
収録アルバム:Wes Montgomery / Down Here On The Ground (1968)
ウェスの豊潤なギターが流れた瞬間、毎回思わず息を飲んでしまう。「軽さの美学」を感じる名アレンジ。
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・武田吉晴: I SAY A LITTLE PRAYER (小さな願い)
収録アルバム:SHEKU KANNEH-MASON / Song (2022)
この曲が入ったアルバムを聴き終えた後すぐに訃報を知ったということもあり、挙げさせてもらいました。
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・田仲 昌之 (fete musique): Arthur's Thema (Best that you can do:ニューヨーク・シティ・セレナーデ)
収録アルバム:ミスター・アーサー / オリジナル・サウンドトラック (1981)
ニューヨークシティセレナーデ。 1番はこの楽曲です。 ミスターアーサーを 久しぶりに観たくなりました。
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・中原 仁: I Say a Little Prayer (小さな願い)
収録アルバム:Aretha Franklin / Aretha Now (1968)
洋楽に目覚め熱中した60年代後半〜70年代はバカラックの全盛期でした。この曲をはじめ、彼の音楽の飛翔感(ブラジル音楽にも通じる)が大好きです。
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・花田勝暁: (They Long to Be) Close to You (遙かなる影)
収録アルバム: All Kinds of People ~love Burt Bacharach~Produced by Jim O'Rourke (ジム・オルーク featuring 細野晴臣)
不朽の名曲のカバーで、ジムがVoに迎えたのは細野さん。友人の結婚式のビデオでBGMに、この曲を選びました。
(編者注:サブスクは発見できませんでした)
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・原信一郎: Do You Know the Way to San Jose? (サンホセへの道)
収録アルバム:Bossa Rio / ST (1968)
自分の環境からは決して出て来ないようなおしゃれな曲調。小学生ぐらいだった頃この曲を聴いて虜になった。
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・廣瀬俊介 (元東北芸術工科大学教員): The Look Of Love(恋の面影)
収録アルバム:Isaac Hayes / …To Be Continued (1970)
メロウなメロディと、エレクトリックピアノとギターが絡み合う間奏と、ロック愛好者には堪えられません。
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・副会長 (石郷岡英子): The Look of Love (恋の面影)
収録アルバム:Sergio Mendes & Brasil '66* / The Look Of Love (1967)
やはりこの曲は、セルジオ・メンデスのこのカバーが素敵ですね〜。かっこいいです。
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・まつ: anyone who had a heart (恋するハート)
収録アルバム:luther vandross / give me the reason (1986)
バカラックのカバーを彼が歌ってくれて良かった。ディオンヌと並ぶ最良の歌い手が彼だと思います。
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・松木和久: Close to You (遙かなる影)
収録アルバム:カーペンターズ / 遙かなる影(Close to You:1970)
洋楽の聴き始め。美しいメロディーラインに、音楽の授業ならみんなが音楽好きになるのにと思ったものです。
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・三友 敦之: This guys in love with you (ディス・ガイ)
収録アルバム:レディメイド、バカラックを讃える/V.A. (1994)
小西康陽氏セレクトのバカラック集の中の一曲。 知らないアーティスト・バージョンの数々に当時聴き倒しました。
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・ミハラヒデアキ: Wives & Lovers
収録アルバム: Dionne Warwick / The Sensitive Sound of Dionne Warwick (1965)
バカラックの複雑な楽曲を柔軟に表現できる歌手ディオンヌと出会ったことで沢山の名曲ができたのでしょうね。
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・メロウ野郎: Close to You (遙かなる影)
収録アルバム: Karel Gott / Láska je nádhera
他の皆さまもこの曲挙げると思うのでここは変人らしくチェコ語カヴァーで。
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・元吉 貴洋: Do You Know the Way to San Jose? (サンホセへの道)
収録アルバム: Bossa Rio / ST (1968)
中学生の時に沢山聴いた思い出のナンバー。ブラジル音楽にハマる契機となった豊かなアレンジが印象的。
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・Tetsuo Moriya: The Look of Love (恋の面影)
収録アルバム: 菊地成孔 / 南米のエリザベス・テイラー
数多のカバーが存在する中で個人的に好きな作品。 カヒミ・カリィの声が甘さにアンニュイさを加えている。
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・幸田愛一郎: I Say A Little Prayer (小さな願い)
収録アルバム: Dionne Warwick / The Windows Of The World (1967)
ディオンヌ・ワーウィックのバカラックーデヴィッドで一番好きな曲。ホーンアレンジといい、これぞソフトロック!
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・吉本 宏: Alfie
収録アルバム: Ilona Knopfler / bar buenos aires Estrella
彼のメロディーはいつも胸に“キュン”と響く。そんな作曲家は他にいない。どうぞ天国でも美しい音楽を。(「bar buenos aires Estrella」に選んだ楽曲です。)
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・脇田 洋二: A House Is Not A Home
収録アルバム: リチャード・ナット / ノット・ジャスト・アナザー・プリティ・フェイス(1980)
アコギ一本のアレンジとテノールボイスがメロの美しさを際立たせ、歌詞の孤独感をグイグイ増幅するカバー。
(編者注:子供のお尻が写っているだけなのに何故か動画が年齢制限されています。YouTube本体のページでは見られます)
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・わらさん: Close To You (遙かなる影)
収録アルバム: Cubic U (1998)
大学の頃、本家より、繰り返し聴いていました。私の唯一の英語の鼻歌です。
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以下に僕の独断でオマケを少々付け加えます。
・appendix 01: I'll Never Fall In Love Again (恋よ、さようなら)
収録アルバム:Burt Bacharach & Elvis Costello / Austin Powers: The Spy Who Shagged Me (1999)
BacharachとElvis Costelloが登場する動画です。映画『オースティン・パワーズ:デラックス』から。
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・appendix 02: Raindrops Keep Fallin' on My Head (雨にぬれても)
収録アルバム: Burt Bacharack / Butch Cassidy & The Sundance Kid (Soundtrack from the Motion Picture)
誰も選んでいないのですが、映画ファンとしてもこれも基本中の基本として外せないので、付け加えさせていただきます。
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・appendix 03: Raindrops Keep Fallin' on My Head (雨にぬれても)
収録アルバム:Trio Mocotó / ST (1973)
もう一つおまけ。Samba Rockの雄Trio Mocotóによる「雨にぬれても」。クイーカで演奏している超珍品です。
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